先っぽより付根がきもちいいよ!
お読み頂きありがとうございます!
今日も相変わらず短いです…。
本当はバレンタインバージョン書きたかったんですが話が全然進まなかったので諦めました…
ブクマや感想頂けると嬉しいです!
1日の仕事を終えた太陽さんが、遠くの山々の蔭に落ちていく。眼下の森は茜色に染まり、空を見上げれば暗くなってきた空に星が瞬き始める。
向こうでは旅行どころか気軽に外出も出来ないボクにとって、初めて肉眼でみるこの景色はとても綺麗だよ。
何故か焦燥に駆られるような、哀しい想いが体の中を巡ってくるね。
そして太陽さんが完全に居なくなり、空は優しく地上を見守るお月様と絨毯のように広がる満天の星達で満たされた。
さっきの爆発など無かったかのような静かな静寂の中で、ボクはただのんびりと空中で空を眺めていた。
寒さにより帰ろうかなと思った時、ボクが涙を流していることに気づいたよ。誰もいないところで良かったね。人が居たら景色見て泣いてる田舎者みたいに思われたかも知れないからね。
煤と埃で少し汚れた着物の裾で涙を拭ってほっと一息もふもふたいむ。
右手の人差し指で眼前の空間を軽くタップしてメニューを呼び出し時間を確認すると、時刻は18時を回ったところだったよ。もうこんな時間なんだね。通りでお空が寒いわけだよ。
ちなみに、ボクが最初ステータスオープンと言って表示していたけど、あれはステータスのショートカット表示だったりするんだよ。普通は今みたいな動作でメニューを呼び出してそこから技能の確認やステータスの確認だったりが出来るよ。
鉄扇の足場を階段のように作り出して、少しずつ降りていく。
そのうち空を飛べるように練習したいな。出来るだけ空の近くに行って星空を満喫したいんだよね。ボクの住んでいるところも星がよく見えるけれど、比べるのもおこがましい星空だから。
森の入り口に下り立ったボクは、草原を街に向かって歩いて行く。空から位置確認したから迷子にはならないよ。たぶんね!
リーンと鈴の音が響きボイスチャットの着信を知らせてきた。シオンからみたいだ。
「もしもーし、どうしたの?」
『あーやっと出たよ!どうしたのじゃないよお姉ちゃん。なんで何回かけても出なかったの!!』
ちょっと声大きいよ、控えめでお願いするよ。チャット履歴を確認してみると確かにシオンからそこそこの着信が来ていたよ。ボクが星空を眺めていた時間に来たみたいだね。
「ごめんごめん、少し空眺めてて気付かなかったよ。」
『はぁ、どうせそんな事だと思った。レイドが思いのほか早く終わったから一緒に遊ぼうと思ったのに出ないから』
「え?それってシオン達がでかけてすぐに倒したんじゃないの?」
確かボクがガラドさんと会った時は、連絡が取れなくなったみたいなこと言ってたからね。
『そ、それは、調子に乗って迷宮攻略してたから…。って、なんでお姉ちゃん早く終わったの知ってるの?』
情報源は貴方達が倒した人の上司です。って言ったら面倒くさそうだね。嘘と真実を入り混ぜればごまかせると僕は信じてるよ!
「もふもふ占いで分かったんだよ!」
『お姉ちゃん、それで嘘言ってるつもり?まあ、可愛いからいいけど。それよりこの後はどうするー。夜の狩りでもする?』
よし、何とか乗り切ったみたいだね。もふもふ占いって嘘と、可愛いと言う真実で誤魔化せたみたい!なにか違う気がしなくもないけど、気のせいだよね。
「うーん、今日は疲れたから宿に行って落ちようかな」
『分かったよー。少し落ちるの遅くなるからご飯先食べててー』
「りょーかいだよ。あまり遅くならない様にね」
『はいはーい』
ボクの妹ながらよくずっとやっていられるよね。ずっとやっていたい気持ちも分かるからあまり強くは言わないけどね。いいお姉ちゃんだから!それに、ボクもずっとやりそうなだけなんだけどね。
話しているうちに到着した始まりの街に入っていく。門番さんお仕事ご苦労様です。手を振ったら振り返してくれた。いい人そうだし街も安心だね。
とりあえず、お金が欲しいからゴブキンさん達のドロップ品を売りに行こうかな。革素材とかが落ちたから、売るなら素材屋かな?
冒険者ギルドもあってそこで売れるらしいけど、素材屋のほうが人も少なくて楽そうだから。
だって再びチラチラと見られてボクは恥ずかしいんだよ。確かにそこそこかわいいけどこの世界はみんな顔立ちが綺麗だからあまり目立たない筈なのに。
よし、気配を消そう。スーとその場から消えていくようなイメージで、隠密行動を
「もふもふちゃーんお昼ぶり~!」
「はぅ?!」
突然背後から耳をもふもふされて隠密に失敗したみたい。むしろ視線を集めてる気がするよ。
後ろを向くと、宿屋の場所を教えてもらったお姉さんがいた。少しお酒の匂いがしてくる。匂い嗅ぐだけで酔っちゃいそう。
「お、お姉さんお昼ぶり?だけどいきなりだとびっくりするよ。後先っぽより付け根の方がいいな。そう、そこそこぉ」
「相変わらずかわいいなぁ~。ここがいいのかぁ~!」
強引なのも、嫌いじゃない…よ?それ以上やられるとふにゃふにゃになっちゃうよぉ。
「にゃぁ」
「ああ!ごめんよ~、やり過ぎちゃったみたい。大丈夫かな?」
「らいじょうぶらよぉ!」
「や、やっちゃった。とりあえずどこかに運ばないと」
VRの中のはずなのにもふもふされて、お酒の匂いで酔ってしまったボクを近くの宿屋に運んでくれた。
「いらっしゃいませ~!ってミカさん慌ててどうしたんですか?あ、ルカちゃん!大丈夫ですか?!」
「ミリちゃんごめん~、この子を表で撫でてたらお酒の匂いで酔っちゃったみたいで。取り敢えずこの子の部屋取ってもらって、お水頂戴~!」
「ルカちゃんはお部屋取ってあるので大丈夫です!急いでお水取ってくるので待ってて下さい!」
夕食時で少し混雑している食堂の中で、空いていた席に座らされたボク。なんだかしこうがまとまらないよ。
お姉さんとおはなししたいけど、すこし休む必要がありそうだね。
お酒はげーむでも二十歳になってからだよ!




