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私の変態おじさん  作者: いちごぱんつ大佐
しんでいいひとわるい人
102/102

E-3

「初めまして……いえ、初めましてではないですね。」

「あ、あの時の!」


 ナナは思い出す。ミルと一緒に来た少年。やっぱり彼がエリオだった。


「その節はありがとうございました。みつかりませんでしたが、いいアドバイスでした。」

「へー、やっぱり君がエリオだったんだ。あの後どうなったの?」


 しかしその時。


 バサササッ!


「きゃっ!」


 ナナは声を上げた。飛行船の接近を察した鳥たちが一斉に騒ぎ出したからだ。鳥たちは飛行船の周りを旋回した後、四方八方に飛んでいく。そして、その中の一羽がナナの肩に止まった。


 ナナはその頭を撫でてやろうとすると、鳥は素直に従い、気持ちよさそうに眼を細めた。


「シロヒメス、お好きなんですか?」

「シロヒメス?」

「あなたに今止まっている鳥の名前です。」

「へー、そういう名前なんだ。」


 いつも見ていた鳥にも名前がある。当然といえば当然なのだが、知ろうともしなかったし知るつもりもなかったので、その事実に妙に感心した。


「ええ、好きよ。あっ、美味しいとかそういう意味じゃなくて!」


 食欲魔人(ニニ)を思い出し慌てて否定したが、蛇足な説明はいらなかったようだ。


「わかっていますよ。あなたは強い人なんですね。」

「そんなことないわよ。」


 失言でもあるのに、急に褒められたのでナナは照れた。


「この鳥は、人の加護が無ければいけないんですよ。綺麗で安全な環境がないと生きられないのです。」、

「……そうなの?」

「ええ。セントラルでは見かけませんから。でも、そういった豊かな土地は魔獣がすでに占拠してしまっている。だから、人にくっついて、その保護にあやかるのです。」


 その言葉はナナにとって意外だった。


 (自由に空を飛び回ってると思っていたのに。)


「つまり、自由に飛び立つための翼だと思ったのだけれど、逃げ回るための翼だった、ってことね。」


 ナナはそっと呟いた。


「何か言いましたか?」

「ん、何でもない。」


  飛行船が目前まで近づいてくると、ナナの肩に止まっていた鳥も飛び去ってしまった。 


「お前たちも苦労してるんだね。」


 ナナは、鳥たちにそう声をかけ、ウィードに別れを告げると、ミルたちと飛行船に乗り込んだのだった。

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