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レベル1だけどユニークスキルで最強です 作者:三木なずな

第三章

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208.セレン、歩く18禁

 下に続く階段が現われたから、新しい弾丸はとりあえずしまって、階段を降りた。

 緊張する。
 これまで通りなら、この先はダンジョンの精霊の部屋。

 セレンダンジョンの精霊、セレンが待ち構えているはず。
 セレンか……どっち(、、、)なんだろうな。

 どういうわけか俺の中じゃ、セレンは女というイメージだ。
 階段を降りきると、そこには誰もいなかった。

「あれ? いない……のか」
「だーれだ」

 むぎゅ!

 いきなり背後から抱きつかれた。
 背中にものすごく柔らかくて温かくて弾力のある二つの感触がして、柔らかい手で目隠しをされた。

「せ、セレン?」

 いきなりの事で動揺しつつも、答えを口にすると。

「せいかーい。うふふ、勘がいい子ね、それとも知識か運がいい子なのかな?」
「そ、それよりも離してくれないか。そんなに密着されると――」
「勃っちゃう?」
「たっ……何をいってるんだ――って!」

 慌ててセレンを振りほどき、距離を取ってから振り向くが――更に驚いた。
 そこにいたのはスタイルがものすごい美女だった。
 オッパイはFだかGだがHだが……分からないけどそういうレベルだ。
 スタイルもものすごくよくて、腰がくびれて、脚線美もすごい。

 そのスタイルの良さをこれでもか! って位見せつけてくる超露出の高いビキニ。
 見えたら即十八禁な三点だけ隠して、ほかは紐で繋がれている。

「な、なんだその格好は?」
「あれ? こういう格好嫌い?」
「好きとか嫌いとかそう言うのじゃなくて、なんてそんな格好をしてるんだ」
「これが好きだからさ」

 セレンは胸を張って言い放った、その胸はたゆん、と上下に揺れて――思わずゴクリと生唾を飲んだ。

「そかそか、きらいじゃないんだ。それでこそ男の子。ねえ」
「な、なんだ」
「よく見たらあんたいい男だから……抱かせな」
「なんだよいきなり!」
「それからあたしを抱きな」
「違うのか!? それって違うのか!?」
「もちろん違うさ、男も女も、抱くのと抱かれるのじゃ全然違うってもんさ。本当は童貞か処女の方が食いでがあるんだけど、まっ、いい男だしこの際かまわないさ」
「……純潔を汚すもの」

 何となくその言葉が浮かび上がってきた。
 セレンの言葉は平然としてて、無理とかまったく無くて、本気に聞こえるものだった。
 だから思い出した、バイコーンの別名、純潔を汚すもの。
 そういうことなのかな、って思った。

 それよりも目の前の女、セレンをどうしたらいいのか迷った。
 露出の大きい格好、あけすけな求愛。
 歩く十八禁といっても過言じゃない彼女、さてどうするか……。

「何迷ってるんだい? あたしの名前を言い当てたんだから、ここに来たら精霊の加護が得られるって事も知ってはいるんだろ」
「ああ……まあ……」
「だったらあたしらが来た人間に何かを求めるのも分かってるんだろ」

 それはそうだ。
 アウルムもアルセニックも、精霊の願いを叶えて、それで仲良くなったもんだ。

「どうしてもそれ(、、)なのか?」
「何だったらキスでもいいよ」
「じゃあ……それで――むぐっ!」

 最後まで言う暇もなく、セレンはいきなり迫ってきては、そのまま唇を塞いできた。
 唇を押しつけてから、割って舌を潜り込ませる大人のキス。

「――っ!」

 異変に気づいた時はもう遅かった。
 大人のキスで、セレンになすがままにされてしまった。

 文学的に例えるのなら夏の日の嵐、ゲーム的に例えるのなら99HITのコンボ。

 俺はさんざんやられてから解放された。
 さすがにこれはショックで、俺はがっくりと両手両膝を地面についた。

「もう……お婿いけない」
「あはは、悪い悪い。あまりにもいい男だったもんでつい。ごちそう様」
「……せめてごちそう様はやめてくれ」
「あはは」

 悪びれる事なく、豪快に――しかし妖艶に笑うセレン。
 いきなりの濃厚なキス、99HITの超コンボにやられたショックから立ちなおる俺。

「んじゃ、あんたに加護をあげる。いいキスをしてもらったからね、あたしのダンジョンにいる時は魔力消費なしにしたげる」
「魔力消費なし? どんなに魔法を使っても消費なしって事か?」
「そうさ。あんた、いい魔法もってるじゃないか」
「分かるのか?」
「ダンジョンの中で起きたことは分かるさ」

 なるほど、そりゃそうだ。
 ついさっきもバイコーンをリペティションで瞬殺したんだ、そりゃ分かるな。

 魔力消費なし。リペティションをいくら使っても大丈夫ってことだ。
 無限回復弾があるとはいえ、「消費なし」と「無限回復」似てるようで違うから、これは嬉しい。

「ありがとう」
「それと……たま、出しな」
「えっ!」

 思わず股間を押さえて内股になってしまった。

「そっちじゃないよ。そっちでもあたしは構わないんだけどね」

 にやり、と更に妖艶に笑うセレン。

「新しい弾のことだよ」
「あ、ああ。弾丸のことか」

 俺はさっき手に入れたばかりの弾丸を取り出して、セレンに渡した。
 セレンはそれを受け取って、色っぽい指でジャケットを撫でる。
 すると、紋様が刻まれていたそこから何かが浮かび上がった。

 ホログラムのような立体映像。
 それはシンプルな数文字だ。

「レベル1……?」
「ああ。これは使えば使うほど成長する弾だ。人間の玉とちがってね」
「いやそれは聞いてないから」

 にやりと笑うセレン。
 どうしてもそこと絡めるのかこの人は。

「正確には当てれば当てるほど成長する。その成長をわかりやすくしてあげた」
「そうか……ありがとう」
「いいってもんさ。珍しくいい男だったからね。サービスサービス」

 そう言って笑うセレン、出会ってからまだ短いが、もう大分慣れてきた笑み。
 その笑みの下に、ふと、寂しそうな表情が隠されているのを見つけた。

 明るく振る舞っていてもやっぱり寂しい。
 アウルムもそうだった。

「……」

 俺はほとんど考えることなく、彼女にそっと近づき、顔を寄せた。

 ――チュッ。

 触れるだけのキスをすると、セレンは驚いた顔をした。

「あんた……?」
「お礼だ」
「もう十分もらったのに……やっぱりいい男だね」
「それじゃ。また来る」
「あはは、これるもんならね」

 さみしさを覆い隠したセレンに見送られて、精霊の部屋をでた。
 セレンは俺の言葉を信じていなかった。
 当然だ、精霊の部屋に行くのは難しい。

 かつてアウルムはこう言った。
「ダンジョンを制覇した上で最下層のレアを倒して0.000000001の確率でこの扉が開くからね」

 それを聞けば、「また来る」なんて信用するはずもない。

 だが、おれは出来る。
 ダンジョンマスターを倒しにきた時の転送ゲートを使って屋敷に戻り、すぐさままた転送部屋でセレンの部屋に飛ぶ。

 驚くセレンに、俺は触れるだけのキスをする。
 唇を押し当てるだけのキス――セレンは反応すら出来ていない。

 ドッキリは成功で、驚いたセレンは意外と可愛かった。
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