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#53 バッドエンド回避?
すっかり出来上がった万理華に、恐れおののくハル。
爻はといえば、気配を殺し静かに食事を続けている。
「ボス? もうそのへんにして、そろそろ帰った方が……」
「んあ? そうらなぁ。じゃあ……爻っ!」
「……何?」
「爻はそこのお姫様を送って行きなはい」
驚いたハルはすかさず……。
「ボスっ! それならオレが……」
ハルの言う通り、同じ家に住む2人が一緒に帰れば話は早い……のだが。
「ほれ、いきなはい。サメちゃん、またね。たのひかったよぉ。王子はまは、うまくやんなはいお!」
「なっ! やかましい!」
実の姉という名の輩を背に、爻と艾は店をあとにした──
(万理姉、テーブルマナーにうるさいのに、あれじゃあトータルでマイナスだろ……)
「爻さん……」
「あっ、はい。何ですか?」




