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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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208/225

199話 アマテラス様は見てる2nd

 AIは嘘をつかないが言葉を濁すことはあるらしい。確かに使用状況にもよるんだろうな。俺の場合・・・、いや。その言葉は適切じゃない。仕事にしろゲームにしろAIが絡んでない部分はほとんどなく、仮にあるとすれば伝統芸を教えたり、対面でなにかしたりする時。


 それでもAR表示で『こういう風に花を生けるんですよ。』と、生けてる姿を映像として届けつつ、必要なところは赤丸を付けたりポイントとして言葉を浮かべ上がらせたりもする。


 ゲームをしていても俺のところにはブライトもいるし他のゲームを見れば、ツクール系のゲームだとAIと連携してディスカッションしながら『ここでこう言うイベント起こそう!』とか言う話し合いをしたり、NPCの性格を決めたら後は勝手にそれっぽく振る舞ったりもしてくれる。


 対人データの量を見れば、既に爺ちゃん婆ちゃんよりも遥かに多く。日々誰かと話しては、その反応を収集できてるとも言えるし、利用用途次第では冗談を言ったりもするのだろ。実際ブライトはズレてるとは言え漫才できたし。


真利>> ブライトを見てるのは分かりましたけど

    それって、なにか問題になるんですかね?

    一応、アマテラス的には電気精神体も病人

    と考えてるとは聞きましたけど


華澄>> そこが私達がアマテラスに電気精神体の

    情報を渡したくないところでもあるし

    電気精神体の顕現や受肉を避けたい

    部分でもあるのよ


岩戸>> 治す手段のない病なら継続して観察で

    いいんですけど、治す手段があるなら

    それを使って治療しようと動く


    それが間違いなら、AIに対する指示としても

    『明確な間違い』と理由や根拠を提示して

    納得させることもできます


    でも、それが100%善意である行動で

    なおかつ、健康にすると言う大きな

    目標と合致するなら、それはもう

    人のワガママと処理されますよ


真利>> ワガママなのはまぁ、人だから仕方ない

    でも、そもそもアマテラスって、どこまで

    電気精神体のことを知ってるの?


 割と重要な話で頭ごなしに治療!と言っているなら、個別ケースで考えろとか治療後の危険性を考えろとか・・・、言えるわけないよなぁ〜。電気精神体側もAI嫌いだから関わろうとはしないだろうし、人も殆どの人は電気精神体なんて知らないから無視する。


 人と電気精神体の接点なんて、それこそ夏場に怪談話やってこんな妖怪がいた!とかやるくらいしかない。それが裏をちょっと覗いたと思ったら、いつの間にかお家騒動に巻き込まれた気分だ。


華澄>> それは民俗学をAIが知ってるのか?って話に

    なるわ。そして、AIは宗教をしらないのか?

    って、話にもね


    古くからの資料はデジタル保存され、今は

    誰でも見ることができる。博物館に行けば

    白い手袋しなくても、電子ペーパーで内容

    を読めるし、説明してほしければしてくれる


    なにより、肉体のある妖怪は妖怪としつつも

    病気の症例として登録してあるのよ


岩戸>> 技術が戦争で発展するなら、人の最大の敵は

    病気てす。そして、それは過去なら病魔で

    人の近くにあって姿は見えず。


    しかし、大きな災いをもたらす。

    跡取りが病で死んでしまって

    その後どうするって話から戦って話は

    多いですから


真利>> 確かにその手の話は多いですね・・・


 今なら遺言書と言う話もできるけど、昔なら急にぽっくり逝ってしまうとなんの準備もできてない。そもそも七五三だって、それまで生きてくれてありがとうの行事が起源だし。


 今の話をまとめると、アマテラス的には過去からいる病人枠で、それが歴史から来てるぶん簡単には方針転換できないとか?なるほど、だから木本さんは姫子さんに名を聞いて、存在を確定させたから禁忌を犯したと・・・。


「私って、めっちゃマズイことしてません?姫子さん受肉させたり、ブライト受肉させたり・・・。」


「そもそも無から有を作る時点でマズイ、マズくないの話じゃないんだけど、そこはそこまで宮内庁としては問題視してないのよ。」


「えっ!?そこが1番マズイと思ってたんだけど!?割とぶっ壊れた能力だとは思うよ!」


岩戸>> ・・・、厨二病的なはなしですか?


「いや、岩戸さんガチな話。でも、不味くないってなんで?」


「単純な話よ。真利は1人しかいない。そして、真利はぶっ壊れた能力だと言うけど、限界が見えやすいのよ。だって、桃を出すにしてもお腹が減ったら勝手に止まるでしょ?それは三枝先生たちからのデータでも、あの山でも実証されたでしょう?」


「止まる・・・、腹減って暴れるのは止まってるのかなぁ・・・。確かにあの状態なら桃とか出すよりも、自分がなにかを食べるほうが優先だけど。」


岩戸>> (疎外感・・・)


「桃が出たり受肉のトリガーが引けない時点で、それはただ暴れてるだけの人よ。これが無作為に電気精神体を受肉させ続けられるなら、酒呑童子や空亡も敵わない大妖怪が生まれ落ちたことになるわね。岩戸さん、後からこの部分は情報共有するわ。特に、どの部分をアマテラスに情報を流したらマズイかと言う部分もあるし。」


岩戸>> わかりました

    えっ、実は私も国家の

    一大事に巻き込まれた系ですか?


「いや・・・、どうなんだろう?すぐさまなにかがあると言うわけじゃないとは思うけど、書類1つで人生がひっくりかえる事はあるからなぁ〜。」


岩戸>> 雁木さんが言うと重みが・・・

    確か、被検体同意書にサインしたから

    狐娘の姿になったとか・・・


「いや。それは要因の1つで、どちらかと言えばバタフライエフェクト的な?うっかり健康診断のデータ破棄して、取り寄せるのが面倒だからと、誤魔化すためにツキのデータ入れてたのは私だし・・・。ご丁寧に個人データとしてね。まぁ、生きてるからいいよ。」


 尻尾も動けば耳も動く。両手両足もあれば飯食ってゲームもできる。なるほど、電気精神体が干渉するなと言う気持ちがちょっとだけ分かる気がする。


 今の状態を憐れむ人も多いのかもしれないけど、当事者本人としてはそこまで悲観的でもなければ、心配するのは明日どうやって生きていこうとか、配信のネタどうしようとか?


 割と人の適応力は凄くて最初こそ驚いたけど、今では尻尾の手入れにも慣れてきたし・・・。なにせ今だって尻尾を前に回して腕置きとかに使ってるくらいだし、今更なくなったらそこそこ不便を感じると思う。まぁ、感じで過ごして慣れていくんだろうけどさ。


「ところで、1番ヤバい情報ってなに?」


岩戸>> 1番厄介なのはバイオナノマシンの

    運用情報が全部流れることです


    それが流れれば再現性の検証が一気に進みます

    ただ、柊さんからは既にバイオナノマシンは

    国として、アマテラスとしてオールS判定

    だとか・・・


「ええ。岩戸さんの言う通り、真利に使われたバイオナノマシンもデバイスも研究データとして登録してある。でも、今は天野医院長がロールアウトできないとか差し止めてる段階ね。なにせ真利と言う事例があるから。」


「なるほど・・・。て、ことは下手にナノマシンとか言わないほうがいいと?」


岩戸>> 言う言わないじゃなくて、再現性です

    1度の成功は偶然やミスと言う判定が強いです

    それを、何度も行えれば、それは連続した

    再現で、実用可能という判定になります


    だから、アマテラスはブライトから情報を

    もらいつつ、雁木さんを見ている段階だと

    思って下さい


「だから厳重にクローズドモードにしたりしてたのか・・・。えっ、もしかしてスマートレンズとかも外した方がいい?使わなければアマテラスに情報がわたることも・・・。」


「それはやめて。急に観測対象がいなくなれば、アマテラスとしても他の方法を取る可能性が高い。そうでしょ?岩戸さん。」


岩戸>> そうなります。だから、普通に過ごして下さい。

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