第16話:異世界に来てはや1年。
短めですが、久しぶりの投稿です。
よろしくお願いします。
俺は、絶賛大出血サービス中だった。…物理的な意味で。
『ほい、治癒薬だ』
「あー、サンキュ」
ヴォルトから受け取った、俺手製のヒーリング液(小瓶入り)を、傷口にぶっかけた。
すぐに血は止まり、傷も塞がっていく。
そもそも怪我した原因は、俺の下手くそな魔法制御にあった。
ニッケル鉱石を採るために、ニトロ爆薬で発破をかけようとしたが、火力配分を間違えて暴発。
風魔法で石礫から身を護ろうとしたら、風が強すぎて軌道を逸らされた石礫のスピードが加速し…跳弾が背後から右肩をかすって今に至った。
『いつか死ぬぞ?』
「俺もそう思うわ、ハハ」
とりあえず、採取した岩に魔方陣をペタペタ貼り付けていき、魔力を流していく。ひたすらに。トン級と思われる大物から拳大の小物まで。
結果、魔法で分離して純度75%くらいの粗ニッケル塊にしたものが、ボーリング球くらいの大きさで採れた。
「先生みたいにはいかないか…」
『当たり前だろう?』
俺の呟きに的確なツッコミをいれるヴォルトに心で涙を流しながら、再び分離の魔法を試みた。
…
……77%…
残念な結果に、肩を落とす。…本気でやったのにたった2%…。
球の4分の1は不純物とか、凹むわ~
俺の場合、緻密な制御がからっきしなクセに、属性を選ばず火力だけはバカというか壊れている感じなのだ。
ヒャッハー! とか調子に乗って手捻りの粘土を加熱したら焼き物にならず溶岩になって蒸発したり。
冷却魔法で冷やしたアイスが過剰に冷えてしまい半日食べられず、涙したり。
魔法の使い勝手は悪いものの、兄貴のスパルタ教育で剣術は人並み以上に使えるようになったおかげで、単独のフィールドワークも許可がもらえるようになった。
今回は、ニッケル系合金のレパートリーを増やすべく、採掘に来たわけだが。
さっき使われた薬も、俺の学んだ薬草学と合成薬学と…暴走した回復系魔法による変態技が成し遂げた成果である。
普通の人には調製出来ない『俺特製変態的回復薬』として、市販されて大人気なのだ。(ドヤッ)
この世界では常識では治せないケガや病気も、結構良い成績で治せると大人気なのだ。(ドヤッ)
と、ヴォルトとの素材採取を楽しんでいたわけだけど、日が傾いてきたので片道2時間弱の道を帰ることにした。
ニッケル球を転がしてヴォルトと遊びながら。
次回もよろしくお願いします(*´ー`*)




