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最終話 平和の世界

「ここが試練の間?」


見渡せば、暗闇が広がっていた

足元にはどこまでも白いタイルが貼られていた


「ねぇ、これからフィステリアを…その、殺さないといけないんだよね」


「どうしても、殺さなければ行けないんです」


「本当にすまん、フィステリアは諦めるしかないんだ」


「わかった」


その時、高速で何かが接近する


「危ない!」

プリズムが跳ね返してみたところそれはロケットパンチであった


「ガハハハ!ロケットパンチですわ!ってな」

フィステリアの姿をしたそれは、不敵な笑みを浮かべていた


「あれ?前みたいに拳を大きくしたりしないの?」


「おやおや?気づきませんでしたか?」

プリズムの足元から、地面を割って、鉄道ほどの大きさの鋼鉄の拳が飛んでくる


プリズムは無防備に空中に撃ち上がる


「残念でしたなぁ!」

そこに二発目のロケットパンチが飛ぶ



「やめろぉ!」

ファイの投げたハンマーがロケットパンチを打ち砕く


「ありがとうファイ!行くよ!」

プリズムは2本のナイフを素早く投げる


そして素早くハルマゲドンへ滑り込む


「私に近づくな!」

ハルマゲドンは極小サイズに変えた拳を弾丸のようにプリズムに放つ


それはプリズムの胸を見事に穿った


鮮血が飛び散り、プリズムが倒れる



「プリズムさん!」

メアナイトはハルマゲドンに斬りかかる


「おお、今度はお前が死んでくれるのか!」


「死ぬのはあなたですよ!床よ!ハルマゲドンを叩き潰せ!」


その瞬間、床のタイルが全て捲り上がり、一斉にハルマゲドンに向かって飛ぶ


団子のように固まり、ハルマゲドンを押しつぶす


「まずい!だがリセットすれば問題ない!」

ハルマゲドンは自分の時間だけをリセットしようとした


しかし、自分だけではなく全部の時間が巻き戻るのだ

もちろんプリズムの時間も


「な…なぜだ!」


その時、天から声が聞こえてきた

(ハルマゲドンよ!あなたのような反逆するものにその技は使えません…一部の物の時間だけをリセットするというのは私の加護があってこそですからね)


「だ、だれだ!」


(私は世界樹ですよ!)



「シュークリアの世界樹か…私をいつでも邪魔するなぁ?」



「私にも加護ちょうだい!」

しかし、再び世界樹の声が聞こえることはなかった



「さぁ!燃えてもらおうか!」

ファイは口から火を吹き、両手から爆炎を撃つ


「そんなものは効かない!」

ハルマゲドンは巨大化した鋼鉄の拳を盾にやり過ごす



「今だね!」

プリズムは足元にバリアを張り、そのバリアに飛び乗った



「バリアよ!ハルマゲドンの元へ!」

その瞬間、プリズムが乗ったバリアが超加速して、ソリのように滑り出す


しかし、ファイの爆炎は止まらず、ハルマゲドンの両手が使えない


「えい!」

プリズムは背後からナイフで一突き!

背骨を砕き、奥深く差し込まれる



「よし、ファイ、メアナイト!お願い!」

プリズムはさらにナイフを取り出した



そして上空に投げ上げた


「よし!着火すればいいんだな!」

ファイはそのナイフに火をつける


「ナイフよ!ハルマゲドンの息の根を止めよ!」

そして、火のついたナイフはハルマゲドンの首に向かって突き進む



「ふざけるな!こんなものリセットしてしま」

言い終える前に、その首を焼き斬り落とした



「ガハッ……ガハ」

ハルマゲドンは……死んだ


そして、フィステリアの体からはハルマゲドンの肉片が溢れ出した


「ふざ…けるな、ここで私を放っておく気か?私は永久に何もできず死ぬのか?一生暇なのか!?」


「うるさいなぁ!」

プリズムはハルマゲドンの肉片にきらめきの鍵を差し込み、右向きに回した


もう二度とハルマゲドンの声は聞こえなかった


「ごめんね、フィステリア…本当にごめん…」

プリズムの瞳は、その切り落とされた首を見ていた


ありがとうと声が聞こえたような気がした



「……それでは、試練の中断を許可するであります!」



……


「ここは…戻って来れたの…?」



「あら、プリズム!勝ったのね!」


「勝った……」


「あら、ごめんなさい、フィステリアはその…もう」


「お姉ちゃん、フィステリアもアイムも死んでよかったのかな…」


「…あの二人は喜んでるはずよ」



「プリズムもそんな落ち込んでたらあんたらしくないわよ!」


「アイムとフィステリアは帰ったら弔わなければならないな」


「そろそろ帰りましょうか?」


「元帥もお疲れでしょう?」



「それじゃ、キャンディはいつでも歓迎するので、また来て欲しいのです!」


「今度から来るなら手土産の一つは持ってこいよ、本当マナー講師案件なんだよ」


「あはは、じゃあね!」

天空にきらめきの鍵を突き刺す

空から虹色の希望が降り注いでいた













……4年後、エレスタ王国

エレスタ平原にて、

公園には初夏の陽が差し込み、聳え立つ蒼きオリハルコンの構造に、朝日が反射してまるで宝石のように光輝く

これこそが【オリハルコン・パレス】である


国衛軍や係員が整列し、招待客たちが門をくぐる

街中の一般市民も、外からそれを見てざわめきをあげる


そこへファイやプリズム、そして各国の王族たちが到着する


「それでは今より【万国博覧会】を開催します!まずは大王様、王妃様の祝辞を!」

メアナイトの声が会場に響く


「集まった全ての産業と技術を誉め、未来の進歩を祝おう!」


「みんな!今回の【万国博覧会】で絶対に期待に応えるよ!」


その間、レゾナ含む国楽隊が荘厳な曲を演奏し、緊張感と期待感が漂う


……

その後、来賓との交流があった


「今回も、よくやるね…でもすごいんじゃないかな、これを絵に描くのも勿体無いぐらい綺麗だね」

エイントはその蒼きオリハルコンの宮殿を眺めていた


「今回は結構期待してるぜ…!」



「でも私も感動したわ!よくあんなの作ったわね!」

ドロップはオリハルコンに反射する光に思わず目を閉ざす


「ドロップちゃんにもあれぐらいの宝石をあげたいんだけどな〜」

シャープはドロップのことを見つめている


「あげたいんだったらくれたらいいじゃない!」


「【オリハルコン・パレス】は僕たちのオリハルコンを使ってるんだよね〜」

ジブルは二枚のコインを触りながらそう言った


「そもそも【オリハルコン・パレス】は私が思いついたんだからね!ね?すごいでしょ!」

レッドは得意げな表情をしていた



「は?『すごいでしょ』はエグいな、マジでやめといた方がいい!大人でそれは本当にヤバいって!」


「まぁまぁ、ジャンさんもその辺にしときましょうよ、メンバー全員集まるのってなかなかないですよ」

メアナイトはジャンを黙らせようとする


「は?一年ぐらい前も結婚式呼ばれたんだが、記憶力大丈夫そ?」

ジャンの嘲笑は止まらない


「でも、結婚式やった後に【万国博覧会】やっては、ずいぶん資金が必要ではないのですか?」

キャンディが尋ねる


「ああ、俺様の結婚式、実はそこまで金はかかってないんだぞ!」

ファイがそう言う


「確かに王妃様も結構妥協してましたもんね、そんなに心配しなくてもホムランドから巻き上げた金がたんまりと……」


「おい、メアナイト?ここでテロ起こしてやろうか?全くいい加減にしてもらいたいぜ!」

ケミはメアナイトの首を掴む


「まぁまぁ、冗談じゃないですか、今は国王様と王妃様もいるので」


「てかメアナイトもその王妃様っていうのやめてよ!前みたいにプリズムさんでいいから」


「僕は王妃様って呼びたいんです、礼儀が大事だと思いますよ!」


「でも、元帥もそんな礼儀正しいイメージはありませんよ」

エッジの指摘が入る


「別に常に礼儀正しいってわけじゃないんです」



「あ…そういえば、キャンディさんってつい最近、戴冠式があったんですよね」


「はい!お父様のように立派な王になるのです」


「ねぇ、そういえばレイが来てないよ!」


「来るはずなんですが…」


「あ、あれレイじゃないか?」


「おーい、ごめんごめん遅れちゃった!でもヒーローは遅れてやってくるって言うしね」


「うちも来たで!」


「あ、そういえばライトとレゾナも呼んでくるね」


しかし、もうライトとレゾナはすでに向かってきていた


「全員集まりそうだったから来たのだけど、あなたまだ皇帝としてやれていたのね」


「ハイドはどの面下げて来たんだよ!お前はレイと違って自分の意思で殺しにかかってただろうがよ!」

ライトがハイドに殴りかかろうとする



「まぁまぁ、ライト君は元気だもんね?うんうん、でも暴力はだめだと思うなぁ?」

レイはライトの拳を抑えて、にこやかに微笑む



「ああ、分かったよ分かったよ!暴力はだめだよな!な!」

ライトはレイに怯えていた


「てか、その隣にいる人誰?なんかかっこいいね」


「ああ、そいつはナレッジだぜ!あたいが元に戻してやったんだぜ!」



「ケミさんには感謝していますよ」


「え?どうやってやったの?」


「脳を取り出して、【強制ふっかつ薬】をかけてもらったんだ…すごいよ」



「そろそろ、展示ホールへと向かいましょうか?」

展示ホールには【工場】があった



「すげぇな、これ!」


「本当よね」


ベルトコンベアを製品が次から次へと流れていくのだった



「でもあたいもエレスタもちょっとは見直したぜ?ベントなしでもここまでも工業を進められるとは思わなかったぜ」


「そうですか、それはよかったです」



「それにしても、4年前俺様達も死にかけながら戦ってたのか…」



「あの頃からは、こんなの想像もつかないよね」



「でも私、ハルマゲドンにはちょっと感謝してるかも」


「は?何言ってんだよプリズム」


「だって、ベントが死んでからずっとファイ引きこもっててメアナイトが政治してたじゃん」


「まぁ、僕が優秀なんでね」


「ハルマゲドンのおかげで外交も再開したし、外に出るようになったでしょ」



「そういえば、今ハルマゲドンって何してるのかな?」


「さぁ、知らね?」


「まぁ、死ぬほど暇なんだろうな!死にたくても死ねはしないが」


「これからも六王国で切磋琢磨していかなきゃいけませんね」


「切磋琢磨?ホムランドが余裕で越えれるはずだけどね」


「いや、ウェイテルも舐められちゃ困るって」


「ファンタージはのびのびと頑張っていきまーす!」


「まぁまぁ、雑魚が張り切ったってカガルミナには勝てるわけないけどな?」


「まぁ、ディザスタには敵わないと思うけど」


「敗戦国が言っても説得力ないけどね!」


あれから4年経った今、皆が前へ進んでいた

あの厄災の爪痕はもはや残っていなかった


デスロザンからは、アイムにフィステリア、ベントにウィズ、そしてパシーが見守っていた


平和な世界はすでに実現したのだった



今日でついに最終回です!ここまで応援ありがとうございました!

僕としても、第1作目を綺麗に完結できてよかったです。


この作品は、長い時間をかけて書いたので、結構思い入れがあり、完結できると感慨深いものがあります。


さて、よかったらこの作品への感想、レビュー、それから★★★★★もお願いします!

お祝いも兼ねて★をいただけると嬉しいです。


ありがとうございました。

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