第3話 2人の出会い〜奈々視点〜 その1
どうも皆様、こんにちわ。カナデです。
今回は奈々視点その1となっております。
今回は残酷描写がやや多めです。
更に、いきなり場面が変わっていますのでご注意下さいませ。
それでは、お楽しみくださいませ。
ー其処には、暗闇だけが拡がっていた…ー
自分の周りには何もなく、それに少し恐怖を覚える。
ー恐怖なんて感情、もう無くなった筈なのに…笑えるわ。ー
自嘲気味にそんなことを考える。
周りをよく観察し場所を探る為に、私は暗闇の中を当てもなくさ迷う。
一度、振り返り何も無いことを確認し正面を向くと、いつの間にか目の前にポツンとドアがあり、ドアからは、私のかぎなれた不愉快な臭いが漂っていた。
気は進まないが意を決し私はドアを開けた。そこには…
複数の死体と、血だまりだけがあった。
どうやら一軒家のリビングらしく、一通りの家具が置かれていた。
だが、まるで何者かが暴れたように、部屋の中は悲惨な有様だった。
そして、その何者かによって殺されたのであろう、3人の死体があった。
近くにあった死体は、右腕が途中でちぎれていて、左足が反対方向に無理やり折り曲げられていて、無惨な有様だ。
まだ死んで間もないのか、右腕の断面から血がまるで蛇口を開けっぱなしにしているかのように流れ続けている。
その顔は恐怖に歪んでいる。
死体の位置や態勢から推測するに、逃げようとして殺されたのだろう。
残り二つの死体は、折り重なるように倒れていた。
夫婦なのか、男が女をかばうようにして倒れ、その隙に殺されたらしい。
男の方は背中を大きく抉られており、未だ鮮血が流れている。
さらに首もへし折られており、見るに無惨な有様だった。
女の方は首を掻き切られたらしく、口から血がこぼれ落ちていた。
そんな光景に、私は一歩下がってしまう。
だが、悲惨な光景にはなれているので、別に恐怖したわけではない。
ただ…この3人を、私はよく知っている。なぜなら…
などと考えていると、不意に近くにあった死体が顔をあげた。
その表情は悲しみに染まり、血の涙を流している。
残る二つの死体も、同じように顔をあげ、同じような表情をしていた。
そして三つの口が、同時に同じ言葉を紡ぐ。
「「「オ前サエ居ナケレバ…!!」」」
その直後、3人の死体がほぼ同時に襲いかかってきた。
扉のそばだったので、そこから逃げようとして振り返ると、ドアは消えてなくなっていた。
愕然とする私に、近くにいた死体が噛み付く…
…まさにその寸前に、私は目が覚めた。
如何だったでしょうか。
残酷描写は意外と書くのに苦戦しました。
文字だけでいかに残酷さを表現するかが凄く難しかったです。
次回は奈々視点、その2となります。
それでは、また次の話でお会いしましょう。