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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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210/222

201話 断食はしたくない

 チートはいいとして、座敷童子大先生の力はかなり強いらしい。まぁ、散々勝敗の言い訳に座敷童子大先生がいるいないが出るあたり、キッカケとか小さな失敗とかを作るのだろう。確か前に華澄が空亡の話をしてたし、座敷童子大先生はプラス値のある空亡とか?


 まぁ、それなら大先生がぼっちと言うのも分かる気がする。ずっとマイナスなら、それはもう日常で逆に波があるから、いつ沈むか分からない恐怖があるとか?


 う〜ん・・・。物凄く勝手な思いを言うなら大妖怪、例えば酒呑童子とかだと『運なんてかんけぇねぇ!』とか言って暴れそうだけど・・・。いや、ダメか。


 伝承としての妖怪、電気精神体としての妖怪、それのスタートが奇形やら村を追い出されたのが始まりというなら、その時点で運がなかったとも言える。そうなると、不運幸運にアレルギー的なものがあっても仕方ない。


「それはそうと、大先生は今どこに?」


「柊んとこだ。またお前のところに行くかもな。」


「まぁ、来たらきたで適当にお菓子出しときます。」


 そんな話をしていると、扉がノックされて華澄と岩戸さんが帰ってきた。まぁ、岩戸さんの方はかなり疲れてるように見えるけど、相手が姫子さんだしなぁ〜。と、言うかその姫子さんを嫁と断言するあたり、木本さんの精神力は高いと思う。


岩戸>> も、戻りました・・・


「おう。どうだった?」


岩戸>> 元気な方ですね・・・。

    ただ、あの年齢でよかったんですか?


「いいもなにも、流石に10代20代じゃ俺がなんて言われるか・・・。」


「えっ?若い女の子を大人の魅力で射止めたって設定なんじゃ・・・。」


「真利、雪女の時点で相手は数百歳。下手したら、千に届くかもしれないわ。」


「なら、姫子さんの方が若い燕を射止めた?」


 確かに電気精神体って体がないから、ずっと生きてるんだろうし、雪女伝説が生まれた時には既に雪女の原型はいたことになる。つまり、座敷童子大先生とかがおじゃるおじゃる言ってた頃は〜とか言うのは、本当にその時代を生きていたか見ていたと言うことに・・・。


 そりゃぁ、時代の変遷見てたらPCやらインターネットにも詳しいだろうし、どうやったら入り込めるとかも簡単に見つけてしまうんだろうなぁ・・・。


「俺が若いかは別として、そろそろ帰るがなにか聞いときたいことはあるか?」


「電気精神体ってファイアウォールとか、ウイルスチェックってどう見えてるんでしょうね?」


「あれらしいぞ?関所とか量産型なんたらが徘徊してる感じらしい。」


「そこは役人が御用だ!御用だ!じゃないんだ・・・。」


岩戸>> 馬で駆け回るよりもパトカー、パトカーよりも

    無数の人海戦術、データの強みはコピペが

    ほぼ無限にできることですからね


 確かに言いたいことは分かるけど、その無限の人海戦術を考えると隙間なく量産型なんたらがいるような・・・。と、言うか三枝先生と話して仮に俺が死んだらどうなる?と言う部分では、既に俺の体もデータ化しているような・・・。


 だって出力装置が種ってだけで、どこかからニョッキリと生えてくるなら、ある意味電気精神体がゲームとかに侵入してくるよりもたちが悪い。ある意味テウメーッソスの狐だよなぁ。前に先生が西洋の風が〜とかも言ってたし。


 そんな話をして木本さんたちは帰っていった。岩戸さんがゆらゆら揺れる尻尾を見ていたので、触る?と聞いたらモフモフしていたな。まぁ、頭脳労働系の仕事だし、癒しが欲しいんだろう。


 そしてゲームを始める前に戦況を確認すると、膠着状態からややプレーヤー側が押されている。最前線のかぐやは安定しているし、初心者プレーヤーが多いところも音頭をとるベテランプレーヤーが上手くまとめているから、そこまでヤバい状態とは言えない。


 その代わり、中級プレーヤーがいるようなアレイスターやらトルネコ、潮彩は割と戦線崩壊気味。理由は分かるよ、うん。初心者は慣れてないからベテランの指示に素直に従うし、失敗してもある程度リカバリーが効くような戦場。


 最前線は最前線で、ベテラン多数で自ずとこう動こうと言う指針が勝手に生まれてくる。でも、1番イキってゲームが楽しいレベル帯のプレーヤーは、まず報酬、次に報酬、最後も報酬と、自分がどうやって強くなるのか?を考える。


 悪い文明の運営はNPCに特攻術式持たせたし、それに飽き足らず報酬交換用の杭を使えば、残滓を更に倒せると仕掛けてきた。つまりNPCを酷使すれば、自分の杭は交換に全部回せると言う寸法である。でも、そのNPCもローテーションでいなくなったりするのよね・・・。


 更に救助願を出すNPCが現れたことで、プレーヤーは何人かそのNPCを連れて戦線離脱するし、その穴を埋めるために他のプレーヤーが頑張るか?と、聞かれると、後退して街に近いところで戦うと言う構図もできてくる。


「街と街の移動は心せよ、か。救援なしで大丈夫なのかな?いや、そもそもかぐやから他の街へは行けない?だって、かぐやだけは地続きでもない宇宙空間っぽいマップだし・・・。」


 運営ぇ・・・、実は隔離政策じゃないよな?カンストベテランプレーヤーを全部かぐやに閉じ込めて、それ以外を調教・・・、もといレベル上げして総合的に平均レベル上げさせるとかの。て、ことはまだ何か仕込まれてる・・・?


 なんにせよ単身で大気圏突入するなんて無理。それこそもう、連邦の白い悪魔とか変形するZなやつじゃないと無理。尻尾でフルクロスモードなら行けるだろうって?目の前で装甲板が吹っ飛んでいくさまを見ながら、どうやって大地に立つかを考えるとか嫌すぎる・・・。


「マリちゃん夕食・・・、ゲームをしてない?」


「三枝先生、そこを驚きますか?」


「いえ。していないならしていないで、なにか別の問題があるんじゃないかと勘ぐっていました。」


「いっそのことARデスクとか展開して企画書とか書きましょうか?今のイベント終わったらまたネタ探しですし。」


「いえ、それには及びません。私の方も多少忙しくなりますし。」


「そうなんですか?」


「ええ。今朝もらった毛の分析を早々に終わらせようかと。大人なマリちゃんならできると思いますが、ここに今晩と明日の昼までのご飯があります。それをきっちりと食べてください。」


「つまり、研究に没頭したいからご飯勝手に食べてね、と?」


「言い方が悪いですね!そもそもマリちゃんは極めて健康です。そして、食べないことのリスクも身にしみて分かっていると考えています。なので、自立への一歩です。それが嫌なら空腹耐久実験とかでもよろしいですよ?何日間絶食すればビーストモードに入るのか?それもまた、自身を知る上で大切なことでしょう?」


 三枝先生がそう返してくるけど、確かに空腹実験と言うのはやった方がいい気もする。普通、絶食して体力落ちたら動けなくなるんだろうけど、その前にこの体は勝手に食い物を探して動き出す。流石に1日絶食して暴れるなんてことはないと思うが・・・。


「ちなみに、どの程度食べなかったら暴れると思います?」


「難しい質問ですね。体重を1kg落とすのに必要なカロリーは約7000。マリちゃんの場合、体重が50kgないのでプラス1000程度と考えても約8000kcal必要となります。桃を出すと言うような急激な体重低下でない限り、暴れる前にお腹すいたと言う感情が出てきます。」


「なるほど。つまり、お腹すいたら食べろと?」


「いま、物凄くお馬鹿なことを口にしたのはわかってますよね?」


「いや。お馬鹿なのはそうかもしれませんけど、ここのところお腹が空いたって感じてなかったもんで・・・。」


 少なくとも3食きっちりと食べてるし、間食もそこそこしてる。まぁ、チョコレートとかじゃなくてプロテインバーとかをなんだけどさ。だからこそ、一度空腹と言うものを感じて、どこからがヤバい状態なのか知るのも手なのでは?


「ふむ・・・。ダイエットのための断食は3日が目安で、5〜7日のモノは専門家との話し合いが必要です。良かったですね、マリちゃん。今日から断食しても十分対処はできます。」


「今日から断食・・・。嫌だなぁ先生、お正月を目前に断食とか、豪華な料理を食べ損ねるじゃないですかぁ〜。」


「病院食なので豪華かはわかりませんが?」


「なんでそこで断食を勧める方向に舵を切るんですか・・・。あっ!三枝先生はなにか好物あります?出前とか頼みますよ?」


「それを頼んだとしても運んでするのは私です。・・・、いえ。柊さんに『マリちゃんと昼食どうぞ』と言えば手間が省ける。」


「・・・、正月も面会とかって大丈夫なんですかね?」


「出前を頼もうとした本人がどの口で・・・。ともかく、仮になにか必要なものを頼むなら柊さんのような身内に頼んでください。」


「わかりました。」


 そんな話をして夕食を食べ、いざゲームへログイン!

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