第8話
「それにしても、この剣の使い勝手はいいな〜」
よ〜し。このまま暫く狩るぜ!
メキッ………バキッ、バキバキッ!
「ん? なんだ?」
こんな森中でなんだ? ゴブリンでもこけたか?
違いました。何か俺より大きいゴブリンがいる。普通サイズは腰ぐらいの高さの筈だ。
まあ、いい。丁度いいや。俺の練習相手になって貰いましょう。
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ゴブリンキング
HP 319/319
MP 14/14
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ゴブリンキング……ね。なんで出てきた?それは後々考えよう。今は倒すのが最優先だ。
『ファイアボール』
手の平大の火球がゴブリンキングに当たって爆ぜる。少し体制が崩れたが、そんなにダメージが入っているようにはみえない。
一応確認しとくか。
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ゴブリンキング
HP 279 /319
MP 14/14
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だいたい40ってとこか。う〜ん……、MPはあまり無駄遣いをしたくない。しょうがない。剣でいくか。
ゴブリンキングの手にはどこで拾ったのか大きな木の棒が握られている。それを振り上げながらこちらに突進してきた。
ブォォーン!
「危なっっ!」
間一髪、ゴブリンキングの木の棒をしゃがんで避ける。そのまま相手の懐へ一太刀いれる。
ゴッ!!
しまった! 魔力流していなかっ………
相手の持つ木の棒が目前に迫る!
「ゴフッッ!!」
そのまま数メートル先まで吹っ飛んだ。
「……痛ってえぇ………、魔力忘れてた……」
ゴブリンキングがすぐにこちらへ走ってくる。
「どうやら考えてる暇はなさそうだ」
すぐさま魔力を流し、火属性を付与した。
『ファイア!』
剣から火が立ち上るのと同時に走り、ゴブリンキングとの距離を一気に詰める。
「オラアァァァッ!!」
ズパンッ!
相手の持つ木の棒と一緒に腕を斬り落とす。
「グガアァァアァ!」
「うっせえぇぇっ! 黙ってろぉぉお!!」
ドスッ!
「グ…、ガアァ………」
「なるほどね。心臓刺されるとHPはなくなると」
ズルッ……
相手の体から剣を引き抜く。
「ふぅ、疲れた……」
ったく、なんでこんなのが襲ってきたんだ? 心当たりが全くない。
それより大分HPが削られた筈だ。確認しよう。
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カミタニ トウガ
lv 10
HP 57/219
MP 329/638
STR 86
VIT 75
INT 438
MEN 81
・ゴブリン 討伐数129体
・ゴブリンキング 討伐数1体
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いや〜、結構ダメージ受けたな〜。それにレベルも上がったな〜……。
いやっ! そこじゃねーよ! 討伐数の方が問題だわっ!
うわ〜、100体も狩ったか……。
だからキングが出たのかな? だとしたら俺が悪かったな。うん。
「とりあえず街に戻ろう。予想より疲れた……」
そのまま宿へ泊まろうと思ったが……
「あっ、宿の場所聞いてなかった……」
燈雅は今日一日は本当についてないと思った。