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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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214/224

205話 ここも地獄だぜ! 挿絵あり

「地球の雨とは、温かいものだな・・・。」


>> ガッツリ晴天だけどな


>> ほら、ツキちゃん金色だからゴールドスモーっぽく・・・


>> あのヘンテコサングラス売ってない?


>> ツキちゃんはムーンレィスだった?


>> 生活はしてないけど強制配置はされたな


>> て、ことは今宇宙では黒歴史が実演されてる?


>> まぁ、邪神そのものが黒歴史ではあるんだろうけどな


>> というか、ツキちゃんどこに配置されたの?

  ジャブロー?


「どう見ても森林帝国ジャイロです、ありがとうございます。アレイスターに投げ込まれたら泣こうかと思ってましたけど、比較的後方の街ですね。へっへっへ・・・。」


>> 空割れてなんか落っこちてきたのその辺りだよ?


>> フラグを確実に回収するお狐様w


>> ほら、周りを見てごらん?

  ガチってるプレーヤー多そうだぞ♡


「夢、夢を見ている・・・。そうだろ!ここが次の最前線かもしれないなんて・・・、ウソだと言ってよバーニィ・・・。」


>> 毎日見ている終わりのない夢・・・

  血塗れのコックピットはないぞ〜


>> いや。撃墜されたプレーヤー考えると、周りには・・・


>> その前に、地上は地上で残滓が溢れてるんだけどね


>> 既に最前線と言うか、激戦区なんだよなぁ〜w

  どこもかしこもガンガン攻められてるし


>> 心の安寧時間5分

  戦う時間1/2の18時まで!


>> 後72時間くらいは継続戦闘か〜

  いや〜、参拝者としてポテチが旨い!


>> おれ、お屠蘇飲んどくね!


>> なら、俺は謎ジャムを・・・


>> 誰か死に急いでるぞ!謎ジャムはやめとけ!


>> 謎ジャムってなに?


>> ヒント、秋子さんw

  多分ツキちゃんの言う『夢、夢を・・・』もそのネタ


「現実逃避したっていいだろう、狐巫女だもん。ツキと、ポエミィなのはいいとして、戦況考えるとアレイスターが厳しいのは確定でしょう?救援呼んだのアレイスターのアルケーだし。」


「お〜い、ツキさん生き残ったか。」


「おお〜、歩く死体が・・・。」


「ワシは生きとる。ミニゲームでの死亡は数多の兵士の中の記憶らしいぞ?」


「なるほど、誰かを追体験したって解釈か。なら、フロムさんおはようございます。」


「おはようさん。で、だ。どこに逃げる?」


「う〜ん、オーランド?」


>> 速攻逃げる算段を建てるな!


>> 逃げるな!逃げるな卑怯者!


>> 心を燃やせ!


「燃やした結果が消し炭とか怖い!だって、ジャイロから球体取ったら後は古代都市風な街よ?防衛拠点としては下じゃない?」


 と、言いつつここで戦うのは本当に嫌。フィールドに出てないからなんとも言えないけど、森林帝国ジャイロは文字通り森林マップ。つまり木の上からモンスターは攻撃してくるし、残滓は木々の間を縫って仕掛けてくる。プラス要素を考えるなら木が非破壊オブジェクトだから隠れ場所に困らないとか?


 でも、それって相手も一緒だから完全にプラスではないし、モンスター側からすればガン待ち戦法で奇襲狙いに極振りする方がプレーヤーを効率よく倒せる・・・。かぐやは開けた場所でのガチバトル、ここでは逃げて隠れて見落としたら殺される忍者バトル。どこもかしこも地獄だぜ・・・。


「おおっ!ツキさん。」


「ん?あら、陸亀さんやっほ~。」


「あん?確かあだ名は弁慶じゃったか?」


「そうです。始めましてフロムさん。いや〜、助かった。」


「助かった?なにがです?」


「ここって最初の街の近くだからほぼカンスト勢いなくって・・・。中堅どころはもっと奥の街にいるから、総合的に見ると戦力ガタガタなんですよ・・・。まさか、逃げないですよね?」


(チラッ)


(チラッ)


 阿吽の呼吸。一の型、脱兎!脇目も振らず回れ右して走り出す逃走技!この際、足の遅いフロムさんはよく失敗して捕まる!と、言うかフロムさんは諦めてるし、俺は尻尾を捕まれて痛い。と、言うか回れ右した先には別府さんが待ち構えてるし、他にもチラホラ見た顔がある。


「ちょっと弁慶〜。そこは逃がすべきでしょ〜。」


「街の間の移動が厳しくても、2人ならガチで逃げ切るだろ?」


「ツキちゃんおひさ〜。一緒に遊ぼうや。」


>> 本気で逃げようとする奴があるか!


>> リスク管理考えると逃げたいよね〜


>> ここって、誰か仕切ってる人いるのかな?


>> いない。配信者もいないから、総合掲示板頼り


「アイヤー、私ツキ違うネ。ムーンよ、よろし?」


「ワシはアーユーフロムじゃぞ。」


「いやいや、ツキさんって声かけて挨拶返したの聞いてるから。かぐやにいた2人は知らないかもしれないけど、割と真面目な話、他の街からここに向かってるプレーヤーやNPCはそこそこ多い。」


「は?・・・、あぁ。裏の情報的に?」


「そう。裏の情報的に。それに、ここが落ちるとヤバい。流通にしても、食い物にしてもポーションなんかの原材料にしてもな。なにせ森林地帯だし。」


「ドン・スミスの奴が笑っとるな・・・。」


「そんなことよりフィールド出ようぜ〜。」


「別府の兄貴!行きやしょう!」


「サラダバーの兄貴〜!」


 陸亀さんはいいとして別府さんは、なんだかんだで低レベルプレーヤーから慕われているようだ。まぁ、距離詰めるのが上手いと言うか、嫌味にならない感じのヤンキー感だから周りも気兼ねしないのかな?


「それより皇帝はどうしたんじゃ?ここの皇帝なら一も二もなく掃討戦を提示するじゃろ?」


「皇帝・・・、今はキャプテン=レオな。脳筋獣人と言いつつ、今回はめちゃくちゃ上手く配置してる。まぁ、それでも被害は多い。」


 森林帝国のトップは皇帝レオ。もうライオンの頭にブーメランパンツにマント、はち切れんばかり筋肉を見せつけるスタイルは笑えない裸の王様である。実際ケンカ売ることもできるし、手合わせを願えば気前よく手合わせしてくれる。


 ただ、バカでかい大剣とプロレス技に打撃技でボコられるプレーヤー多数。そもそも見た目で脳筋獣人と言われてるけど、魔法も使えるインテリ獣人なのよね、皇帝だし。


「なんにしても一旦戦わないことには分からないか。」


「なら行こうぜ〜。」


「逃げれんし行くか。」


「そうですね。それと、私もフロムさんも基本野良だから指揮能力には期待しないでね、絶望していいよ!」


「それはもう、新人サポートして生きて返してくれればいい。ナイトメアキャッチャー買って破産しそうな新人も多いからな。使わずに死んでリスポーンしろとは言ったけど、目の前にドロップ品が転がってると・・・。」


「復活してでも回収したくなると。まぁ、交換品を考えると欲しくなるもんなぁ〜。」


 周年イベントは運営がデレやすい。今回は肥料やら種が一部無制限交換化されてるところもあるし、ゴールドへの交換も最大5000万まで行ける。それ以外にもサブスクチケットで一ヶ月のサブスクが無料解禁できたり、ロボの強化素材がズラリと並んだり、10連+1のガチャ券が50枚交換できたりする。


 そんな中で目玉と言えば、系統指定最高レアリティランダムガチャ券5枚と武器充填剤×1。系統ガチャ券はまぁ、本人の引きの強さによるとして、武器充填剤はふざけた名前なのに対して持ってる武器に使えばその武器を1つ重ねたことにしてくれる素敵アイテム。


 交換不可、使った後の取り消し不可、課金武器限定と、色々縛りはあるけど気にするほどもものじゃない。それが今回で4つ目。1周年、1.5周年、2周年、そして3周年。2.5周年では交換ラインナップに並ばなかったのよね・・・。ともかく、最初から貯め続けてれば何か1つは武器が覚醒できる。


 そんな話をしつつまだ死んでなかったから、フレンドリーファイア対策にフロムさんと互いに斬首し合い、別府さんとその他諸々のプレーヤーでフィールドへ!陸亀さん?残念なことにあの人がここのハブ役を押し付けられてるらしい。当然、本人もフィールドにはでるけど、俺たちのようなかぐや再配置組が時間差で来るんだってさ。悪役プレーしてても律儀と言うかなんと言うか・・・。


 新社会人とか言ってたし、上から言われたり周りから頼まれたら断りづらいんだろう。なにせ本人もカンストしたプレーヤーだから、ここにいる以上は先輩としても振る舞えるし。


「で、フィールドに出たけど・・・。」


「なんじゃ?これは?」


 いつもならアマゾンを思わせる光景が、今は瘴気でも放っているのか紫の霞がかかり、木々も葉も黒いペンキでもぶち撒けたかのように斑に黒い。不気味なのはその黒い部分に光沢もないとか?あと、臭い・・・。腐臭かな?


「淀んでんだよ。ほら、フォレストレベリオンは邪神の尖兵っつうじゃん?たまに毒沼あるから気ーつけてくれや。って、なんで2人はホッとしてんの?」


「地上だなぁ〜、と。」


「地上じゃなぁ〜、との。」


「兄貴、あの2人和んでますけどいいんですかい?」


「さぁ?でも、かぐや生き抜いた2人だべ?俺もカンストしてねーのに、カンストしてる古参の2人。それにツキちゃんは陸っちも負かしてんの。お前らは自分の心配でもしとけ。」


「おろ、あれから更に仲良くなって?」


「仲良くっつうか、カンスト目指して脱身内プレー中〜。っと、ワラワラ来やがった!行くぞお前ら!」


「「「うっす!!!」」」


『『『ウッホホ!ウッホホ!!!キーーー!!!』』』


 手に手に武器を持って猿のモンスターに殴りかかって行くプレーヤーたち。俺も武器を手に取るけど、かなりかぐやとは様子が違う。既存のモンスターに黒い斑が・・・。更に言えば、かぐやで散々潰した目玉が体のどこかに1つか2つ付いている。なるほど、増える寄生体か。


「ハンマーじゃなくてナックルかの?」


「まぁ、妥当なのは目潰しからでしょうね。と、言うか別府さーん。あれって弱点?」


「・・・、初見!」


「あっ、ハァイ。」


「今まではどうじゃ!バンカーナックル!」


「今までは斑で硬いだけ!それでも袋にすりゃあ倒せる!ライトニングピアーズ!!!こんな目玉なかった!あんのはかぐやだけだろ!と、言うか斑モンスターでもドロップ面はかぐやと一緒だった!」


「ならさっさと潰す!メテオバレット!多分熱線撃ってくるよ!!」


「熱線・・・、ぎゃ!足先の目玉から出た!!」


「ほら、ヒール!ダメージは!」


「少し・・・。」


「違う、大まかな数字。それが分かれば装備品は抜きにしてもレベルと計算して大体どのくらいのレベル帯で何発耐えられるか分かる!って、邪魔!ドロップキック!そのまま反動使って滝落ち切り!」


>> 判断は的確なんだよなぁ〜


>> やってることも真面目なんだよなぁ〜


>> ただ、それが噛み合わさると何故かギャグになる

  ツキちゃんw


>> アレイスター!こっちにも目玉付けたモンスター出た!

  ウルフの口の中に目玉が・・・


>> 潮彩!ふざけんな!バーサーカーフィッシュが

  2体セットの代わりに目玉が多い!


>> 日華・・・、スケルトンに目玉ってゲイザー?

  死霊モンスター沢山でーす

  橋がかなりヤバいでーす


>> ココットルに山籠りした俺氏

  高みの見物ナウ


>> 戦犯


>> ギルティ


>> 極刑


>> 違うて。目玉グリフォンに持ち上げてからの

  地面紅葉おろし食らって・・・、今死んだ


>> 俺たち親友だよな!


>> おお!その程度で死んでしまうとは情けない


>> 死んでる暇ないぞ!生き返れ!


>> オーランド・・・

  初心者がやる難易度か!これ!誰か救援!

  かぐや組がキターーー!!!!

  徽章持ちさん助けてーー!!


クインズ>> 目潰ししろ!

      それで多少は相手が柔らかくなる

      ダメなら杭使え、固定貫通ダメージが出る!

      ・・・、いいサンドバッグだな


>> クインズさんちーす!


>> ぐぬぬ・・・!

  私の報酬交換計算が!

  ・・・、削れない?杭削れない?


>> 削れ幅5、欠片ドロップ10!


>> ・・・、残滓本体探すか


>> 本体ドロップ欠片50だよな?


>> オオミカ全体で袋にしてやんよ!!


「やっぱり目潰しからが正解!ダメなら杭!」


「ぎゃーー!!なんで足の甲に目!?木の上から熱線撃ってきた!!更に樹の実も投げてきた!か、回避間に合うか!?」


「怯えんなよ、サンダーレイ!陸っちのお守りがねぇから自前でガードも回避もしろや!」


「そうじゃぞ!自分で動いて遊ばんかい!グラビトンハンマー!スライディングからの、その目貰ったぁ!!」


「そうそう。見えるだけならうちの配信見てね〜。ファイアカノン!飛び蹴り!炎牙脚!その目玉は潰れてね!」


「・・・、うっす!頑張るっす!」


『ギャッフ!ギギヤッフ!!!』


>> ビジュアル的に大麻やら槍を目玉に突き刺す・・・


>> ヒエッ!


>> 未カンストだけどサラダバーも強いからなぁ〜


>> ただ、悪い文明の運営の欲望煽りが止まらねぇw

  残滓本体はどこだ?


>> 昨日までが回収期間、今日からが吐き出せ期間?


>> 報酬交換・・・、モンスター討伐・・・

  NPCは!?お助けNPCたちはどこ!?


>> 決戦準備と都市防衛で動かないぞ☆


>> ド畜生!


>> いや〜、ただの参拝者で本当に良かったw

  悪いけど、運営側について愉悦ってる


>> 元々ツキちゃん見に来たけど、それでも悪い文明

  は、ちょっと俺のなかで流行りそうな言葉w


「打突!災牙突き!って、硬い!緊急回避!」


「それでいい、それがいい。硬い敵とか検証用サンドバッグ!どうせ街でリスポーンするんだから、シャフトラン並みに死に戻って戦えばいい。ちゃんとナイトメアキャッチャーOFFった?下手したら大金をドブに捨てることになるよ!」


「お、OFFってますぜ!」


「どころで別府さんや、そっちは何体のこっとる?」


「あん?フロムの爺さんこっちは20くらいだ、そっちは?」


「爺さんか、よかろう。こっちもそれくらいじゃ・・・、勝負!」


「おうさ!」


「あ、兄貴!?」


「はいはーい、邪魔にならないように見学しましょうね〜・・・。お前は邪魔だから死ね、猿が!」


 近くにいた猿を倒し、初心者プレーヤーたちに見学させる。勝負とか言ってるけど素直じゃないないなぁ。フロムさんはナックル、別府さんは槍、種族的なものや銃がないのはいいとして、初心者が扱うにはちょうどいい武器でモンスターの動きを見せるように立ち回る。


 まぁ、それでもこっちにモンスターが来るので抜けた奴はさっさと倒す。と、言うか猿とかだけじゃなくて色々種類が増えてるなぁ・・・。コウモリの腹に目玉とかキショい。


「すげー・・・、どうやったらああ動けるんだ?」


「簡単とは言わないけど簡単だよ。」


「えっ?」


「これは脳波操作。だから、自分を理解するのが一番の近道。だから、何度でもおんなじ技を練習するし、何度死んでも次を考える。だからこのゲームはデスペナがゆるいし、このイベントでのデスペナは500ゴールドマイナスなだけ。」


>> ふむ。マダムツキのお稲荷授業・・・

  いい値で買おう


>> 買う前に無料で見てるのは参拝者の特権!


 フロムさんと別府さんがモンスターを見せつつ倒していく。後どれくらい攻めてくるかは分からないけど一旦は・・・、楽をさせてくれる気はないらしい。


「で、死ぬのが嫌なら今は逃げたほうがいい。流石にあれは多分ヤバい。」


「別府!回避!」


「あいよ!って、マジかよ・・・。昨日まではどんなに探してもいなかったじゃねぇか!」


 暗かった森が一段さらに暗くなった。強化モンスターだしました、優しくも弱点を置きました、初心者でも杭を使えば倒せるレベル設計です・・・。なら、上級者やカンスト勢は?まさか、ぬるいイベントだなんて言わせません。だから・・・。


「フィールドボス、フォレストレベリオン・・・。これまで改造してくるか!?普通!」


  挿絵(By みてみん)


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