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第55話 魔王と呼ばれた男

葬式の翌日、プリズム達はパーティを始めようとしていた


「よ〜し、今夜は宴だな」



「まあ、ようやく平和になりそうですね」



「うーん、でも本当にハルマゲドンは死んだのかな?」


「そんなこと今考えても仕方ないわよ」


「レゾナの言う通りだ」



だが、平和は一瞬で破られてしまった

何かが壊れる音と共に、天井に穴が空いた

そして、一人の男が落ちてきた



「誰だ!泥棒か?」


挿絵(By みてみん)


「……泥棒じゃない、俺はディザスタ帝国の皇帝、レイって言うんだ〜」

黒い外套を羽織り、金色の剣を持った男はそう言った


機械のような肌をもち、山羊のような頭をもった怪人といった風貌だ

エレスタ人とは全く異なった姿だった


「ディザスタ帝国?なんだその国は?」

ファイは訝しむ


「ん…あのあなたは誰なんですか!ディザスタ帝国とは157年前の帝国大戦争で国交を絶ったはずですよ!」

メアナイトが応じる



「そうだね、でも……昨日、俺の大事な部下のハルマゲドンを君たちが殺しちゃったみたいだね」



「え?あれがディザスタ帝国の人間!?な、それじゃ……」


「ねぇ、どう言うつもりなの?」


「そうそう、だ・か・ら!宣戦布告しに来たんだ」



「そういう(てい)でいくんですね、で、実際の目的は?」



「ああ、そこ聞いちゃうんだ?教えてあげる、俺は世界を平和にしたいんだ」



「は?」



「今の宇宙は混沌とし過ぎているだろう?俺が天下統一して宇宙を正しく導きたいんだ」



「余計なお世話ですよ!ハルマゲドンなんて星ごと破壊しようとしてましたよ」


「ああ、あいつはただ人を殺すのが大好きだったんだよ、こっちの命令なんて聞いてくれないんだよね」


「いや、あなたの責任ですよね、部下の統率ぐらい取れて当たり前、取れないならそいつを殺すか、あなたが辞めてくださいね」



「お、なかなか反抗的だねえ、あと、さっきから思ってたんだけど、君は王でも何でもないよね?なんで君が受け答えしてるの、この国の王はそこにいる赤いやつでしょ?」


「ああ、大王様は弁が立つような人ではないんでね、交渉とかそう言うの苦手なんですよ、多めに見てやって下さいね」


「あはははは、面白いねえ君、気に入ったよ、じゃ、よろしく!」

そう言って帰ろうとした



「ちょ、ちょっと待ってくださいよ、本当に戦争する気ですか?」


「うん!」

レイは満面の笑みを浮かべていた



「そりゃ…残念ですね」



「あと、157年前もそうだけど、俺達がどうしてラララプラネットを狙ってるか知ってるよね?」


「知ってるわけないじゃないですか」


「ああ、そっかそっか、575年前は君たちはまだ生まれてないね、この星の人はみんな短命だもんね」


「575年前?ああ、プライザー戦争のことですね!」


「そうそう、その戦争で俺達はラララプラネットを奪われて住みにくいホロボスターに移住することになったんだからねぇ」


「そんな昔のこと言われても」


「そう、君たちは悪くない、俺達も悪くない、誰も悪くないし、誰にも責任なんてないんだ、ね?しちゃおうよ、戦争……」



「……」


そこに一人の女がやって来た

メアナイトの部下のエッジである


「エッジ大将!?」


「元帥!何があったのですか!誰ですかこの男は」

エッジが尋ねる


「帝国の皇帝です、戦争を持ちかけられてます、まずいです」



「あ、そういえば、ここにプリズムとかいう女がいつはずなんだけど、もしかして君?」

レイがエッジを指差す



「ああ、違う私がプリズムだよ!」

プリズムが前に出てくる


「ちょうど良かった、君強いらしいね、一度君と戦ってみたいと思ってたんだ」



「それはいいね、でも、ごめんね、今は疲れてるから本気出せないかも」



「それは残念、また別の機会に取っておくよ」



「で、帰るの?」




「う〜ん、このまま何もせずに帰るのも面白くないし、そうだ、もうこの星を奪っちゃえばいいんだ!」



「ええ!?みなさん、まずいですよ!戦う準備を!」


「ああ、俺は別に戦う気はないよ」


「じゃあ、やっぱり帰るのか!?」


「いや、君の城をもっとかっこよくしてあげるね!」

レイは左手からレーザーを発射した

黄金に輝くレーザーは壁を瞬時に穿つ



エレスタ城の壁に大穴があき、城が崩壊を始めた

「あはは!間違ってぶっ壊しちゃった!」


「嘘つけ!殺すぞ!」

ファイが激昂してレイに詰め寄る



「殺せるもんならやってみたら?」



「ふざけやがって!」



「あ〜ええと、大王様!一旦逃げましょう!大王様には勝てません!」



「元帥!何言ってるんですか!国衛軍の使命は国を守ることです!」

エッジがメアナイトに平手打ちをくらわす



「いや……あ〜それは…だって明らかに格が…違う!大王様が死んでは元も子もない」



「奴は魔王と呼ばれた男なんだ、あいつに僕も何度も苦しめられてきた、今ここで、やらなきゃダメだ」

アイムはそう言った



「僕の言うこと聞いてくれないんですね!ファイよ、エッジよ、アイムよ逃げろ!」

メアナイトはファイに催眠をかけた



「メアナイト……お前」

ファイはレイと戦いたいが体が勝手に逃げてしまうのだ


「元帥!絶対に許しません」


「お、逃げちゃうんだ?じゃ、この国貰っちゃうね?」

レイは上空に光る円盤を投げた

円盤は空中に固定されると、いきなり巨大化する



「おい、お前!今、何した!?」



「あ、これはワープゲートといってね、以前ハルマゲドンが憑依したテレパトロっていう奴のデータを元にして作ってみたんだ」


設置されたワープゲートから帝国軍が大勢、転送された

どんどん兵士が湧き出てくる

「いいね、いいね!」



「ふざけんな、止めろ!」



「それは無理な頼みだね!諦めなよ」




「おいプリズム、どうすれば良いんだ」



「どうしよう……帝国軍は数がものすごく多いみたい、おそらく兵士の一人一人もそんなに弱いとも思えない」


「だから、どうすれば良いんだ?」



「このままではどうやっても勝てない、諦めよう」


「俺様は諦めたくない!」



「う〜ん、無理な気がする!私もハルマゲドンと戦って疲れてるでしょ、まともに戦えないよね、みんなも……うん」


「そうだメアナイト!国衛軍を出せ」



「無理ですよ……彼らの方が数が多すぎます!」



「よし、もうわかった……一度諦めるしか」

ファイは折れてしまった



「おっ!諦めてくれたね!じゃ、この星貰ったよ」

レイは体中から閃光を放った

閃光は世界を照らした


閃光は大地をも貫いた


大地は無茶苦茶に引き裂かれた




……


「さて、ここで逃げては国衛軍の恥ですし、大王様の避難も完了しましたし、では戦いましょう!エレスタ城よ!レイを潰せ!」

メアナイトは勇敢にもレイと対峙する

エレスタ城の瓦礫がレイに襲いかかる



「レイよ!自害しろ!…ダメか、やっぱりハルマゲドンのデータは共有されてるんですね」

レイには、催眠は効かないようだ



「へえ、君やっぱり面白いじゃん!殺してあげるよっ!」

レイはレーザーを発射

光線はメアナイトを正確に狙う

だが、光速の攻撃を避けるのは容易なことではない


「あ、間に合わな………我よ!避けろ!」

自分自身に催眠をかける

メアナイトの体は、勝手に動き、避ける



「はーい、バーンバンバンバーン!」

大量のレーザーが放たれる



「避けきれない…」


その時だ!エッジ大将が駆けつけていた

「瓦礫シールド!」



エッジ大将が持っていた瓦礫がレーザーを完全に防いだ



「あれ、何それどうやって防いだの?アハハハハ」



「エッジ大将!?」



「元帥、一人で戦っちゃ駄目です」

エッジは涙ぐんだ目でメアナイトを見つめる



「そう…でしたね、少し無茶をしてしまいました」



「よし、じゃあやっちゃってよ!」

レイの指揮で、ディザスタ兵がメアナイト達の方を向く



だが、国衛軍も指揮なくとも一枚岩に動く

「おい、総司令官と将軍を通せ!雑魚は俺たちが片付けるんだ!」


「メアナイト元帥、エッジ大将!どうぞ、先にお進みください、私たちが帝国兵を片付けます、どうかあの男を討ってください」

国衛軍の兵士達が現れる




「よし、行くよ」

メアナイトはレイに向かう



「ふーん、遅いね」

レイは光の速さで近づき、メアナイトを殴る


メアナイトは吹っ飛ばされた



「元帥!」

しかし、レイに集中していたエッジの背後には、ディザスタ兵も近付いていた


「エッジ大将!後ろ!」

メアナイトが思わず叫ぶ


「っ!?ディザスタ兵ハンマー!」

背後の兵士を掴んでハンマーに変え、レイを殴る



「そっか、君は触ってるものを武器にできるんだね!」

レイはニヤニヤ笑ってる



「違っ、私の能力は人を…」



「嘘つかなくてもいいよ、君の能力は【武器化】、触っているものを武器として使うの、もう調べてるからね!」



「っ!?能力を知られてしまったからには……」

エッジは顔を赤くして、レイを睨みつける


「エッジ大将、こちらをお使いください!」

味方の兵士から戦闘機でガラクタを上空から大量にばら撒いた



「まったく、危ないじゃないですか、ガラクタよ、エッジの目の前に落ちろ!」

メアナイトがガラクタの着地を制御



「ありがとうございます、時計爆弾!」

エッジはガラクタの中から置き時計を選び、爆弾に変えて投げる

爆風がレイに浴びせられた



「うわっ、痛いなぁ!まぁ僕の体には効かないけどね」

レイの甲冑のような肌には効かない



「早く死んでくれないかなぁ」

レイは体から閃光を放った


「うわっ、目が!」


「夢幻の大剣よ!レイを切り裂け!」


催眠がかかった剣はレイに向かって飛んでいく、しかし、レイは飛び上がるとそれを足で踏みつけて押さえてみせた



「夢幻の大剣よ!我が(もと)に戻れ!」



「あ〜でも、なんかつまんないなぁ、飽きたし帰る!」


レイはメアナイトだけ遥か彼方に吹っ飛ばして、ディザスタ軍はそのまま光の速さで帰っていった


「元帥…どうかご無事で」


今回から第3章ディザスタ帝国編がスタートです!

国衛軍、そしてエッジの活躍はどうでしたか?


これからも応援よろしくお願いします!

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