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#23 刻一刻
茉莉を家まで送るため、しかし少しでも長く一緒に過ごしたい2人は、ゆっくりと、そして出来るだけ家までの距離が長くなるよう歩いた。
(この道……)
「……爻? 変なこと聞いてもいい?」
「変なこと?」
(…………)
「爻は……私がいなくなったら……さみしい?」
「なんだよ、それ」
「いいから……答えて? ……さみしい?」
真剣な表情で聞く茉莉の圧に押された爻は……。
「考えたくない。想像が出来ないとかじゃなく……考えたくない!」
爻はそう言うと、茉莉を抱き寄せ、こう続けた。
「こぼれるな……この腕から」
(…………)
返事は聞こえなかったが、茉莉は爻の腕の中、一度だけ小さく頷いた──
「……ごめんね……爻」




