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♯88 Heavy Rain 33
パチパチパチパチ……。
どこからともなく聞こえる拍手──
「再会出来た……と言っていいのかな?」
声の主は、4人の頭上に浮いていた。
「でも、雨が降らなかったら……ママ見えてないよね?」
「だから、あなたのママじゃないっていっているでしょ!」
(ま……ママ?! ……艾さん? あいつも“並行世界”からやって来た者なんですか?)
「………………」
やはり、爻の声は艾に届いていないようだ。
「あれぇ? もしかして声も聞こえていないの? それって……本当に逢えたっていうの?」
不敵な笑みを浮かべながら、冷たい視線を送る並行世界の娘。
「ママ? いい? 約束の時間までに、姿を見るか声が聞こえなければ……私の勝ちだからね?」
その言葉を残すと、並行世界の娘は再び姿を消した──
『待てっ! お前のせいでこっちは……くそっ!』




