表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無双したくて異世界転生したらステータス全部1だったので努力で最強になる  作者: 月城リク


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/16

第16話 やる気満々でパーティー登録しに行く

読んでいただきありがとうございます。

ブックマークしていただけると励みになります!

訓練場を出て、街の通りに戻る。


夕方の光が石畳を照らし、昼よりも少し落ち着いた空気が流れていた。


依頼帰りの冒険者たちが、仲間と並んで歩いているのが目に入る。


(……パーティーか)


ハジメはその光景を見て、ふっと息を吐いた。


(いいよな、ああいうの)


(ちゃんと“それっぽい”)


そして横を見る。


リナが普通に歩いている。


(……まあ)


(こっちも一応パーティーなんだけど)


(まだ“それっぽさ”ゼロだな)


「で」


リナが前を見たまま口を開く。


「これからどうするの?」


その一言に、ハジメは少しだけニヤッとした。


(来たな)


「決まってるだろ」


ハジメは少しだけ胸を張る。


「パーティー組んだらまず何する?」


「知らない」


「即答かよ!!」


(まあそうだよな!!)


「いいか、よく聞け」


ハジメはなぜか少し偉そうに言った。


「まずギルドに行く」


「うん」


「パーティー登録をする」


「うん」


(……こいつ、本当に聞いてるか?まいいや)


「それから依頼を受ける!!」


ドヤ顔で言い切る。


「なるほど」


リナは軽く頷いた。


「じゃあ行こう」


「反応薄っ!!」


(もっとこう、感動とかないの!?)


そんなやり取りをしながら、二人はギルドへ向かう。


(よし)


ハジメは内心で気合を入れる。


(ここからが“冒険者っぽい流れ”だ)


やがてギルドに到着する。


扉を開け、中へ入る。


いつもの騒がしさ。


酒の匂いと、笑い声。


(うん、いいなこの感じ)


二人で受付へ向かう。


「すみません」


ハジメが声をかけると、受付の女性が顔を上げた。


「あら、また来たんですね」


「どうも」


軽く会釈する。


そして——


受付の視線が、ハジメの隣へ移る。


「……お連れの方ですか?」


「はい!」


ハジメは少しだけ勢いよく答える。


「さっきパーティー組みました!」


すると受付は、ほんの少しだけ笑った。


「早いですね」


「ですよね!」


(そこは自分でも思ってる)


「では——」


受付が続けようとした瞬間。


「パーティー登録お願いします!!」


ハジメが食い気味に言った。


(決めた!!)


(ここが第一歩だ!!)


だが——


「しない」


横から、リナが即答した。


「……え?」


ハジメが固まる。


「いや、さっき道で説明した時『うん』って言ったじゃん! 登録するって言ったじゃん!」


「……あー」


リナは興味なさげに視線を逸らした。


「ハジメが楽しそうに喋ってたから、適当に相槌打ってただけ」


「聞いてなかったのかよ!!」


(俺のあのドヤ顔解説を返せ!!)


「まだ組んだばっかでしょ」


「いやまあそうだけど!」


「合わなかったら終わりだし」


「現実的すぎる!!」


受付がくすっと笑う。


「確かに、その判断は間違っていませんね」


「ですよね」


「納得すんな!!」


(なんで俺だけ浮いてんだよ)


さっきまでのやる気が一気にしぼむ。


(いやでも)


(確かに言ってることは正しい)


冷静になると、何も言い返せない。


「登録はしないけど、今回はお試しってことで、特例でこの依頼に二人分の名前を載せておきますね」


「そんな事できるんですね…お願いします……」


ハジメは少しだけテンションを下げながら答えた。


(初手で理想崩されたんだが)


「依頼はどうされますか?」


受付が聞く。


ハジメは一瞬考えてから言った。


「ゴブリン討伐で」


「またですか?」


「はい」


(いやまあ、他無理だし)


「さっきやったばっかだけど」


ハジメはリナをちらっと見る。


「二人なら、さっきより楽だろ」


「そうだね」


リナはあっさり頷く。


「じゃあそれで」


(軽いな!!)


受付が手続きを進める。


「はい、受理しました」


「ありがとうございます」


ハジメは項垂れながら書類を受け取った。


背後で酒を飲んでいたベテラン冒険者たちの「振られてやんの」という笑い声が、耳に痛い。


(ギルド到着後10分。パーティー結成の夢、終了)


それでもリナは、当たり前のように隣に出口へ向かおうとしている。


受付嬢は心配そうな顔をしながらハジメに言った。


「気をつけてくださいね」


「…はい。」


「ご武運を!」


(そんな事も言うんだけな。士気はあがらないけど!)


受付嬢に挨拶をした後ギルドを出る。


外の空気は少しだけ冷えていた。


(……よし)


ハジメは軽く息を吐く。


(パーティー登録はできなかったけど)


(依頼は受けた)


隣を見る。


リナはのほほんとした顔で歩いている。


(まあいい)


(まずは一回、ちゃんと成功させる)


「行くか」


「うん」


こうして。


ハジメの初パーティーは——(仮)


理想を一つ折られながらも


またゴブリン討伐へ向かうのだった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

面白いと思っていただけたら、評価やブックマークぜひお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ