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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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162話 山にあるもの

「炎風突き!」


『ホッホッホッ・・・、胞子拡散。』


「くっ!」


「下がって毟って貰って!妖精王!」


「エリアルサイクロン!胞子は集めたぞ!」


「狐火!」


『守れ!守れ!』


「ふん!・・・、貫通したらダメかぁ・・・。俺にもキノコが・・・。」


「毟ります!」


「頼むメバルさん。」


 ボス部屋突入から少々。潜る胞子をばらまく、ダメージを与える、また潜るの繰り返し。確実にダメージは溜まっているらしく、多少の石づきの部分にヒビは入った。入ったけど、今度は茶色いキノコがエンペラーを守れと立ち上がり、グローブみたいなキノコの腕で殴りかかってくる。


 まとめて焼くのが早い。早いけど、今度は範囲攻撃ぶち当てれば採取するキノコも品質が落ちる。だからチマチマ胞子を浴びたらプレーヤーから生えたキノコを採取してを繰り返す。


 実際キノコと言うだけあって、殴ったり切ったりすれば割と綺麗に真っ二つになったりするし、手応えも発泡スチロール切ったりとかクッション殴った感覚ににている。ただまぁ、そのキノコは無限湧きだし、胞子集めて着火すれば爆発する。


『投げろ!投げろ!』


「えっ!切った死体投げてきたー!!」


「それ胞子爆弾!避けるか打ち返して!」


「元野球部舐めんなー!!」


「ジャストミーート!!ツー安打くらい?知らんけど。」


 飛んできた死体をイサキさんが剣の腹で打ち返し、キノコ達の方で爆発。まぁ、爆発したら茶色いキノコは大きくなるし、白いキノコは茶色くなる。成長して的が大きくなったと割り切ろう・・・。


「アクアバレット!水撃砲!」


『いい水ですね、生き返る〜♪』


「あっ・・・、回復?悪いキノコは凹むはずなのに・・・。」


「多分大丈夫!回復エフェクト出てないから効きが悪いだけだと思う!オラオラ!刀術:伊達切り!」


 部位破壊性の高い刀術でエンペラーの片腕ゲット!そう言えば、コイツもメインコア使えばNPCにできる?・・・、街中を歩くデカいキノコ・・・、俺は使いたくないなぁ。


 そんな事を考えている中でもイサキさんは必要なキノコを回収するし、ハヤトさんと俺、妖精王は潜っては出て来るエンペラーを攻撃しつつ、周囲の湧き出るキノコを倒していく。メバルさんもポコポコキノコを叩いたり、魔法でダメージをだしてるけど、やはり一撃やら大ダメージとはいかないか。


「あっ!・・・、ぐっ!」


「メバル!大丈夫か!」


「大丈夫・・・、キノコに殴り飛ばされたけど、思ったよりも柔らかいよ。・・・、アレ?ここって採掘ポイント?」


「おーい!大丈夫かーー!?」


「大丈夫でーすハヤトさんー!ツキさんと妖精王さんにも伝えて下さーい!」


「分かったー!ツキさーん!」


「聞こえてますよー!黙れキノコ!串刺しにして焼いちゃる!」


「割といい匂いがするものだな。」


「妖精王はキノコの匂いが分かるの・・・?」


「分かるが?こう・・・、蒸れた靴下のような香りが・・・。」


「それは悪臭なんじゃ・・・、えっ?海外の反応系?」


 確か松茸って海外じゃ賛否分かれる匂いで、そんなふうに受け取られると聞いたことがある。と、言うか誰も匂いに言及してないのにわざわざ匂いも参照してる?確かに匂いが重要なクエストもあるけど、コレはそうじゃな・・・。ん?メッセージ?木本さんから?


「っ!!」


「どうしたらツキさん?」


「ごめん・・・、ハヤトさんリアルでトラブルみたい。今から魂抜くよ。」


「・・・、傘も少し欠けたか。・・・、分かった。守りきれるかは分からないが・・・。」


「契約者は我が守る。稀人ハヤトはダメージテイラーとなってあのキノコをヤれ。」


「・・・、妖精王。最悪私は死んでもいい。だから、後は頼んだ!」


「任されよ。」


 アバターをUI操作してログアウト。一体なんだ?木本さんからは『ミスった。このままだと2人共死ぬ。助けてほしい。』そう短くメッセージが送られてきて、1つのアドレスが添付されている。


「もしもし!誰ですか!木本さん達は大丈夫ですか!?なにがありました!?」


『・・・、狐か。どうした?』


「鞍馬さん?鞍馬さんは知りませんか!木本さんから今メッセージで死にそうだって・・・。なにがあったんですか!華澄・・・、華澄は無事ですか!」


『・・・、山に囚われたか。』


 俺の焦りとは別に鞍馬さんは重々しく答えた。山に囚われた?何の話だ?えっ?国有林見に行ってそのまま吹雪で身動き取れなくなった?確かに窓の外で吹き荒れる雪は凄い。ホワイトアウトと言う言葉はまさにこの事と言う雰囲気だけど、それでもこの辺りのことを木本さんや華澄は知ってるはずじゃ!


「なにか知ってるなら教えてください!」


『狐・・・、マリと言ったな?なにも知らずに結果を貰い、その結果に対して部外者として判断を下すこと、その場に赴き当事者として判断を下すことは責任の重さが違う。』


「その答えは出しました。人に聞いて自分で調べて、失敗したら自分で考えてどうにかする、と。だから、知ってるなら教えてください。一体何が起こっているのか。ただ、単純に遭難したなら救援要請をだします。でも・・・。」


 華澄や木本さんは言った。ここは妖怪にも寛容でそういった者達が集まっていると。なら、その妖怪絡みでもおかしくない。その妖怪とか電気精神体がなにができるかは知らないけど・・・。


『雪山の女・・・、雪女が現れている。』


「雪女・・・。雪女ってなんでまた・・・。」


『伝承通りだ。本来なら現れても去る。だが、今年はいい番がいる。』


「・・・、木本さんですか?」


『そうだ。番うなら相手を知らねばならん。それ故に木本は狙われた。』


「そこに華澄も・・・。確認ですけど、鞍馬さんのところに華澄はいませんよね?」


『おらん。木本と山へ向かった。それを知って、お前はどうする?』


「それは・・・。」


 木本さんからのメッセージでは助けてほしいと合った。普通ならレスキュー隊に送るようなメッセージを俺に直接送ってきた。それは・・・、多分普通に助けるのとは違い妖怪と対峙して欲しいと言う願い・・・、なのか?喧嘩やらもしたことない俺が?


 いくらゲームで神楽舞なんてあだ名を貰っても・・・。いや・・・、俺はそのあだ名を貰った。誰でもないツキはそのあだ名を貰って舞ってモンスターを倒し、鞍馬さんにも怪我を負わせた。


 多分、本気の鞍馬さんには敵わない。行ってその場でなにができるのかなんて分からない。でも・・・、俺は誰かに助けられて生かされた。なら、助けを求められたら止まってなんていられない!


「山へ・・・、木本さん達のところに連れて行って下さい!鞍馬さん!」


『良かろう・・・、迎えに行く。』


「えっ!?迎え?どこで待てば?って、切れてる!?」


「マリちゃん・・・、なにか騒がしいですけどどうしました?」


「敷田さん・・・。」


 どうする・・・?全部話す?話すと言うことは巻き込むと言うこと。そして、巻き込んだら巻き込んだ責任がある。誰だって誰かと関わりながら生きてるけど・・・、何一つ分からないことに彼女を巻き込むのか?

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