挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
レベル1だけどユニークスキルで最強です 作者:三木なずな

第三章

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

209/215

209.永久レベルアップ

 ニホニウム、地下一階。
 俺は無造作に歩き回って、スケルトンを倒して回った。

 使ってるのは新しい弾丸――とりあえず成長弾と名付けたものだ。

 ニホニウム地下一階なのは、セレンから「当てれば当てる程成長する」って聞いたから。

 とにかく当てる、ドロップ関係なしに当てるだけ――となった場合ベストなのはここニホニウムだ。

 他のダンジョンじゃどうしても他の冒険者との兼ね合いで「数」はこなせない。
 その分ニホニウムだったらほぼ俺のひとりじめだ。

 ダーン!

 トリガーを引いて、スケルトンを一撃で撃ち抜く。

「うーん、威力も速度も通常弾以下。約7割って所か」

 新しいスケルトンが現われた。
 二丁拳銃を構えて、同時に通常弾と成長弾を撃った。

 銃弾はそれぞれスケルトンの左肩と右肩を撃ち抜いた。
 成長弾の方がはっきりと遅いし、威力も無い。

 それは別に問題じゃない。
 成長する弾丸だ、この手のものは育ったら強くなるのが相場だ。
 最初が弱ければ弱いほど、逆に育った後の事が楽しみだ。

 俺は現時点の弱さをまったく気にしないで、スケルトンを撃って回った。

 見つけて、成長弾で倒して、ドロップした種はポーチへ。
 それをとにかく繰り返した――けど。

「これは大変だぞ」

 思わず声に出してしまった。
 ポーチにたまった種の数、ステータスが1ランク上がる程の分がたまっても、成長弾のレベルは上がらなかった。
 セレンが刻まれてくれた文字はレベル1を示したままあがらない。

 何か特殊な事が必要なのかって思ったけど、そんな事がないのはしばらくして判明した。

 更に撃ち続けていき、能力が2ランク上がる程のスケルトンを倒した後、成長弾はさらっと、何事もなかったかのようにレベル2になった。

 撃ってれば上がる、セレンの言うとおりだった。
 ただしそれは結構ハードな回数を要求される。

「どうしたもんかな……」

 レベル2になった成長弾を眺めて、俺は色々考え直すことにした。

     ☆

 セレンダンジョン、精霊セレンの部屋。

 屋敷から転送部屋を使って、レイアを連れてここにやってきた。

「よう」
「わっ、本当にまた来た」
「また来るって言っただろ?」
「言ったけどさ、本当にまた来るって思わなかった。早くても100年後くらいだって思ってた」
「100年後とか人間として死んでる。なんだったら毎日来ようか?」
「それは飽きる」

 セレンは上機嫌に笑った。
 綺麗で色っぽいのに、性格は結構豪快だ。

 見た目グラビアアイドル、性格姉御。
 セレンはそんな感じの(精霊)だった。

「で、そっちは?」
「ああ、俺の仲間だ。レイアっていう」
「マスターのものです」
「何だそのプレイ! 羨ましい!」
「いやプレイとかじゃなくて……」

 なんか変な想像されてないか?

「それよりも頼みがある。俺のMP消費なしをレイアにつけてやってくれないか?」
「あれを?」
「ああ。必要なんだ」
「うーん、それは無理」

 セレンにきっぱり言われて、俺は眉をひそめた。
 話が分かる人だから頼みこめばいけるだと思ってたけど、そうでもなかったか?

「どうしてもか?」
「それはあんたにあげたもの、外して他人にとかは無理」
「そうか……」

 MPがレイアだったらやりよう(、、、、)があったんだけどな、当てがはずれたか。

「外すんじゃなくて」
「え?」
「その子にもつけるっていうのならおっけー」
「そういうことか」

 今度は苦笑いした。
 頼めばどうにかなるってのは見当外れじゃなかったみたいだ。

「頼めるか?」
「いいよ。でもあたしに頼みごとするって事は……わかってるよね」
「ああ、分かってる」

 俺がセレンに近づき、肩に手をかけて顔を近づけようとした――その時。
 セレンは俺の手をひょいとかわし、背後にいるレイアに向かって行った。

「あれ?」

 セレンは俺を躱して、レイアの手を掴んだ。

「なんで?」
「頼みごとする本人が相手するのあたりまえじゃない?」
「……そりゃそうか」
「ってことで、しばらく二人っきりにさせて」
「えっと……」

 レイアを見る。
 大丈夫、と言わんばかりにレイアは静かにうなずく。

 俺は転送ゲートを使って屋敷に戻った。
 屋敷でしばらく待ってから、セレンの部屋に戻る。

 微妙に距離感のある二人、何故かセレンはつやつやになっていた。

「ふぅ……えがったえがった」
「いやいや……あんたどういうキャラなんだよ」
「可愛い女の子を相手にする時は心がおっさんなのよ!」
「威張って言うことか! ってか、本当に大丈夫なのかレイア」
「はい」

 微妙にネタっぽいセレンと対照的に、レイアはいつもの様に淡々としていた。

「そうか、ならよかった――」
「たと何をされようとも、身も心もマスターのもののままだから」
「本当に何をされたのーー!?」

 絶叫する俺。

「大丈夫、たいした事はしてないから。やり過ぎてあなたに嫌われたくないしね」
「なんか複雑だけど……」

 その言い分を……とりあえず信じるか。

「はい、これでおっけー。彼女もこのダンジョンでMP消費なしになったから」

 振り回されはしたが、ちゃんと要求は通った。

     ☆

 セレンダンジョン、地下一階。
 俺はレイアを装着した状態で、ダンジョンの奥まった所、人気の無い所にやってきた。
 今からやることは別に見られてもいいが、ちゃんと生産している冒険者の邪魔になるから、ここでやる事にした。

 モンスターがでた、虹色のボディをしたスライムだ。
 それを成長弾で撃ち抜き、大豆をドロップさせた。

 その大豆をかき集めて。

「レイア、リヴァイヴだ」
『わかりました』

 レイアが目の前の大豆にリヴァイヴをかけると、大豆はまた虹色スライムに戻った。
 瞬間、成長弾で瞬殺。
 復活したスライムは一瞬でまた大豆に戻った。

「もう一度だレイア」
『リヴァイヴ』

 リヴァイヴをかけて、成長弾で瞬殺、更にリヴァイヴをかけて、成長弾で瞬殺。

 レイアのMPは無限、成長弾も回数は無限。
 撃って、リヴァイヴ、撃って、リヴァイヴ。
 ループをくりかえした。

『マスター』
「どうした」
『私がやります、マスターは休んでてください』

 無心で繰り返していると、レイアはアームを伸ばして、銃をかざして見せた。

「気持ちは嬉しいが、そうも行かない。これがループになるのはドロップSで絶対ドロップするからだ。レイアじゃドロップが切れてしまう」
『なるほど。さすがマスターです』

 俺達は成長弾の育成を続けた。
 だいぶ時間はかかったがレベルが3にあがり、永久機関は完成し、問題なく稼働したのだった。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ