第1話 魔法×旅立ち
世は魔導戦争の時代。その中でこの男は生きていた、魔導、世に言う魔法を極めた男。
ライラ=アルテミス、この世の魔法を限りなく極めた男。
しかし、魔導歴1203年最後の日、この世に覇王が降り立った。
明・暗・そして二つの力を持った覇王、双雷の覇王はこの世の支配をはじめた。
これはそんな覇王とライラの戦いを描いた物語である。
この世界では今、世界を二分する勢力がある。
光の希望を持った者たち、光聖共和国と、闇の力に目覚めたものたち、暗国覇王帝国である。
くりかえされる戦争で死にゆく人々、数多くの戦争で互いの国は今人員が足りなくつつあった。
魔導というものは、そもそも扱えるものが少ない、生まれながら持つものに魔導書の勉学に励み会得するもの。生活していたら急に使えるようになったものもいる。
そもそも、なにをしても生涯扱えない者もいるのだ。
ライラはその中で、前者にあたるものである。もちろん、あたらしい魔法を極めるのには時間がいる。
しかし、どれも簡単に極めてしまうのだ。
魔導歴1203年1月9日、そんなライラへ暗国覇王帝国から軍への入団編成部隊から、入団の申請書が送り付けられてきた、、、。
~ライラ宅~
「おい!きいてるのか!!」
暗国覇王帝国軍、通称覇王団の兵士が怒鳴っている。
「貴様魔法がつかえるようではないか!ならなぜこの暗国覇王帝国の所領にすんでおきながら我が覇王団へと入団申請をだしていない!!」
覇王団の兵士のそんな激しい大声もライラへとは届いていない、、、
「あ~今日の飯何にすっかな~、」
「きっ、貴様!聞いてるのかぁ!くそっ、なんなんだこいつは、、、。」
「隊長、こいつまさか光聖共和国へと逃げるつもりじゃ。」
「なに!!」
隊長と言われている者含め、この場に現在覇王団兵は12名いる。
その側近、副隊長なのだろうか?そう思われる者がこちらへ攻撃体制をとった。
「おいおい、マジでやってんの?俺は今、今日の昼飯考えるので忙しいんだよ。」
ライラには、恐怖という言葉を知らない。それは、いつもなにがあろうとそれとなく生活してるからだ。
もちろん、それは魔導を極めているという余裕からであるが、、、。
「くっ、やむを得ん、攻撃体制をとれ!共和国のやつらに兵力をとられるぐらいならここでやっちまったほうがいい!!」
そういうと覇王団の兵士たちの手に魔導書が現れた。これは、武器を異次元に保管し、使いたいときに呼び出す、【換装】である。この魔法は下級の兵士でも簡単に扱える代物で、魔導兵ならだれもがつかっている。
隊長含め、魔導書を手に兵士たちは魔力をためだした。
魔法を使うためには、その魔法を理解することから始まる。そしてその魔法を理解したものが、魔力を使いその場に魔法の構造式を出現させることができるのだ。
12個の魔法陣がライラの方へとセットされた。
「どうする?まだ入団しないというか!?断ったら命がないと思え!!」
隊長は、ライラへと質問した。
魔法を使いたくないのだろうか?魔法は魔力を消費して使うため、使った後に疲れが体に蓄積し一定量使うとオーバーヒートし、魔法が24時間使えなくなるというものがある。しかも、体の力が抜けてしまうため、その間は、魔法を使えない一般兵にさえ劣ってしまう。
きっと、それを考え魔法を使いたくないのであろう。
しかしライラはある呪いによりオーバーヒートが存在しない、呪いといってもライラ自身がかけたものであり、体になにか悪影響があるわけではない。しかし、この呪いは禁術指定されているものであり、それをこの覇王団兵たちは知らない。
隊長の最後の警告にも、ライラはそっけなく答えた。
「知らんよ、し・ら・ん。わかる?今俺いそがしいの、っもうほんとに最近の若い子ときたら・・・」
ブチッ!!
隊長の神経が切れたようだ、、、。
隊長の魔法陣が輝きだした。
「我、炎と神への忠誠心をここに、炎火!!」
隊長の魔法陣から火球が姿を現し、ライラめがけて飛んできた。
その火球は乗用車と同じぐらいの物に相当する。
「もう逃げても遅い!!後悔とともに地獄へと行けー!!」
「はぁ~しょうがない逃げるか、、、。だいたいそんな下級魔法で勝てるかよ俺に。
我、炎火と神をここに求めそれを望む、大炎王火狼!!」
ライラは構造式、魔法陣を一回一回展開しなくても魔法が放てる、それはライラ自身の体に構造式が書かれているからである。言ってみれば刺青のようなものである。
ライラの放った魔法は上級のうちの上級F~SSSランクまである魔法のうちのSランクである。
もちろんFランク魔法でも、魔力次第で強くはなるがSとなると、そもそもの威力が違うのである。
ライラの放ったそれは狼の形をしていて、隊長の放った炎火を喰らうと残りの兵士に向けて飛んでいく。
「Sランク魔法!?聞いたことがないぞ!?中将クラスでさえAランク魔法が限界であるときくのに!?まずい!!撤退だ!あたったら死ぬぞ!!」
ライラは隊長の冷静な判断に口笛をふく、
「ヒュ~、さすが隊長。冷静だね、これで懲りたらもう俺に話しかけないことだね♪」
炎の狼は兵士の放つ炎火をものともせず飛んでいく。
「こんなんでいいか、、、。」
ライラは死傷がでない程度に攻撃すると、魔法で焼け焦げて土がのぞいている床へとたたきつけ爆炎をまき散らすと、そそくさと窓から逃げてしまった。
~3時間後~
ライラは覇王団兵からの追撃もこないまま、ほんの数分前に暗国覇王帝国の所領の国境をこえたとこだ。
さっきまでは、魔法を使うような状況に立たされていたが、空は何事もなかったのではないかというような天気をしている。国境沿いにはとくに建物もなく、広大な草原が広がっている。視界の端では、鳥が群れをなして飛んでいるのが見えた。
「あ~、家追い出されちゃったな~。次はどこに行こうか?共和国はちょっと遠いいし、、、。まあ、とりあえず飯調達しなきゃ!うお~死んじまう。今にも倒れそうだ、、、。」
ライラの冒険は始まった。まさかこの旅立ちが長く、そして辛いものであるともしらずに・・・。
第1話 完




