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#35 選書
開店準備を爻に任せ、艾はひとり、子供達への本を選書していた。
「上の方の棚で、届かない本があったら言ってくださいね」
「ありがとうございます。でも、驚きました。爻さんも先生だったなんて」
「いえいえ、教員免許ありませんし、俺の場合、本当に手伝いって感じなので」
嬉しそうに話す爻を見て、艾も嬉しくなる。
準備をしながら、棚を見渡す爻が……。
「……あっ、しかけ絵本なんてどうですかね?」
「それいいですね! きっと、ビックリすると思いますよ!」
2人だけのお店に、朝から楽しげな声が弾む──




