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俺、異世界なう。~理系男子徒然日記~  作者: 糖類ゼロ
第2部:つれづれ異世界ライフ編
20/51

第18話:大は小を兼ねない。

短いですが、出来ました!

年明け最初の投稿です。

非常に怒っていらっしゃる竜人さまを前に、俺は状況を打開するべく彼をチラ見しつつ、思う。…これはなかなか難儀なことになったと。

俺は、この気まずい空気をフレンドリーな雰囲気に変えるべく、精神的コンタクトをはかってみる。



「ご迷惑おかけしてすみません!」

『ああ、迷惑だ』


仏頂面は相変わらずで、胃が痛くなってくる。


「久方ぶりだな。ラギィよ」

『何奴かと思えば…ヴォルトか。貴様、ニンゲンとここで何をしているのだ?』

「金属の採取だ。採取の方法について、過激と言われれば否定出来ないが…。ああ、過激というより阿呆というのが正解だな」

『阿呆か馬鹿かはこの際別にどうでも良い。なんなのだ、あの不格好で繊細さの欠片もない魔力は』

「…それは言わないでやってくれ…」


紅竜ラギィと双角大熊ヴォルトの会話が、精神を容赦なく抉っていく。

ヴォルトのフォローが、フォローになっていない。

フォローされるほどに、涙を誘われる。


心が折れて体育座りをしつつ涙していると、ポンポンと肩をたたかれた。


可哀想な子を見る目で2人ともみてくれるなよ…。



ラギィはヴォルトから、俺が兄貴の被害者第一号ということを教えられたらしい。先ほどの怒りが冷めた様子で、採掘を再開した後は意外なほど丁寧に魔力操作のコツを教えてくれたりした。

性分が根っから熱血の兄貴肌な人のようで、俺を弟みたいに可愛がってくれた。

作業が終わる頃には、ちょっとだけ魔力のコントロールが上手くなれた。…微々たるレベルアップ、万歳…。






採れた素材をまとめて運ぶべく、重力反転(リバース・グラビティ)の魔法を発動させると…




いつもよりは上手くいった!


でも火力がデカすぎて測定不能だけど、ニッケルの塊が崖の上までぶっ飛んでった!

そして地面にめり込んだ!



遊んでるわけじゃないのよ?

どうせ…いつものことさ。…ふっ



凹んでいる俺に、御二人様は優しくフォローの言葉をくれた。

その気遣いが、凄く痛かった…


とりあえず、ラギィが街まで一緒に鉄にニッケル・マグネシウムなんかの各種金属塊(インゴット)を運んでくれることになった。

ラギィはドラゴンだけど、竜人形態かつ人や街に被害を及ぼさない限り、まぁある程度は自由に往来出来るらしい。指名手配からの討伐という流れにならないよう自衛の手段として、ある程度成長したら街に個体登録をするんだとかなんとか。


ラギィは登録をめんどくさがって放置した結果、野良ドラゴンとして扱われ指名手配対象になったらしい。で、出張って行ったのが兄貴、と。

結果、お灸を据えるという名の地獄を兄貴から頂戴し、プチトラウマを植え付けられつつ正式に住民登録が果たされた…

憐れなり、ぐうたらドラゴン。

見た目がシュッ!としていい感じなぶん、残念な要素が見えなくて得ですね。ラギィ。

若干その手のお方に見えなくもないけど。




そんなこんなで、陽が落ちる前には街にたどり着けた。




「サンキュー、ラギィ。すまないんだけど、一緒に研究所の実験場まで運んでもらえるかな?」

『あぁ。…別に良いが、私の入場は許可されているのか?』

「問題ないよ。顔パスで行けるから」

『顔パス…(良いのかそれで?)』

「大丈夫だって。俺といれば!」

『…そうか…(納得しかねるが!)』



魔法のコントロールについて話しつつてくてくと街中を歩いていき、やっと実験場の炉まで戻ってきた。



「ラギィ、ありがとう。金属塊、炉の脇に置いてもらえるかな?」

『了解』




ゴスッ!…と置かれた金属塊を見て、ふぅ、と一息ついた。


いやぁ、朝から色々あった!

やっと終わった!



ひとまずラギィに礼を言い、街で一杯というか一食奢ったあと、街の少し外まで出て帰路を見送った。

ドラゴンの竜人形態だから当然なのか大食いなのか判断しかねるが、十人前は確実に喰われた。何処に入ったんだ、料理たちよ!



収穫は多かったけど、お財布が痛い一日だった…



………

……………



授業料だと思えば安いのか…?

いや、どうなんだ…?


考えるのは…止めた。

寝ることに決めた!






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