W 第一部 第一話 14
スカイプログラムの襲撃者をかけつけた警察と共に連行した春樹から連絡が入ってきた
「ああ、俺だ、優と彩夏も一緒か」
二人がグランドネットを爆破して逃走する犯人と遭遇し確保したことは優から連絡を受けた秋が既に報告してある
「あ、ああ、一緒だ」
「そうか、無事で何よりだ」
二人の無事を聞いた春樹の安堵がスマホの向こうから伝わってくる
仲間の心配をするのは当然だ、当然なのだ・・・
「手紙の方はどうだ、何か掴めたか」
秋に渡した手紙について、聞いてくる
「いや、・・手紙からは何も情報は得られなかった」
「そうか」
「なんか、あきあき、よそよそしくない」
秋に聞こえない声で、彩夏と冬華に言う
「んー、たしかにー、なにかあったのかしらー」
もしかして、さっきの襲撃事件でついに、吊り橋効果ってやつかしら
「ふふ」
「ん、さいさい、なにがおかしいの」
「んー、べつにー」
「?」
「まあまあ、今は事件に集中しましょ」
三人が秋の違和感について話し合っているところ
「そちらはどうだ」
春樹は何か情報を掴めたかのか聞く
「襲撃者はどちらも相変わらず黙秘しているが、どうやら二人とも雇われて襲撃したようだ」
「何、ということは、ふたりに襲撃を依頼したものがいるのか」
「ああ」
「その依頼主は分かっているのか」
「いや、まだ分かっていないが、二人が隠れ家としていたビジネスホテルからびりびりに破られた、契約書のような紙が見つかった、復元は可能だそうだが、時間がかかるらしい」
「そうか」
「とりあえず俺はこちらに残って新しい情報がないか探ってみる、そっちはそっちで何か掴めないか探ってみてくれ」
「ああ、わかった」
秋が春樹との会話の内容を伝える
三人は秋の違和感については言わず、秋の報告を黙って聞いた
「探れっていわれてもね、どこを探るのよ」
「そうねー、スカイプログラムもグランドネットももう証拠になりそうなものは持って行ってるだろうしねー」
「んー、困ったな、完全に手詰まりだ」
三人が考え込む中
「手詰まりってことは、自由にしていいってことだよね」
優がキラキラした目で確認をしてくる
「それはまあー、そういうことになるねー」
冬華が優の発言に同意する
「あんた、まさか、自由だからって、家に帰ろうとしてるんじゃないわよね」
「ま、まさかー、ねぇー」
「いや、優ならあり得る」
彩夏が疑い、冬華が擁護し、秋がその擁護を否定する
「違うよー」
優は自分に向けられている疑惑を真っ向から否定する
「ぼく、話を聞きたい人がいるから、その人に話を聞きに行きたいんだよー」
「誰に話を聞きたいのよ」
「それはねー」
別に盗聴されているわけではないが
彩夏の耳に口を寄せて言う
「・・・・・・・・・」
「は、」




