第7話
一体あの刀はなんだ? 安物の樽に入ってる様な刀じゃないだろ。
「すみません。この刀って……」
「お前、そんな刀が良いのか? なまくらだぞ、なまくら」
「じゃ、これをください」
「お前、話聞いてたか? まあ、買ってくれるなら何もいわねぇけどよ……。いくらなまくらっても、手入れはおこたるなよ」
「手入れとは?」
「刀を布で拭いたら薄く油を塗っておくんだ。代金は2000zでいい」
「ずいぶんと安いんですね」
「誰も買わないなまくらを高く売る必要はない」
「なるほど……。また何か買いに来ます」
「おう、よろしく頼むぜ」
早速試し斬りだっ!!
ーー森ーー
店主はなまくらって言ってたけど何かすごいと思うんだよな〜。オーラっぽいの出てたし………。
(注意! 燈雅個人が感じたものであり、視覚的に見えた訳ではありません!)
……斬ってみればわかるか。
ゴブリンさ〜ん。出てらっしゃ〜い。三枚下ろしの練習させて〜。いないな、前はあんなにいたのに、こういう時に限って……。
いたっ! 絶対逃がさん! この刀の錆となれぇぇぇっ!!
ゴッ!!
え? 聞き間違いかな? 今、ゴッて音が聞こえたような……。
ゴッ!
ガッ!
ガガッ!
ゴンッ!
斬れねぇぇ! しまいにはゴンッていったよ?! これもう刀じゃ無いよ?! 鈍器だよ、鈍器! あれだけ鋭利に見えるのに何故斬れん! 逆に不思議だわっ!!
撤退だ! 撤退! 戦略的撤退だっ!
ーー森の外ーー
「はぁ、はぁ、逃げなくても良かったじゃん……。魔法使えば良かった……」
っくそ、この刀どうなってん?!
解析すれば何か分かるかな?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
月刀 火桜凛
・いにしえの賢者が使用していた武器の一つ。魔力感知に長けている者や、歴代の賢者にしかこの魔力を見る事が出来ない。
・刀に魔力を流す事で斬れ味が増す。属性名を唱える事によって属性付与ができる。
・月が出ている時に使用する時、自動的に闇属性と聖属性が付く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おいおい、これも中々のチートだな。
歴代の賢者? まさか今までにも賢者がいたとは………。俺と同じ勇者のなりそこないかな? そうであったら嬉しい。何か気分的に。
とりあえず魔力を流せばいいんだな。魔力を流す………? 魔法使う時と同じように刀に纏わせればいいのかな?
おぉ、出来た! なんだか凄い。刀が淡白く光っている。
「確か属性付与も出来るんだったな」
『ファイア』
おおぉ! 凄えぇっ!! いきなり刀から火が! 刀から火がほとばしってる! マジカッコ良過ぎる!!
よし!! なんでも出来る気がする!!
行くぜえぇぇ!
ーー森ーー
いた! ゴブリン、さっきは殴って悪かった。次は一思いに斬ってやるぜぇぇえ!
ヒュンッ
え……? 何も手応えがなかったぞ?確かにゴブリン……を……斬っ………って……?
うぎゃぁぁぁ! ゴブリンが上下半分になってるぅぅう!? 何故だ?! 俺は軽〜い気持ちで浅く斬っただけなのに……。
斬れ味良過ぎだろ!!
しかも、切断面は焼かれて血が出ていない。これはいい。正直、グロいのは苦手だ。これからはこれをメインに使っていこう。MP消費も少ないし。
燈雅はこの時、すぐ後ろまで来ている大きな影に気付いていなかった。




