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#34 万理華(まりか)のお仕事
「……実はね? 学校に置く本を、艾さんに選んでもらう為に来たの」
万理華のお仕事は学校の先生なのだが──
「でも、日本語の本で大丈夫なのか?」
海外の子供達に、無償で読み書きや計算を教えている。
「みんなスゴいんだから! 絵本なら日本語の本でも問題なく読めるわよ」
「そうか。あいつら、もうそんなになったのか……」
爻は数年前、万理華の学校を手伝いに行ったことがあるのだ。
「爻さん、外国語話せるんですか?」
爻より先に口を開いたのは万理華だった──
「聞いてよ、サメちゃん! 爻ったらね……」
「ああっ! もうこんな時間だ! 艾さん、行きましょう! 万理姉ごちそうさま! さぁ、行きましょう!」
2人の背中を見送る万理華──
「いい先生だって言おうとしたのに……」




