18幕 平城中学校
「こ、ここが平城中学校!?」
太子は驚いた。そう、僕たちは、平城中学校に来たのだ。正確に招待されたのだ。メンツは、僕とバカ2人、与一くんに、信長先輩。
ここは、法隆寺中学校の隣にある超広い超名門の私立中学校らしい。平城宮(新校舎がある)と右京(旧校舎やテニスコートなどがある)と、左京(グラウンドやプールがある)、外京(体育館がある)にわかれていて、門は12個もある。その中でも、正門は白い漆喰の壁に、朱に塗られた木の骨組み、そして、黒い瓦の屋根とかなり豪華な門である。僕たちは、そこから入り、今、グラウンドにいる。
「広きことさぞ広きこと最上川。芭蕉、衝撃の一句。」
松尾芭蕉がいつも通り、意味不明な歌を詠む。
「あいかわらず、良い句だな!」
太子は親指を立てる。すると、彼も親指を立てた。
「いや、しっかし、噂通り凄いな!」
与一くんは賞賛の声を漏らし、僕もうんうんとうなずく。
「で、今日は何しに来たの?」
太子が惚け顔で聞いてくる。それに便乗をして、松尾芭蕉も首を傾げて訴えてくる。
「...。」
僕と与一くん、信長先輩は言葉を失う。ながらも、僕はため息をついて、
「今年の夏、ここで4年に1度の3校対抗体育大会が行われるんですよ。僕たちは、この平城宮中学校と、あと、平安宮中学校と戦うんですよ。」
と説明してあげる。
「喧嘩なら任せとくがいい!」
信長先輩は言う。
「いえ、そんなことはしませんよ。」
僕は否定する。
「だって、体術や拳法も立派な体育だろ。」
先輩は言う。確かに、一理ある。だが、この人、大丈夫か?と太子のバカが移ったんじゃないのとも思った。かなり、無礼だが。
そして、僕たちは平城宮に入った。そこは正門から一本の道で繋がっていて、かなりわかりやすかった。しかも、壁で囲まれ、門まである。ここらへんは、こんな中学校が多いのか?風情ありすぎ!
「うぉりゃぁぁぁぁぁぁ!」
と、そんな声が聞こえてくる。こらは、太子と、信長先輩の声か?僕は嫌な予感がして、声のした方を見ると、やはり、彼らは門を殴りまくって、窪みを作っていた。
「だぁぁぁぁぁぁ!」
僕はそん叫んで、彼らを止めようとする。しかし、
「俺が止める!」
と与一くんが立ちはだかり、バズーカで門までぶっぱなしてしまった。
「だぁぁぁぁぁ!」
僕はそう叫ぶ。そうだ!こいつもそうとうな、バカだった!なのに、何であの時、僕と一緒に呆れてたの?
おかげで、僕たちは平城中学校の理事長である元明さんに説教された。
「門というのは、学校の景観を保ち、生徒を学問に誘うための物。それを、招待客のあなたがたが壊すなどもっての他!」
彼女は、キツい口調で諭してくる。珍しく、バカ2人は黙って頭を下げていた。しかし、残りの2人は頭を下げない。
「僕は、このバカ2人を止めようとしただけだ!」
いや、自分のこと棚にあげるきかよ!?
「良いから、頭を下げろ!」
僕は無理矢理、彼の頭を下ろす。
「頭を下げるなど、俺様のプライドが許さん!」
そう宣言する信長先輩に、
「良いですから、謝ってください!」
と言って、相当な覚悟で彼の顔を無理矢理、下げた。
そして、僕たちはみんなで
「ごめんなさい。」
と謝る。
「まぁ、わかったならいいわ。さぁ、座って!」
幸い、元明理事長は気前が良くて、あっさりと許してくれた。良かったぁ。僕は、心からそう思うのだった。




