忠告されました!
「それじゃあ、合成石の取引はその条件でお願いします」
正木さんとの打ち合わせはスムーズに終わった。
『ええ。先方との確認はすんでいますので、こちらも異論はありません。すぐに調整し、ギルドで受け渡しをしましょう』
「分かりました。それで、合成石を渡すときに、装備も受け取りたいんですが」
『もちろんです。準備はしておきます。受付にも話を通しておきますので、明日お越しください。』
「ありがとうございます。それじゃあ、明日の10:00ごろに伺います」
『承知しました。……それと、君島さん。一つ頼みがあります』
「ん?何でしょう?」
『あなたの友人に、伝えてほしいことがあります』
「友人に、ですか?」
『五階層を目指しているんですよね? 悪いことは言わないので、考え直すように伝えてください』
正木さんの声が、急に真剣なものになった。
『今回用意した装備は相当なものです。合成石は本当に貴重なので、本来の相場よりも好条件でご紹介できました。あれだけの装備なら、単独で五階層を踏破することも不可能じゃないでしょう』
『ですが…ダンジョンは何が起こるか分かりません』
『モンスターの組み合わせ次第では、どれだけ装備が強くても対処できない状況があります。逃げ道を塞がれたり、複数の敵に囲まれたり、一つ判断を間違えただけで身動きが取れなくなることだってあるんです』
切実な声色だった。
『そんな状況になったとき、一人でどうするんです?助けてくれる仲間もいない。立て直すこともできない。そうなったら終わりです』
『絶対に死にます』
その声には、強い確信があった。
『私は今まで、無謀な冒険者が死んでいくのを何度も見てきました。自分の実力を過信して、装備さえ整えれば何とかなると思い、帰ってこなかった方々を…』
『今回の件には私も関わっています。装備を用意して、攻略の話までして、その結果、目の前で同じことが起きるなんて……私は見たくない』
『そんな寝覚めの悪い思いはしたくないんです』
『だから頼みます。ご友人を本気で止めてください』
静かな沈黙が流れた…
「……分かりました。必ず伝えておきます」
『ありがとう』
電話が切れた。
正木さんは、本気で心配してくれている。
その気持ちは、十分に伝わった。
ただし、俺は五階に行かなければいけない。
俺が今後安心して過ごせるように…
さて、
装備も段取りできたし、準備は整った。
行こうか……
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