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魔王の娘が勇者になって悪いか!  作者: さいきあやか
5/5

5.嘘

親子の行方…。

「ぐおお…ふぅおおお…!」

サイルに踏みつけられていた

デラフィムから

黒いオーラが湧き上がる。


「…まだ…こんな力が…」

サイルが剣を引き抜き

デラフィムから少し距離を取る。


そして、ゆっくりと立ち上がるデラフィム。

「るーーーしぃーーーー!

お前は……違うぞ!!!母に!

父に愛され!

皆に望まれ!お前は産まれてきたのだ!

こんな魔族なんぞに耳を貸すな!

私の!父の!この声こそが、(まこと)だ!

私の声のみを!良く聞け!!!!」

「ちち……うえ……」

涙を流しつつ父デラフィムを

ただただ見つめるルシフェリーナ。

「ほう。もう……喉が…治ったか……。

いや…でも、奴は封印を解いていないはず。

現に、娘の方は…兵士たちの攻撃を受けて

守りが出続けている状況だ。

奴に力はないはず…。所詮、見せかけだ…!」

冷や汗をかくサイル。

黒いオーラを出しながら

時空から漆黒の槍を引き抜くデラフィム。

「“トコの槍”か…久しぶりにみたな…」

ゾクゾクとするサイル。

次の瞬間

デラフィムが槍を振るうと

途端にあたりの地面が裂け地形がかわる。

「バカな…!!!ありえない…!

あの槍を……あの状態でふるえるだと!?」

ブンブンと真っ黒い槍を振り回すデラフィムに

目を見開いて驚くサイル。

「(トコの槍…あの槍には実態が無く…

出現の仕方も不明な点が多い…。

そもそも、あの槍は

己の魔力で器である槍を満たし。

それを魔力で象り。

初めて実態を得て

武器になるという…異質な槍。

加えて…強大な魔力を

生命エネルギーへと変え

命の代わりとして初めて振える…。

強い魔王でもあの槍を魔力から

部質変化させるだけでもやっとで

振るおうとすれば気絶してしまう。

何故かそれを扱えたのは…

時の魔王である…デラフィムのみ…)」

デラフィムから離れ

自身の親指の爪を噛み何もできず。

汗をかくサイル。


そんな中デラフィムはこんなことを思っていた

「(私の寿命は…あとどれだけもってくれる。

魔力の殆どは、すべてルーシーの守りに変えて

すでに封をしてしまっている。

私の強すぎる魔力では…ルーシーと

普通の…人並みの暮らしはできなかったからな…。

残りの霊力も回復に使い…

こんな見せかけだけの槍を象るのに今は手一杯。

そして生命力そのものを使い…削り…

もともと長い寿命にモノを言わせて。

この槍を振るっているが…。)」

ルシフェリーナを見つめるデラフィム。

「(…封をとけば戦えて…

あの子達を守れるかも…。

でもその隙にあの子達を

殺されるかもしれない…。

そんな賭けはしたくないな…。

弱くなったものだな…デラフィムよ…。

我ながら…そう思う。)」

ニヤリとわらうデラフィム。

そして彼は自身の答えを見つけ

心にこう誓う。

「(私は…せめてあの子達だけでも

安全に逃がしてやりたい…。

例え、私が

ここで死すとしても…!)」


次の瞬間デラフィムは

ルシフェリーナ達の方へ

一気に走り出す。

「デラフィムがいったぞ!やれえええええ!」

兵士の一人が叫ぶ。

「父上!」

「ぐうっ!!!!」

デラフィムは背中にいくつもの

武器を突き刺されるも

不意をついて周りの兵士達を一層し。

ルシフェリーナ達を抱きかかえて

森へと逃げこんだ。


「なんだと………逃げたのか…!

追え!!!!絶対に逃がすな!」

怒りに震えるサイルの声が響き渡る。


「ルーシー…もう大丈夫だ」

「…父上…」

優しく、リンごとルシフェリーナを

強く抱きしめるデラフィム。

そして父に頭を擦り寄せ

泣くルシフェリーナ。

「私が時間を稼ぐ…逃げるんだ…」

「…い…嫌だよ!父上も一緒に…!」

「ルーシー…2人が逃げ切ったら

私はお前への守りをとく。そうすれば

私は元の力に戻って戦える!

そうしたら奴らなど敵ではない!」

「本当…?」

「ああ…本当だよルーシー。

私が可愛い娘に嘘なんてつくはずがない。

倒したら、すぐ二人を探しに行く…

だから、今は逃げてくれ…!」

笑顔でそう言うデラフィム。

「………いや。だけど…わかった…。

父上…必ず…必ず探しに来てね…」

「もちろんだ!すぐ迎えに行く!

愛してるよ…私のかわいいルーシー。」

強く娘を抱きしめるデラフィム。

そして、親子は

笑顔で一時の別れをすませる。


遠く

見えなくなる娘の後ろ姿を

デラフィムは

いつまでも見つめ。

そして、心を決め

子を守る父として

戦地へと戻るのであった。


「ゼラ…いま行く。

土産話は…何がいいか…」

どうもーさいきあやかです!


ここまで読んでいただきありがとうございます!

また時間がある時にでも

書かせてもらうので…

よろしければ、その時にまた

読んで頂けたら幸いです!

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