序章 日本の晩年
20XX年、日本は荒れた。
長く続いた不況、拡大する格差、増加する凶悪犯罪。
そこへ、海外から流入した武器と犯罪組織が加わり、かつて世界でも有数の治安国家と賞賛された日本は、少しずつその姿を変容させていった。
銃器を使った強盗。
組織的な誘拐。
企業への脅迫。
不法な手段で国内に流れ込む者たちの数も、年々膨らんでいった。
正規の手続きを経ない入国者、海外の紛争地帯で実戦を経験した者たち。
その一部は、国内の犯罪組織へと静かに包み込まれていく。
警察だけでは手に負えないほど広域化した犯罪は、都道府県という枠組みさえ簡単に飛び越えた。
当然、日本政府も手をこまねいていたわけではない。
警察、自衛隊、公安関係機関。
それぞれが役割を果たしてきた。
それでも、追いつかなかった。
対立するシンジケートの一部が、国外の軍事勢力や、政権転覆を志向する思想勢力とまで結びついているとの情報が、公安の内部で共有され始めていた。
内乱罪。
外患誘致罪。
戦後、一度も現実の事件として適用されたことのないその二つの罪名が、初めて具体的な検討の俎上に載せられようとしていた。
自衛隊の治安出動という選択肢は、常に視野の片隅にあった。
だが、それは国内外に与える政治的な衝撃があまりに大きすぎる。
既存の組織では対応しきれない、国家規模の重大犯罪。
自衛隊を動かす一歩手前、警察権の限界線上で処理しなければならない事態。
その隙間を埋めるために、とある組織が設置される。
広域治安対策執行庁。
通称——執行庁。
広域にまたがる重大犯罪の捜査と執行を専門とする、国直属の治安機関である。
そして、その中で最も危険な現場を担当する部隊が存在した。
特別実行部。
その第一機動班。
通称——『ORGANIZE』。
これは、そこに一人の若き新星が配属されたところから始まる——、
正義を問い続ける物語である。
※代表作が行き詰まったので適当に執筆なう




