2 妖精の里
ダイチは、妖精の住むローレライの森の入口に到着した。
「クロー、カミュー、ルーナ、ここは妖精の住むローレライの森だよな。あまりにも生気が感じられない」
『ダイチ、ここはローレライの森で間違いない。だが、妙だ。違和感がある』
ここまでナビゲーションをしてきたクローが珍しく歯切れの悪い回答をした。
『主、見たところ、この森は早晩朽ちていく様に見えるが、何か妙だ』
カミューも樹々を見渡して違和感を口に出した。
『ダイチ殿、わたくしにも違和感があります。・・・・この樹々の様子を見ているだけで、不自然な悲しさが襲ってきます』
ルーナは、この森の近い未来を憐れむでもなく、警戒の色がその瞳に現れていた。
妖精が住む森のイメージは、樹々が青々と生い茂る自然豊かな深い森であるが、このローレライの森は異なっていた。樹々に茶色の葉が多く、それでも葉を付けている樹々はましな方であり、葉の落ちた枯れた大木と倒木も多く見られた。生気がない森、滅びゆく森と表現した方が良いかもしれない。
ダイチは、白のシャツに、襟の長い黄緑の布地に深緑の縁取りのデザインの袖なしフロックコート、深緑のマント、深緑のロングブーツを履いている。マントの下には革製の肩掛け鞄。黒の双槍十文字を握る指にアベイスグレイスの指輪が緑と青の光を放っていた。アルベルト王子から贈られた葦毛の馬「北斗」から降り、手綱を持った。
ダイチの隣でもう1人馬に乗るルーナは、白い上下の布地に赤の縁取りのデザインの上下服に、淡い青の羽衣を纏っていた。左の腰には、金色の柄に淡い青色の鞘を付けたミスリル製のサーベルを帯びていた。ルーナの乗る愛馬「雪風」は白い毛が美しい駿馬だった。
ルーナも雪風から降りた。
『妖精さんに出会えますかね。
妖精さんは、小さくて美しい生き物だと本で読んだことがあります。子供の頃から妖精さんに会うことが夢の1つでした。もう、期待しかありません』
「へえー、この世界でも妖精はそうなのか。
俺のいた世界でも、童話などに出てくる妖精は、透明な蜻蛉のような4枚の翅があって、ビギニ姿をしていた。星のついた短い杖を手に持っていて、ふわふわと宙に浮いている。
そうそう、美しい人を妖精に例えたりして賛美していたな」
『ダイチのいた世界では、魅力的な女性の代名詞となっていた様だな』
ダイチが手に持つ黒いハードカバーの本、クローが言った。
『主、妖精は妖術で幻を見せ、人心を惑わす。そして、決して姿を見せなかった様だ』
先代の神龍の記憶と遺志を受け継いだカミューが、ダイチを見て説明した。
『!』
「!」
ダイチたちの眼の前に小さな人が、宙に浮いている。
「其方らを待ち望んでおった」
透明な蜻蛉のような4枚の翅を持った体長20㎝位の女性が、ビギニ姿のまま宙に浮いていた。
「!!!」
『『『!!!』』』
良く見ると、その女性は、ホモ・サピエンス年齢では既に200歳は超えていそうな老婆であった。顔は、皺が隆起物となって垂れ下がり、目も口も皺の谷と区別ができないほどである。腰は曲がり、不思議なことに宙で杖をついて立っていた。
その老婆は、ダイチの黒の双槍十文字をしげしげと見て、黙って何度も頷いた。
ダイチもカミューもルーナも、その宙に浮いた小さな老婆を驚きの眼で見ていた。
「・・・・・」
『『『・・・・・』』』
ダイチたちは、何もなかったかのように歩きだし、楽しげに会話の続きを始めた。
「美しい姿の妖精って、やっぱり花の蜜を吸うのかな」
『わたくしも早く美しい妖精さんに会いたいわ』
『私も会う事が楽しみだ』
『我も1度会ってみたいものだ』
ダイチらは、その宙に浮いた小さな老婆には視線を合わすことなく、通り越して行った。
「待たれい! そこの旅のお方」
ダイチらは、そのまま歩いて行く。
宙に浮く老婆は、胸を張って言う。
「其方たちが、会うのを楽しみにしている美しい妖精が儂じゃ」
『・・・早く妖精さんに会いたいですわ』
「・・・ああ、楽しみだ」
宙に浮く老婆は、鼻から荒い息をぷーっと吐くと、慌ててダイチたちの行く手を遮るように前に立って、もう1度繰り返す。
「其方たちが、会うのを楽しみにしている美しい妖精が儂じゃ」
ダイチたちは歩みを止めた。その視線が宙に浮く老婆に集まる。次の瞬間、ダイチたちは、何も見なかったかの様に美しい妖精の話に盛り上がりながら、また歩き出した。
「おい、こら、お主ら儂を無視しとるな。儂が妖精のティファーじゃ」
ダイチたちは振り返り、その視線が宙に浮く老婆に集まる。
ダイチは、力なく崩れると、両手を地面について、うな垂れた。
「俺の子供の頃の夢が・・・音を立てて崩れていく」
『ダイチ殿、分かります。分かりますとも。わたくしの夢も・・・現実は残酷です』
『・・・主が言っていた美しい妖精とは、この様な姿なのか。人間は、この様なものに憧れをもっているとは。人間とは、不思議な生き物よな』
「くっ、これが妖精の幻術であってほし・・・あ、そうだ。きっと、美しい妖精の幻術に違いない」
『ダイチ、現実逃避は非生産的だ。全てを受け入れるのだ』
「其方の名は、ダイチというのか・・・まあ、良い。里までついて参れ」
妖精のお婆ティファーがそう言った。
枯れた森の中に小さな集落があった。細い糸の様な小川が幾筋も流れ、集落の中心には枯れた巨大な樹木が天高く延びていた。その巨木が妖精たちの城となっていた。
巨木の近くに馬の北斗と雪姫を繋いでだ。
広場まで通されると、集落に住む妖精が集まって来た。どの妖精たちも、ホモ・サピエンス年齢で200歳は超えているかと思える程であった。
「ローレライの森へようおいでくださった」
お婆ティファーが、笑みを浮かべた。
「ここには、詐称・・・いえ、自称妖精のティファーさんとよく似た方たちが多くいますが・・・」
「そうじゃ、ここは妖精の里じゃ。それに儂は、自称ではなく、紛れもない妖精じゃ」
「妖精の里に棲む妖精もみな同じか、・・・一部の望みも潰えた」
ダイチは、微かな希望の光を失い、その肩は項垂れ、死んだ魚の目をしていた。
俺は、お年を召した方には、敬意を払いたいと思っている。しかし、憧れの美の象徴である妖精のイメージが、まるで日焼けし過ぎた肌が水膨れとなり、やがてボロボロと剥がれていく様な現実・・・これは精神に堪えるな・・・と、ダイチは心で呟いた。
隣を見るとルーナも遠い目をしていた。
「ダイチよ。1つ願いがある。このローレライの森を、我らを救ってほしいのだ」
「何かお困りの事でもあるのですか」
「そうじゃ、儂らでは、もうどうする事もできんのじゃ。それは・・・」
お婆ティファーの話では、このローレライの森にダンジョンが、2か月前に突然発生したという事だった。そのダンジョンは、この森の生気を吸い取り、今なお成長を続けている。このままでは、この森はダンジョンによって、死の森へと変わってしまうと言う事であった。
妖精の里から最深部のダンジョンボスを倒すべく、討伐隊を編成して送ったのだが、その討伐隊の妖精たち全てが、ダンジョン規則違反によって途中で退場させられた。その退場者には、1年間のダンジョン侵入禁止がペナルティとして課せられた。
里の妖精も、次々に挑んでいったが、誰一人としてダンジョンボスの待つ最下層へは、到達する事ができなかった。
1年間の侵入禁止のペナルティにより、10ヶ月以内にそのダンジョンへ入場ができる者は、もはやこの里にはいない。そこで、ダンジョンへの侵入の権利を失っていないダイチたちに攻略をお願いしたいと言う事であった。
「退場? 1年間のダンジョン侵入禁止?」
ダイチは、ダンジョンに入った事はなかったが、元の世界のゲームで知るダンジョンとは、随分異なると感じていた。
ダイチらは、ローレライの森の中にあるダンジョン入口まで案内された。
入口には、
「運が良ければ、お宝はダンジョン経営権
Now, let’s challenge the dungeon boss.」
という立て看板が出ていた。
「ここが、ダンジョンの入口じゃ。この看板を信じれば、運が良ければ、お宝からダンジョン経営権を得られる事になる・・・儂らでは、その攻略がままならぬのじゃ」
「ダンジョンボスに挑戦してみろか・・・ボス戦が、ガギになりそうだな」
「その通りじゃ。其方は話が早い。ダンジョンボスの討伐が全てじゃ」
「え?・・・ボスに会った事すらないティファーさんが、なぜ断言できるのですか」
「・・・いや、妖精の勘じゃよ。ふおふぉふぉふぉ・・・ゴホン、儂らが挑んで分かったことは、このダンジョンには何らかの規則があり、その規則を守ることが極めて重要となるということじゃ。では、お願いします」
「え、それだけ・・・」
「ささ、お気にせず、お願いします」
ダイチらは、お婆ティファーの不十分な説明に疑問を感じながらも、とにかくダンジョンに入ってみる事にした。
ダイチは、ダンジョンを守る鉄の扉に手を当てて押すと、キーッと黒板を爪でひっかく様な音がした。
「うわ、不快な音だ。胸から頭に何とも言えない不快感が走る。森と妖精を助けるためとは言え・・・」
ダイチが、肩を竦めながら不快感を露わにした。
ルーナが、拳で壁をコンコンと叩きながら、ダイチに語りかける。
『良いではないですか。民のために行動する。ナギ王国を救ったダイチ殿に、ピッタリの行動ですわ』
『主は、頼まれると断れん性分だからな。まあ、いつもは悩んでばかりで、即決できんのだが、今回の決断は早かったな』
カミューが、鼻で笑った。
「カミュー、何か言ったか。決断も何も、考える間もなくダンジョンに案内されて、突入だ」
『ダイチの思考パターンからして、仮に熟考しても、答えは同じだった可能性が高い』
クローが、思念会話でダイチたちに話しかけた。
「クロー、妖精ティファーさんの話から、このダンジョンの規則は予想できるか」
『このダンジョンは、ダンジョン規則を守らないと退場になり、1年間の入場禁止となること以外は分からない。情報が少な過ぎる。
最優先は、ダンジョン規則を理解する事だ』
『主、そう不安がるな。簡単ではないか。全ての敵や罠を粉砕すれば良いだけだ。
我に任せておけ』
『カミューよ、相変わらず短慮だな。この依頼は、その様に単純なものではない。
目標は、お宝のダンジョン経営権を得る事だ。そのためには、このダンジョンの規則に従って、クリアしていかなければならない。そうでないと退場と1年間の入場禁止だ』
『・・・ぐぬぬ』
「このダンジョンの規則を守って、ボス討伐か・・・そして、お宝を手に入れる。思ったよりも手間がかかりそうだ」
『運が良ければと言う事は、ボスを倒しても、必ずダンジョン経営権を得られるとは限らないと言う事なのですよね』
『ルーナ、そういう事だな』
「そうなると・・・もし、俺たちがクリアできずに入場禁止となかった場合には、エクスティンクションで、このダンジョン自体を消滅させる事も試してみよう」
『それも選択肢の1つだな。だが、ダンジョン周辺の環境破壊を伴う』
「・・・まあ、クリアすれば、このダンジョンの秘密が分かるかもしれない。クリアを目指して進むしかない」
『ダイチ殿、わたくしは、今猛烈に感動しています。このレンガ造りの壁と床、まさにこれぞダンジョン・・・・あぁ、未知のダンジョンに入れるなんて、夢の様ですわ』
ルーナが、壁と床、天井などを見回して、目をキラキラさせていた。
「ルーナは、意外に能天気なのだな・・・あ、ルーナの、いや、皆の頭の上に、6という数字が光っているぞ」
『ダイチ、お前の頭の上にもある』
「え?・・・」
ダイチは、慌てて顔を上げ頭上の数字を見つめた。
「このダンジョン攻略には、この数字が関係していそうだな」
第1層のダンジョン内は、窓もないレンガ造りであったが、不思議と明るかった。ダイチらは、敵と遭遇することなく、ダンジョンの奥へと足を進めた。
「初めてのダンジョン。俺のイメージ通りだな」
『わたくしもワクワクですわ』
『まどろっこしい。主、我に乗れ。最下層まで、ひとっ飛びだ』
「カミューは、ダンジョンの雰囲気を楽しまないのか」
『強力な魔物が出現すれば別だが、これではただの迷路ではないか』
「敵がわんさか出て来るよりは、いいじゃないか。・・・まあ、分かったよ」
ダイチたちは、神龍のカミューの背に乗った。カミューは、ダンジョンの通路をもの凄いスピードで低空飛行して行く。
『ダイチ殿、この先に魔物の群れがいます』
ハーフラビットやドリルマウスといった魔物数十匹が、前方の通路を塞いでいた。
「ついに出たか」
ダイチの眼は前方を睨み、黒の双槍十文字の柄を握る拳に力が入った。
ダイチたちを乗せたカミューは、速度を落とすことなく魔物の群れに向かって行く。魔物たちの群れを、まるでボーリングのピンの如く吹き飛ばした。
「え! ええええー」
『主、雑魚は無視だ』
吹き飛ばされた魔物は、毛皮や牙、角、肉、鉱石などに代わるが、すぐに消えていく。
ダイチは、駆け抜けた通路を振り返り、
「南無阿弥陀仏」
と、手を合わせた。
『ダイチ、ダンジョン内の魔物の生命はすぐに再生される』
「そうなのか。ここでは、命が軽いな・・・」
時折、左右の通路に潜んでいた魔物が追いかけては来ることもあるが、カミューのスピードにはついてこられず、諦めて戻って行く。こんな事を繰り返していた。
「カミュー、止まれ! ストップだ」
『主、どうした』
「皆の頭の数字が5になっている」
『ダイチ殿も5です』
ダイチは頭上の5を確認した。
「さっき、円い看板が壁に掛っていたよな、白くて縁にそって赤い円がついていて、真ん中に青で40とあった。俺の元いた世界では、毎日見ていたものだ。
あれは、道路標識だ。時速40㎞制限を示す標識だ。
カミューの速度がその制限を超え、スピード違反として減点されたに違いない」
『なんだと! 主の元いた世界では、走る速度も自由ではないのか』
「・・・カミュー・・・驚くところが違うぞ。
ここは、このダンジョン内に、かつて俺のいた世界の道交法が適応されている事に驚くべきだろう」
ダイチが、あきれながら言った。
『承知した時速40㎞とは、どの程度の速さか分からんが、減速して進むとしよう』
『ダイチ、カミューの移動速度が落ちると、魔物たちはカミューと接触しても大したダメージを受けず、また、追い着かれてそのまま戦闘となるだろう』
『その対処は、わたくしにお任せを』
ルーナが、白い息を吐きながら微笑んだ。
カミューに乗ったルーナが手を振ると追いかけてくる魔物の群れは瞬時に凍結した。しかし、まだ20匹ほどが追って来ている。
「これは、骨が折れるな」
『ダイチ殿は、わたくしが守りますのでご安心を』
「カミュー、ストップ!」
カミューは、ダイチの叫びで急停止した。
『主、いきなりどうした』
「赤の逆三角形に白字で止まれ、一時停止標識だ。その床に描かれている白の1本線で止まって」
『主、面倒だの』
「つべこべ言わないの、これが規則だ」
ダイチたちを追う魔物が、すぐ後ろまで迫って来た。
「ルーナ、後ろを頼む」
ルーナは後ろから迫る1本の角のあるハーフラビット20匹を瞬時に凍らせた。魔物たちが消えて、皮や牙、角、肉、鉱石などのドロップ品が出てくるがすぐに消えた。ドロップ品には目もくれず、ダイチたちは走り出していた。
「カミュー、徐行だ。歩く程度までスピードを落とせ」
『何! もっと遅くか・・・』
『主、あの四角くて黄色の標識に熊の絵があるぞ』
「熊に注意だ。熊の魔物がいても手を出すな。躱せ」
『わたくしが、熊の魔物の足元を凍らせます』
「ルーナ、それで頼む」
『主、熊の魔物が近づいて来るぞ』
ルーナが右手の指に息を吹きかけると、目の前にいた体長4mの熊の魔物は、両足が氷漬けになった。ダイチらを乗せたカミューが熊の魔物の脇を通過していく。熊の鋭い爪がダイチの頭部を狙う。
「うわー」
ダイチが声を出した。
ふん、とカミューの尾が熊の腕を叩いて、ダイチへの一撃を逸らせた。
「カミュー、助かった」
『世話がやける。あの程度は、自分で躱せ』
「赤に白の横1本、正面の道は侵入禁止だ。左の道を行け」
『ダイチ殿、正面の道の奥には宝箱が見えますよ。あれは開けないのですか。ダンジョンの宝箱には、興味があるのですが・・・まさかですが、ダンジョン経営権のお宝の可能性も・・・』
「ここからは行けない。その先の分岐を右に行ってみよう」
ダイチたちは、左折すると、すぐ右に曲がった。
目の前には、先程の熊の2倍はある体躯をした狂暴そうな大熊が待ち構えていた。
「罠か・・・」
ルーナがふっと吐息を吹きかけると、大熊が頭を残して氷漬けになる。
『死なない様に、凍らせました』
凍った大熊の脇をカミューたちは通過する。大熊は、凍っていない頭でガウガウ吠えているが、何の抵抗もできなかった。
『さっきの宝箱です。開けてもいいですか』
ルーナは、目を輝かせながら宝箱を見つめていた。
「どうぞ」
ルーナが宝箱を開けると、宝箱はルーナに襲いかかろうと口を大きく開けた。
『きゃーーっ!』
宝箱の口から覗く牙は鋭く光り、長い舌を振って威嚇してきた。舌の奥に見える眼玉がルーナを捉えた。
宝箱は、いきなり口を閉じ元の宝箱に擬態した。そして、そろりそろりと壁際まで下がって行くと、何もなかったかの様に動かなくなった。
『これは、びっくり箱だったのですか』
ルーナが、ダイチに真顔で尋ねた。
『ミミックだ。箱を開けたのが神獣雪乙女のルーナだったので、びっくりしたのはミミックの方だったと思うぞ』
クローが説明した。
ルーナが、そのミミックの上蓋に手を掛けて開けようとする。うぐぐっ、とミミックから声が漏れた。ミミックは開かぬように歯を食いしばる。
『このミミックは、開かなくなりましたね』
ルーナが、更に力を入れると、ミミックはプルプルと箱を振るわせて堪えている。
「ルーナ、宝を出すかもしれない。ミミックを潰してみてくれ」
げっ!と、ミミックから声が聞こえた。
『はい』
ルーナが氷魔法を唱えると、巨大な氷塊が飛びミミックを床ごと貫いた。ミミックはそのまま消えた。何も出てこなかった。
「さあ、次だ」




