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#22 照れ隠し
静寂走る夜の公園──
茉莉と爻はベンチに座り、途中買ったペットボトル飲料を飲んでいる。
「次のデートは、爻がプランを考える番だよ。どこ連れて行ってくれるの?」
(そういえば、俺達……交代で行き先決めてたんだよな……)
「言ったら、楽しみ減るぞぉ?」
「ナイショにするから、こっそり……ほら、言ってみ?」
目をキラキラとさせ、プレゼントを渡される前の子供のような笑顔を見せる茉莉。
「ほぉ~、誰にナイショにするんだ?」
茉莉は無言のまま、サムズアップを自分に向けて指している。
「おまえなぁ……ん~……じゃあヒントな? ……たくさんの色があります」
「たくさんの色? ……なんだろうなぁ? 楽しみだなぁ」
(思い出した。そうだった……あの場所、今もあるのかなぁ)
「爻?」
「ん? どうした?」
「……名前……呼びたかっただけ。えへへ」
その姿があまりにかわいかったので、爻は飲み物を一気に飲み干し、照れを隠した──




