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Blanc et Rouge・1

《白の章》


 白い、白い場所に、わたしはいる。

 目が眩むほどの照明と、鉄格子から差し込むわずかな自然光で照らされた部屋。

 この白だけが、わたしの世界だった。


 やがて扉が開き、白衣の男がやってくる。

 これも、いつものこと。

 簡単な質問をされ、それに応えるのも。

 腕に注射針を刺され、何かを流し込まれるのも。

 いつもの、こと――。


 ああ、また、気が遠くなっていく。

 頭がぼおっとして、考えられなくなっていく。

 わたしの輪郭が、ゆっくりと溶けていく。


 そうしていつものように、わたしは意識を失う。



《赤の章》


 赤い、赤い大地に、わたしは立つ。

 目を焼くような夕暮れの太陽と、生命を失い干からびた土壌。

 この赤こそが、ようやくあの場所を離れたわたしが見る、初めての世界の姿だった。


 だけど、わたしはこの赤が永久で無いことを知っている。

 遥かな時間軸の先で、この場所は、別の色であることをよく知っている。


 それを変えたのは。

 たった一人の、冒険者。

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