第23話:俺と世界の境界線。その2
続けてアップしました。
不定期過ぎて申し訳ないです。
唐突に自分へと降りかかった事態について、周囲から得られる状況を鑑みて考察してみる。
どうやらここは集中治療室…らしい。
自分に繋がれた管の多さに、我ながら驚いてしまった。
大野という若そうな医師が、俺に向かって話し掛ける。
「今、ご両親を呼んでくるから。少し待っててな」
何度も試してはいるが、首から下を動かすのはどうやら厳しいようだ。顔の筋肉は、無事らしい。
伝わるだろうから、アイコンタクトで肯定の意を示した。
『お待たせしました』
俺の覚醒に気付いた看護師の女性が、両親を伴って集中治療室に入ってきた。
「…蒼真が…」
「…蒼真が生きていて…良かった…」
「ありがとう…!」
両親は泣いて喜んでくれた。
凄く嬉しかった。
…でも…
…今までは何だったんだろうか?
俺、転移者とか言われてなかったか?
でも、そもそも異世界って何だ?
でも、それを否定したらヴォルトや兄貴たちとの日々は何だったんだ…ってなるよな?
それは嫌だ…認めたくない…!
「蒼真、眉間に皺を寄せて、何を考えている? 苦しいのか?」
俺が答えの出ない疑問に悶々としていると、親父が俺に声を掛けてくれた。
俺は、オーバーリアクションともいえるアイコンタクトで全否定し、どうやってこのモヤモヤを伝えようかと思案した。
『親父ぃ…』
『聴こえるか、親父ぃ…』
…って、やっぱ無理か。
まだ完全に無理か分からないよな?
あちらの世界で散々使い倒した、念話を使ってみる。地球で念話など眉唾かもしれないが、使えそうな手段なので色々試したい。
魔力は…俺の内側に僅かながら感じられる。王国に居るときとは違い、微弱も微弱だが、確かに感じる。
これは、皆が寝静まった頃合いではないと、念話が届かないだろう。
夢枕に立つような形でもいい。親父に伝えたい。
母親でもいいけど、通じなさそうだからなぁ。
とりあえず両親に向けて、深夜の念話に挑戦することにした。
盗難防止のため圧縮化して体内に埋め込んでいたはずのIDタグが、現在の身体にも存在するかを確かめるべく体内に魔力を流すと、在ることが判った。
俺自身あまり能力をチェックしないので、どう変わっているか分からないところが多々ある。
全力をもってしてコトに当たりたいので、細部まで見てみることにした。
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【サトー|《佐藤》・ソーマ|《蒼真》・ヴォルフマン】
種族:平行世界Ⅲ太陽系地球人/真人
ヒューマン
所属:アルナイル王国/ローレンツ地方/アルナイル国立上級魔道研究所・研究員
性別:男
年齢:19[アルナイル新暦217年 7日7日 生]
身長:185cm
体重:84kg
生命活動力
バイタル及びスタミナ:正常 91/100%[一般平均値は95]
状態異常:無し
魔力循環:正常 56/108%[一般平均値は76]
魔力強度:正常 118/127%[一般平均値は100]
〔評価方法/F,Eを初級、D,Cを中級、B,Aを上級、Sを特級とする7段階評価〕
※ただし、限定的にX±表示
プラスマイナス評価
が付与されることがある。
固有技能
【錬金術師:C】
【鍛冶師:D-】
【薬師:D】
平行世界Ⅲ太陽系地球/有機化学工学系技術 :B
平行世界Ⅲ太陽系地球/金属化学工学系技術 :C
獲得技能
・多言語理解 :C
・魔力制御 :E+
・念話:D+
獲得魔法
“記載省略希望にて省略”
所有アイテム
・軽ワゴン車
・アイテムボックス[状態/半壊]
所持金額:188,592Ы
1,885,920円
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あれ?
日本人じゃなくなってるわ…
で、え…?
ぅええぇ~? また目眩…!?
再び訪れた目眩と白い光に翻弄されながら、俺はまた意識を失った。
『大丈夫か!?』
そこには見覚えのある顔、ヴォルトが。
身体を思いきり揺さぶられているので、色々な物が体から逆流しそうになる。
「大丈夫だから…! 内臓が…!」
「吐く…! 吐く!」
かなり心配されたので、とりあえず泊まらせてもらい、今起こったことを話すため、兄貴に森まで来てもらうことにした。




