208話 年の瀬も忙しい
意気込んでみたけど、俺は邪神を見たことがない。オープニングムービーにも出てこないし、メインストーリーを攻略しているわけでもないからわざわざ見る必要もない。ただまぁ、邪神というからには人型だと思ってたんだけど・・・。
「バカでかい掘削機?」
なんと言うか・・・、全体的に見れば生物っぽい。でもこう・・・、6本の脚に中心から伸びる針のような物、頭でいいのか分からないけど、細長い胴体の先にはコレまた細い腕とタンクのような頭がある。遠くから見ても見上げるほどの大きさだけど、頂上は平たいようだ。でも、あれ登るの?と、言うかなにか針から吸い上げる的な?
>> あれが邪神?
>> 人型ですらなくて草
>> トラブルオンライン勢〜
あれ、邪神で合ってる?
>> メインストーリーのモノとは少し違う
でも、概ね合ってると思う
>> さっさと倒すぞ!
あれって潜り込んで星を改変させるから!
てっぺん目指せ、てっぺん!
「潜り込んで・・・、なんと言うか新手のウイルス的な?元々増えるって言ってたし・・・。なんにしても特攻してくるぜ!来い、ブライトーーー!!」
「問おう。お前が我の契約者か?」
「鉄板ネタ分かってるぅ〜!」
「・・・、そんなことやってる場合か!邪神が!!」
「おうっ!だから特攻するよ!・・・、ついて来れるか。」
「いや、我が先に行く!ツキよ、ついて来い!」
>> ブライトはセイバーだった?
>> 剣使うからセイバー?
>> ある意味、ツキちゃんいないと動けないからセイバー?
>> あ〜・・・、プロトの男アーサーならワンチャン?
フィールドに飛び出すと同じく飛び出したプレーヤーとNPCで溢れかえってる。そして、空を見上げれば演出なのか飛行ユニットっぽいものも飛んでるけど、残念なことにどんどん撃ち落とされてる。
プレーヤー側に空を飛べるスキルやらはないけど、あったとしてもあれだと近寄れないか。ワイバーン便も無理だろうし。と、言うかかぐやで見た残滓も邪神から投下されてるし、モンスターもどんどん攻めてきてる!
えっ!?増えるって本当に氾濫系?コイツって、ここに固定されてそこから世界征服してやる!的な?なんにしても攻略方法とか知らないし他の人に付いていくか。
「うぉぉぉーーーー!!!接敵!会敵!どんどん来てるぞー!!!」
>> ジャイロ囲まれてる!
>> 防波堤なし!他の配信者見たけど
全周囲から他の街も攻められてる!
>> リローデッドもう一体どこ〜?
>> 分からん・・・
下手したらここの真裏にいるかも
海外勢は海外勢用のリローデッド倒せとか?
>> なんでもいいから倒せ!
「ブライト!離れないで!下手すると波に飲み込まれる!」
「分かった!」
正解の道かは分からない。なにせ先頭走る人もこれが正しい道か知らずに走ってるんだし。でも、目の前にリローデッドが見えるから多分間違いじゃない!後方から大魔法が飛んでくる中を刀術を使い、杭を使い残滓やモンスターを倒し、途中で番人の用に立つレベリオン系のモンスターをNPCの援護やプレーヤー達と協力して倒す。
「なんと言うか、選別されてる気もする・・・。」
「なにか言ったか?ツキ。」
「いや、思い過ごしだと思う。そこ!杭でぶっ刺されろ!」
「助かった!報酬は・・・、すまん。」
「報酬も大事だけど、今はコイツをぶっ潰す!」
そう。確かに杭で交換できる報酬は魅力的。でも、それはイベントが終わったあとに残った杭で交換すればいい。なにせ、クインズさんからいい量貰ったし。でも、それを差し引いても削れる量も多いのよねぇ。
倒して欠片補充して、それでまた杭を作ってモンスター倒すとか、なんていうマッチポンプ?ただ、そうやって回さないと流石にNPCの援護だけじゃ抑えきれない!今も目の前でNPCの兵士が残滓に殺されたし!
「適当にブンブン丸やってもモンスターやらプレーヤーに攻撃当たるとか、密度濃すぎない?」
「我を巻き込むなよ?」
「NPCとブライトは巻き込まないよ!その代わり、準備不足のプレーヤーは自業自得と諦めてもらって、1回分の死をプレゼントしてあげよう。」
>> 流石にフレンドリーファイア対策してない
奴はおらんだろ
>> ・・・、テヘペロ
>> さっさとやれw
最前線でフレンドリーファイア死亡とか
洒落にならんぞ
>> いや〜、酒飲んでて通知でログインしたから・・・
>> 酔っ払いも戦場にいるのかよ・・・
>> 嘔吐休憩は・・・、アマテラスさん大丈夫です!
酔ってません!シャキッとしてます!
>> この時期はママテラスから怒られる大人が多い
>> でも、正月くらいは見逃してよオカン!
クソ!俺も飲みたいよ!流石に病室で飲んだら怒られるから飲まないけど、雪の宿でもう少し飲んでおけばよかったと、そこはかとなく思う・・・。
ツキ>> 私も飲みた〜い!
>> おっ!飲んじゃう?
お酌とかしてくれる?
ツキ>> 病室だから飲めな〜い!
「どりやぁぁぁーーーー!!!おっ!ツキさん、こんばんわ。」
「おおっ!ハヤトさんこんばんは。なに?今からレイド開始?」
「職場の忘年会終わりだ!鶏肉は食べても酒は飲まない!なにせ筋肉が溶ける。」
「それはそれでもったいないような・・・。」
「喋ってないで攻撃しろ!回り込まれていないが、波のように押し寄せているぞ!」
「わかってるよブライト!ハヤトさんはこのまま?」
「いや、リローデッドに行く前に欠片を稼ぐ。それに、殴り魔的にはここでNPCを守る盾になる方が建設的だからな。ツキさんは?」
「少なくとも今日からほぼ2日間レイドやるとして、どこかに中間地点はあると思う。だから、それの開放までは行きたいかな?だから・・・、前に出る!」
「なるほど、あのデカさならどこかにはあるな。それが足元か、それとも中に入ってからかは分からないが。」
「下手するとフリークライミングかもよ?ココットルではそんなところもあるし。なんにしても、よいお年を!」
「よいお年をーー!」
ジャングルを踏み荒らし、バカでかい掘削機を目指す集団は森の奥へ奥へと進んでいく。ん?この先って神秘洞窟付近?と、言うことは水源地にぶっ刺さってる?
「ブライト・・・、この先って・・・。」
「神秘洞窟・・・、我がツキと最初に敵として出会った場所だ。」
「すんごい嫌なこと聞いていい?妖精も?」
「も、と言うより含めだ。」
「それはまた・・・。」
アレイスターで外より来る者と言うのは見た。でも、ガチで星を脅かす侵略者だとはなぁ・・・。寄生して増えて暴れてと、全く持っていいことがない。いいことがないけど、これって・・・。
(ウイルスモデル?)




