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親を探す旅に出ただけなのになぜ世界を救うことに…?  作者: 黄昏の大陸
第3章 少年編 ~傭兵団の仕事~
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第10話 脱走

 ブックマーク登録ありがとうございます。

 ソティアス率いる傭兵団が戦場から離脱したことは、村人や狼人族にも伝わった。

 村人も狼人族も5年前の英雄、竜殺しのソティアスが力を貸すからこそ第4王子グランツ・レイノ・イストリア王子殿下に手を貸すことを決めた者が多数いたのだがソティアスが抜ける事を黙認したグランツ王子に対し狼人族を中心に村人も不信感を持ち始めていた。

 ソティアスに比べて、グランツ王子の事を知る者はあまりいない。

 グランツ王子は、兄妹達の中では一番有能である噂を聞いた事があるのみで、何かしらの実績がある訳ではないので、どうしてもソティアスに比べて信用できない部分があると思っている者が多数いた。

 しかし、よくよく観察して見ると狼人族と村人を先導している者が居る事がわかる。

 グランツもその存在に気がついていたが何故が静観していた。


 ソティアスが移動する前に先に到着していたゴブリンと盗賊を全滅させてから転移していたので、次に領軍が到着するまでに時間が出来たので、狼人族、村人に説明して、しぶしぶ納得はしてくれたが士気が下がっていたので、戦争には出す事が出来ないであろうとグランツは思っていた。

 

 狼人族と村人達がしぶしぶ納得してくれたが納得していない女の子3人がグランツに詰め寄っていた。

 

 「グランツ兄様! どうしてソティを引き止めなかったんですか!」

 「お父さんもです! やっとソティ君と家族に戻れるところだったのに! ソティ君多分私達の前に現れないと思う……今回は、お別れを言って行ったから」

 「グランツ王子に刃物を向けた事は許されない!」

 「何を言ってるの? ソティ君が刀を抜いて防いでいなければ、グランツ王子がやられていたのよ!」

 「それでもだ! ソティなら刀を抜かなくとも魔術で防げていたはずだ!」

 「あのタイミングでは無理よ! 敵のあの魔術を防ぐ攻撃魔術を放つとぶつかった瞬間に周りに被害が出でいたわ」

 「なら、防御魔術で!」

 「王子の周りには兵士が固めていたから防御魔術を放つ隙間が無かった。防御魔術と言っても使い方によっては攻撃にもなるから密集地帯には使えないの! 魔術は、敵味方を判別できるわけじゃないからああいう場面では使えないの!」

 「しかし、ソティは、5年前の王都襲撃の際には民がいる中でも盗賊だけを狙って攻撃していたじゃないか!」

 「あれは、盗賊との間に隙間があったし、ソティ君が全ての盗賊の位置を把握して攻撃したから他の人に当たらなかったのよ! ソティ君だからできた事なの、他の人なら敵味方関係なく殺していたわ」

 「……誰かが言っていたがソティが攻撃していなければ、王子も攻撃されていなかったんじゃないか?」

 「お父さん本気で言っているの? ソティ君以外あそこに敵がいる事を知っていた人がいなかった。ソティ君がいなかったら早いが遅いがだけで王子は殺されていたんじゃない?」

 「な。なら、俺がソティに対して行った事は?」

 「拒絶!」


 リキドは、ミールの言葉に苦渋な顔をし俯いてしまった。

 

 「はっきり言えば、この戦いはソティが居なければ勝つことが出来ない戦いなんです。それを追い出すなんで! どうかしています。グランツ兄様」


 ラピスの言葉にも一切口を開かなかった。

 そもそもグランツが口を開いたのは、村人達への説明の時だけでありそれ以外は、瞳を閉じ口を一文字に閉じたまま何がを待っているかの様にじっとしていた。


 場に沈黙が流れて暫くすると一人の兵士が駈け込んで来た。

 「北の領兵軍5千到着し陣を築いています」


 兵士の言葉にグランツが口を開いた。


 「リキド大将軍、兵士の配置は、完了していますか?」

 「はっ! 村人、狼人族を含めて1万、東門と南門に4千ずつ北門と西門に1千ずつ配置しています」

 「指示があるまで待機、多分今日は、陣を築くだけで攻めてはこないでしょう」

 「何故そう思うのですか?」

 「ゴブリンと盗賊と違って、領兵軍、王国軍は正規兵であり内乱が終わった後の事も考えて、失いたくないはずだから無暗に襲ってはこない」

 

 全員信じられなかったがグランツに面と向かって聞く者はいなかった。


 数時間後


 「西の領兵軍6千到着、南門側に陣を構えます」


 「王国軍1万到着、西の領兵軍後方に陣を築いています」


 「敵兵、火を起こし食事の準備をしています」

 「攻撃しますか?」

 「罠の可能性がある監視のみで構わない。此方も食事の準備をし順番に食べ残りは、見張りの指示を出しておいでください」


 グランツは、簡単な指示を出してから部屋に籠ってしまった。


 外はすっかり暗くなっていた。

 

 グランツが部屋から出たところをリキドとリュセの2人の大将軍が夜襲をかけるべきと言い始めたがグランツはそれを却下した」

 

 「何故ですか? 今なら上手くいくと思います」

 「では、聞きますが両大将軍は夜襲の経験はありますか?」

 「「ありません……」」

 「では無理です。簡単に夜襲といいますが夜襲には高度な技術と連携が必要です。常日頃からの訓練をしていなければ無理な作戦です。こちらの被害が大きくなるだけです」


 それでも引き下がらないリキドとリュセは、グランツに言い寄ろうとした時、1人の兵士が飛び込んできた。


 「失礼します。元国王と元王子王女の5人が逃げ出しました」

 「なっ! 見張りはどうした!?」

 「部屋の前で見張っていた2人は殺され、外で見張っていた3人は……5人と一緒に逃げ出しました。そして……」


 兵士が言いづらそうにしているのを見てグランツが変わりに答えた。


 「北門と西門の兵士も消えましたか?」

 「そ、その通りです!」


 兵を配置したリキドとリュセは、顔を青ざめて館を飛び出しその後ろをラピス、ミール、エストが追いかけたがグランツはゆっくりと歩いて館を出た。


 館を出たところに全員が村壁の外を見て驚いていた。

 全員が見て驚いていた方をグランツも振り向いてみるとソティアスが村を出る時に消していった鉄壁が消す前よりさらに高くなって復活していた。

 

 「予定通りいきましたね! グランツ殿」

 

 

 最後までお読み頂き有難う御座います。

 新しく「ぼくは、今の世界と異世界、間違えて生まれてきたようで、生まれていたはずの世界に戻れるそうです。」を連載いたしました。

 合わせてよろしくお願いします。

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