被験体番号018(war)
war=戦争
《お前、世界からの使者か?》
俺の問いに、ラミは間を空けて答えた。
「......何の事?」
《...違うのか?じゃあなぜ代表を探している》
「...!なぜそれを!?」
《あぁ、すまん、カマかけた》
「......」
また下唇を噛み締めている。
《まあ、お前が理解していなくても、世界からの使者であることは間違いないみたいだな》
「...お前、何か知ってるのか?」
《知ってるも何も、その代表を決めるのは...
俺と神の仕事だ...》
昔、3年前の話だ。
俺がまだ傑作品だった頃の話...
俺の声が、まだ美しかった...
まだ綺麗な身体だった頃...
俺は、とある人間に飼われていた。
「二ーファ、今日の歌、最高だったよ」
「ありがとうございます」
「今度はウチの館でやっていただけませんか?」
「都合が合えば、是非」
「こんどいろんな被験体を集めてコンサートするんだ、よければ君も参加しないかい?」
「ご主人様に聞いてみますね」
「二ーファ、そろそろ帰ろうか」
「...はい、ご主人様」
...今日も疲れた。
いつまでこんな事続けなければいけないんだろうか。
褒められるのは嬉しいけど、これじゃ身体がもたない...
スケジュールもぎっしり、困ったものだ。
世界はまだ、被験体が誕生して間もない頃。
その頃、1番出来のいいとされていた被験体が俺だった。
被験体の生産は遅く、種類も少なかった為、世界から非常に注目されていた。
故に、被験体の盗難や、殺人も少なく無かった。
人類は滅亡の一歩前、科学者が被験体を奪い合ったり、人類滅亡を望む狂人が希望を潰すために俺達を狙う。
さっき俺に声をかけてきた人間達も、裏で何を考えてるか分からない。
もしかしたら、隙を見て科学者に高額で売りつけるかもしれない。
人類滅亡賛成派なのかもしれない。
だから、今の被験体は自己防衛の為に武器を付けているらしい。
まあ俺は持ってないけど。
「二ーファ、今日もお疲れ様。」
「...」
この人は俺のご主人様。
俺が唯一信頼出来る人間だ。
どんな時も俺を庇い、護ってくれた。
いつもこの人には迷惑をかけているからこそ、何か恩返しをしたいとは思っているが...
俺に出来る事なんて、細胞を渡し、歌を唄う事くらい。
ご主人様はそれで充分だと言ってくれるが...
「ご主人様、次は何をすればいいんですか?」
「えーっと、今日はもうないかな。
次の仕事は明日だね、朝に研究施設に細胞渡して、それから...」
「これから仕事無いんですか!?」
勢いで、食い気味に言ってしまった。
「うん、もう仕事はないよ」
「だったら!」
「けどごめんね、私が忙しいんだ...」
「......」
「いろんな手続きと会議や残業があってね...」
ご主人様はとても忙しい人...
会議なんかも、実際参加しに行ってる所は見たことない。
いつもモニター越しで、人をあまり寄せ付けない。
俺を他の人間から遠ざける為でもあるみたいだが...
そう、例えば...
ご主人様を捕まえて、俺と交換なんて取り引きを要求されることもあるのだ。
実際にあった事なのだから、仕方ない。
その分、ご主人様には人間からの信頼が低い。
その信頼を築く為に、ご主人様はいつも忙しくしている。
たまには、俺もご主人様も休みをとって、ゆっくりお話とかしたいけど...
「二ーファ、君はもう部屋で休んでおくれ。」
「...ご主人様も、身体に気を付けて下さいね」
「うん、心配してくれてありがとう。」
ご主人様の言う事はちゃんと聞く。
ご主人様を困らせない事が、俺に唯一出来る事。
「それでは先に休んでますね。」
「出来るだけ、休みをとれるように努力するから。いい子にしてるんだよ。」
「...はい!」
そう言って、俺達は別れた。
きっと俺は浮かれていたんだ。
だから気を抜いていた。
後ろから近づいたその気配に
気付けない程には。
二ーファの過去編!!
二ーファが美しい時!!
よっしゃ描いてみよ!!!




