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第102話 即死の波動

さて、このウェイテルの真下のグランダードでは、未だプリズム、ファイ、レゾナ、ライト、ドロップ、シャープとアーチとの戦いが続いていた


アーチは戦いから逃亡しようとしていたわけだが



「おい!このクソゴミ!逃すわけないじゃない!」

ドロップが重力で地面に叩きつける



「お前、女のくせにワシに逆らうのか?」


「このクソゴミィ!早くシャープを元に戻しなさい!」



「ああ、こいつを元に戻せるのはワシだけじゃ!ワシの錬金術だけじゃ!」



「でも、錬金術って誰でも使えるんじゃないの?」


「もちろん誰でも使えるぞ、呪文を知ってればの話だけどなぁ!うひゃひゃひゃひゃひゃ!その男を戻して欲しければ、ワシの奴隷になれ!」



「もういいわよ、フィステリアに戻してもらうから!」



「ほぉ?ではフィステリアが死んでいたとしたら?」



「あなたを拷問して呪文を聞き出すわ!」



「さて、ごめんだけどお父さんには死んでもらうね!」

プリズムはナイフを持ってアーチに向かって走り出す



「ワシのことをお父さんと呼ぶな!」

アーチもプリズムに接近してその右手を伸ばす


「ライト!雷落として!」


「おうよ!雷だな!」

アーチが伸ばした右手はまずナイフに当たった


そして触れた瞬間、ナイフに惹きつけられた雷が落ちる


「ゔぁああああ!なんじゃ!雷か!?」アーチの右手が燃える


さらにアーチの右手に触れたナイフは一瞬にして黄金化



「ぐぬぬぬ、このワシを…」



「ざけんなよ!お前みたいな奴見てるとイライラするんだよ!メテオォオオオ!」

ライトが巨大な隕石を大量に落とす



「こい、ウロボロス!」

ウロボロスはアーチの盾となって庇う

ウロボロスは死んだが一瞬にして蘇る


「もう百発ぐらい隕石落としてもいいよなぁ!」



「待て待て、ワシもこんなところで死んでたまるか!もう飽きた飽きた!シャープだな!シャープを戻せばいいんだろ!

黄金に染まりし愚者よ

愚者のままに還れ!」

アーチが呪文を唱えると、なんとシャープの黄金化が解除された



「シャープ!」


「おっ、耐えたって感じっすか?」


「これで、文句はないな?だが、このままでは帰れんな!逃がしてもらうぞ!

万物は記録の塊より永存する!」

アーチは巨大な賢者の石を生み出した


真っ赤な色のその岩は、アーチを守るように壁として立ち塞がる


「ああ、もういい、もうあんなやつ放っておこうよ!」


「プリズムがそう言うんだったらもういいか……いや、レゾナはどうする?」



「私も結構です、もうやめておきます」

しかし、レゾナは怒りで顔が歪んでいた



「お姉ちゃん、やっぱりみんなで殺しに行く?無理しなくていいよ?」



「もういいんです!」


「そうか」


「いや、ふざけんなよ!俺は許してないっすよ」

シャープは賢者の石から棘を生やして、アーチを貫く


アーチに刺さった棘からさらに棘が枝分かれしてアーチを固定する



「よし、俺もお前を許さねぇからな!」

ライトも雷やら隕石やら落としまくる



「ふざけるな!特にシャープはなんなんだ…解放してやったのが誰か覚えてないのか!?」



「自分でやっておいてそれはないっしょ!」


「ああもう!これだから若者は話にならん!ワシら年寄りを馬鹿にするとはな!ワシは逃げる!逃げるぞぉ!」


そして、アーチは空を飛んで、上空のジェルマの泉に入っていった



……ウェイテル王国にて


歪みの中にハルマゲドンは立っていた


そこに生きも絶え絶えのアーチが、ジェルマの泉から這い上がってきた


「ガハハハ、アーチよ、よくぞ戻った、さぞや素晴らしい戦果をあげたことよ、なぁ?」


「ハルマゲドン!あいつらは強すぎる!ワシの手には負えないわい!今こそお前が活躍するチャンス……」

アーチはそこで言葉が出なくなった



ハルマゲドンに首を締め上げられたからだ

「私は戦いから逃げるものが大嫌いだよ!死んでくれ!さぁ今ならこの依代のエネルギーで【即死の波動】が撃てるからな!」

ハルマゲドンはアーチを床に投げつけた

アーチの骨盤が砕けた


「即死だと…!このワシを殺す気か!万物は虹の雫により修」

アーチが言い終わる前にその胸を抉る



「残念ですなぁ!お前など使い捨てのコマに過ぎないのだよ!」



「ハルマゲドン!目を覚ませ!このワシという優秀な頭脳が消え失せることが宇宙の損失だとは思わんのか!」



「ガハハハ!ならばその優秀な頭脳を使って私を倒してみればどうかな?まぁもう死ぬがな!」



ハルマゲドンは【即死の波動】を放った

目には見えないけど真っ黒な波動


すごい勢いで飛んでいく


はじめにアーチが死んだ

レイが死んだ

エッジも死んだ


近くの人からどんどん死んでいく


そして即死の波動は地下のグランダード共和国にももちろん迫っていた



……グランダード共和国にて


「やばい、何か来る!」



「何かってなんだよ!」



「できるだけ私の後ろに隠れて!」



「何?私怖いの苦手なんだけど」

ドロップがプリズムの後ろに隠れる



「プリズムの勘はよく当たるもの、私もそうしようかしら」

レゾナもプリズムの後ろに隠れた



「お前ら何やってんだよ、あいつは逃げたんだ、もういいだろ?」

ファイがそう言った



その瞬間だった


【即死の波動】が来た



「バリアァアアアアアア!」

プリズムは必死に頭上に巨大なバリアを張った



しかし、ファイ達は音もなく…死んだ



「ど、どうしよう!」



「…プリズムの言う通りだったわね、シャープも…」


「待って、まだ遺体が残ってるじゃない、今ならなんとか蘇生できるかもしれないわ」

レゾナがライトの遺体に手を触れた



その瞬間だった



なんと全員の遺体が、自壊して、溶けて無くなった



たった今、

【即死の波動】によって、この世界から

プリズム、レゾナ、ドロップを除いて全ての生命体が【抹消】された


「ファイが…ライトが…どうしようみんな消えちゃった!どうしよう!こういうときいっつもどうしてたっけ…そうだ3Dプリンターだ!」


「3Dプリンターは無理ね」

レゾナは言った


「なんで!3Dプリンターさえあったら体を復元できるんじゃないの!?」



「体のデータがないのよ!それにあれはベントしかまともに扱えないのよ!」



「どうすんのよ!これ!」


「とにかく外に出たいけど、この賢者の石が邪魔ね」




「てか、ウロボロスまだいるんだけど!」

そう、ウロボロスはまだ死んでいなかった



「これ…どうすればいいの…」


「では、こうしておきましょう!」

レゾナはときめきの笛を吹いた


音楽のネズミの群れが集まり、一斉にウロボロスにたかる


そして肉を食い荒らすのだ


ウロボロスが何度復活してもネズミは肉を食い続けるので動けない


「これからどうしよう?」



「死ねばいいのだよ!ガハハハハハハッ!」

憎きハルマゲドンの声が響く


さっそく降りてきたのだ



「ねぇ、なんのために人を殺したの?」



「……ガハハハハハハ!呆れましたな!人生に飽きたからとお伝えしたはずですが?これほどまでに記憶力が足りないとは、お辛いでしょう?」



「はぁ、クソゴミにもほどがあるわよ!」


「あと、メアナイトの体を勝手に使わないでよ!」



「何を言うか?メアナイトは私のものだからな!」


「ねぇハルマゲドンはどうして、私達を殺さないの?」



「当たり前だろ?私と君たちでは天と地ほどの力の差がある、言っただろう?私は人生に飽きたんだ、すぐ終わっては馬鹿みたいじゃないか?これはゲームだからな、手加減しまくる私を頑張って倒してみろ!」



「はぁ、ごめん、無理かも、ハンデとしてみんなを生き返らせてくれたら…」


「甘えるな!これはゲームだぞ!あ、ただし自殺するって言うだったら別だ!そっちの方が面白い、女三人で生きる意味でも見出しとくんだな!ガハハハ!では、私を見つけに来い!」

ハルマゲドンは再び、消えていった

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