[俺が笑って、オレが逃げて]
この小説は初心者の書いた物ですので粗が目立つと思いますが、少しでも楽しんでいただければ幸いです!
俺はこの光景が好きだ。
夜の町に鳴るサイレンと赤く光るパトカ一の光。
大勢の警察官に追われている一人の人間。
それを高い所から眺めるのが俺の数少ない趣味と言っていい。
そんな事を思っていると俺の近くにいた女が笑いながら呟いた。
「ニシシ、シュピーゲル、アンタまた殺ったな?」
あぁ、そうだよ。と言うかのように、俺は鼻で笑いながら再度物思いに更ける。
もっとも、俺が大好きなのは、
『追われている人間がオレ』って状況に限定されるがな。
***
俺の名前は鑑
この一カ月で8人も人を殺してしまった犯罪者。って事に世間ではなってるようで.....。
今も大勢のお巡りさんに追われてる真っ最中です。
「あぁーっ!ウーウーウーウーとサイレンうるせぇな!今何時だと思って追っかけてんだ!!一般の方々に迷惑だろっ!!」
なら今すぐ捕まりやがれと言わんばかりにお巡りさん達が俺をしつこく追いまわす。
こんな毎日が俺の日常....とはとても言いたくない。
汗だくの全力疾走でお巡りさんとの鬼ごっこをしていると前方に人影が見えた。
それは良く見ると華奢な女の子であり、この状況ではとても頼りにする事は出来ないような見た目の子。
だが俺はこの女を知っている。そして警察はこの女を知らない。
俺は女の前で足を止め、警察の方へ向き直る。と....
「動くな!」「いい加減諦めろ!!」「貴様を殺人の罪で拘束する!」
あっという間に囲まれちまったよ。前も右も左も後ろも....
ってここは十字路だったのか...。
俺はこの場にいた女に声をかける。
「お前、もっと良い場所無かったのかよ...?」
「......」
無視ですか....。
俺の声かけを聞き、警察も同じく女に声をかける。
「君!今すぐその男から離れなさい!!そいつは危険だ!」
警察の心配の声を聞き、初めて女はロを開いた。
「きゃー!こーろーさーれ一る一っ!」
と叫んだと同時に女の足元から、女の身の丈と同じくらいの大剣が現れた。
お巡りさん、どっちが危険に見えますか...
警察はこれに驚き、一歩、また一歩と下がっていく。
「全員、一度引け!」
警察が俺達から少し距離を取ったその時。
この女はそのデカイ剣を思い切り振り上げ‥‥
ヴォン!!
.....俺に向かって降り下ろした。
「マジ.....?」
直後、十字路が大爆発
しかし、威力の半分は煙のようでその煙はしばらく消える事は無かった。
こうしてこの日の追いかけっこは幕を閉じたのだった。
***
なるほどね...これがオレ達の連携技か。
ビルの上から見ていたが、能力をそーいう風に使うのか。
俺はオレの発想に少し驚いたが、隣の女は大興奮のようで...。
「アイツら、マジっスか一!『豪撃』を直接『反射』にぶつけるとかっ!発想が普通じゃねぇっス!」
オレ達を見て大爆笑中の女に怪しげな笑みで声をかける。
「俺らもアレ、使えそうだな一。メーア?」
メーアと呼ばれた女はニヤつき顔で答えた。
「ま、使えるっスね。自分らとアイツらはまったく同じだし?」
そうだ、あの連携を生み出したオレは俺と同じで『俺』なんだ。
俺を満足するまで楽しませてくれるのはやはり自分しかいない。
これだから俺は自分が大好きなんだよ!!
「アハハハハハハハッ!早く始まらないっかな一。自分との...『殺し合い』って奴がさぁっ!」
***
先ほど逃げていた少年と大剣を持っていた少女
高笑いしている少年とニヤついている少女
彼らの容姿、声、能力は
まったくの同一人物であったという。
誤字、アドバイスあればお聞かせください。
今日はここまで!!