W 第一部 第二話 6
護衛任務開始の前日の午後
「う~」
優は膝を抱えてうずくまっていた
「あんた何しに来たのよ」
彩夏の部屋で
「う~」
「はあ」
事の発端は、今日の朝
体が冷えていたからシャワーを浴びに浴室へお湯を出そうとすると、排水溝に、長い髪の毛が落ちていたらしい
優も髪の毛は長いのだが、落ちていた毛は、銀髪だった
それを見た優はショックのあまり我を忘れてまだ寝ていた旦那を叩き起こし
「これどういうこと」
「え、しらねぇよ」
「しらねぇよじゃないよ、浮気、浮気してたの」
「だから、しらないって」
「うそだ、ちゃんと説明して」
「いやそういわれても」
「う、うわーん、もう君のことなんて知らない」
と言って勢いよく飛び出し
「う~」
人の家でまるまっている
「大丈夫よ、優、あんたの旦那にそんな甲斐性ないわよ」
とりあえずお茶を出してなぐさめてみる
「う~」
効果はないようね
はたから見れば、あんな旦那より優の方がはるかに魅力的だが
当の本人はべたぼれ、とても魅力のある男性と思い込んでいるのだ
それにまあ、魅力がないから、浮気しないというわけでもないしね
「そんなに悩むなら、調査会社に依頼してみたら」
今時、結婚相手の浮気調査なんて珍しい話じゃない
請け負ってくれる会社なんてそこら辺にある
「でも~」
それでも優は旦那の浮気調査を渋る
「でも」
「それって、相手のことを信じてないってことにならない」
「・・・・・・・はあ」
全くこの子は、ほんとに全く
「あんたねえ、相手がもうすでに裏切ってるかもしんないのよ」
「それでも・・・・・」
「はあ、私がもし同じ状況ならとっとと家から追い出してるわよ」
「それは、さいさいが結婚したことないからだよ」
「あぁん」
優のほっぺたを思いっきりつねる
「い、いたいよ~」
人が心配してんのにこの口は
「はあ、まあとりあえず今日はうちにおいてあげるけど、明日は帰るのよ」
「うん、わかった」
そういうと、優はまた、まるまった




