17幕 那須与一参上
ある日、体育館で射撃が行われた。これ、中学生でやることか?僕はそう思いながらも、先生から射撃の屋台でよく見る、あの銃を渡された。
パン!パン!パン!あたりに、銃声が響き、人形が倒れていく。太子や松尾芭蕉も、高精度で撃ち抜きまくっている。しかし、僕は一度も、撃ち抜けていない。おまけに、
「妹子は、こんなことも出来ないのー?」
「哀れとは妹子のことよ最上川。芭蕉、哀れみの一句。」
バカ太子にはバカにされ、バカ芭蕉には哀れまれた。僕は、引きつった笑顔を浮かべた。
パン!パン!パン!パン!パン!と、何処からか5回の銃声が響き、一番小さい人形5つを全て撃ち抜いた。俺は銃声のした方を見る。すると、そこには、同じクラスの那須与一くんがいたのだ。彼は、体育館の2階の柵を飛び越え、
「とぅ!那須与一参上!」
と、言って降りてきた。それから、銃を人形に向け、弾を撃ち放った。まさに、百発百中。また、人形を撃ち抜いた。
「そして、極めつけはこれだー!」
それから、与一くんはバズーカを取り出して、ぶっぱなした。すると、人形は撃ち抜かれるとごろか、灰塵と化した。
「茄子の夜市?どこ?どこ?お茄子どこ?」
「...。」
いきなり、そう言い始めた太子に、僕と与一は言葉を失った。
「今、お茄子って言ったよな。」
「うん。間違いなく。僕は、その茄子じゃないのに。」
「あそこだよ与一はあそこ最上川。芭蕉、指差しの一句。」
芭蕉はそう詠んだ。
「...。」
僕たちはまた、言葉を失う。
「最上川と何の関係があるんだ?」
「良いぞ、もっと、言ってやれ。」
「お互い苦労しますな。」
「あぁ。」
僕たちは、そう声を揃えて、ため息をついた。
「何で、ため息なんて、ついてるの?」
「謎だよね急にため息最上川。芭蕉、疑問の一句。」
「...。」
僕たちはまた言葉を失った。




