事件・前章Ⅰ
黒騎士事件は突然起きたわけではない。あの事件は十年前から始まっていた。その時のことを書いていこうと思う。
十年前のあの時私の家族は全員死亡した。そして、私の中に黒騎士の力が宿ったのも、怪物が蔓延したのもこの時である。詳しく書いていこう。
十年前、私は7歳であった。私の家族は若い両親と5歳の妹がいて、当時NPOの活動で紛争から逃げてきた人々の生活を支援するため紛争地域からは少し離れた非戦闘地域に居た。そこで村民と協力して逃げてきた人々が必要最低限の生活を送れるように支援していた。私は村の子供や逃げてきた子供と妹と一緒に遊んでいた。
ある日のことである。数日後に両親の友達である夫婦が来ることになっていたのでお出迎えの準備をしていたところ、村の近くにあった電波塔が壊されたとの知らせがあった。それ事態は早急に直されたが、その後ラジオから空襲を行うという情報が流れた。そのこと自体は誰も気にしてなかったが数時間後忘れもしない音がなった。
『おい、あれはなんだ』
村民がふとそんなことを言う
『飛行機にしては早いな』
『なぁ、こっちに来てないか』
次の瞬間遠くの人が吹っ飛んだ。爆撃機がクラスター爆弾をまいたのだ。
周りから悲鳴と爆発音が鳴り始めた。
「子供だけでも森に逃がせ!」
父さんが焦って日本語で叫んだ。村民や逃げてきた人々は一瞬何を言ったか分からなかったらしく父は現地の言葉で言い直した。
それにつられて混乱している子供たちを何とかまとめ上げて森に向かった。村を入口を出てすぐに振り返ると父さんと母さんが爆発に巻き込まれているところがちらりと見えた。村を出た後も攻撃が続いた逃げていた私たちの上にクラスター爆弾が撒かれ爆発で子供が飛んで行った。爆撃機とは別に戦闘機も飛び私たちに向けて機銃を撃ってきた。私が走っている後ろから悲鳴が聞こえた振り返ることができなかった。
ずっと泣きながら後ろを走っていた妹の手を引っ張って、森に入った。そうすると追撃をあきらめたのかしばらく飛び回っていたが静かになった。気が付けば夜になっていた。
「みんな死んだの」
妹がそう聞いてくる
「大丈夫だと思うよ・・・・みんなきっと大丈夫だよ・・・・・・・・」
そういうしかなかった。それきり空からまた攻撃されるかもしれないと恐怖に駆られながら夜空を見ていた。
「あれなに?」
妹が指をさしながら言った。ご飯も食べてなくてお腹も減っていてそんなことを考えることができなかったが、指をさしている方向を見ると、夜空に一筋の光があった。
「流れ星かな?」
そう流して見ていると、一筋の光は村に向かって大きくなっていき
「違う・・あれは隕石だ!!]
次の瞬間村とは少し外れたところに落ち、その衝撃波が僕らを木に強く打ち付けた。それによって私の意識が刈り取られた。
次に目が覚めた時、私は妹の手を引き来た道を戻っていった。ギリギリ人の形を保った遺体や体の一部が吹っ飛んだ遺体が散乱していた。吐き気を催しながら村に戻ってくるとそこには大人の遺体が転がっていた。
「父さん! 母さん!」
そう言って父さんと母さんの遺体を見つけて掛けろろうとする。その近くには昨日の夜落ちたであろう隕石も見えた。父さんと母さんのところに行くよりも先に、私は引かれるように隕石に向かっていった。妹は、泣き叫びながら父さんと母さんの遺体を揺らしていた。まじまじと隕石を見ていると
「お兄ちゃん、お父さんとお母さんが起きてくれないよ」
泣きながら近づいてきた。足元の不発弾に気付かずに
次の瞬間、吹き飛ばされ隕石に叩きつけられた。隕石が少し割れ、青い液体が漏れ出したような気がした。
目が覚めると隕石の中は空だった。少し周りを見ると血まみれの妹と両親が横になっていた。全員頭が割れていて骨が見えていた。周りはひどく静かで自分しかいないようだった。名前を呼んでも誰も返事もせず、揺らしても誰も起きなかった。私は耐えられなくなり、家族の頭蓋骨の破片の一部を持ってここから逃げるように走り出した。走って走って何も考えずに走った。
走り出してからの記憶はない覚えているのは空港で両親の友達の夫婦に介抱されていたところである。話によると村から空港に着くまでまで丸2日間走っていたらしい。たまたま空港に来てなかったら死んでたかもしれないらしい。その家族に「お父さんとお母さんは?」と聞かれ「ここに居るよと」手の中の骨を見せた。




