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♯98 Heavy Rain 43
艾のもつ知られざる力を継承した爻は……。
「……どういうことですか。艾さん……さよならって」
艾と心が繋がった状態になっていた。
実体化した爻と、半透明になった艾──
「……ごめんなさい。爻さん……私」
その場にいる2人の茉莉も驚きを隠せずにいた。
『……それ……どうしたんだよ?』
「まるで……消えてしまいそうです」
誰もが次の言葉を失いかけた中、爻は目の前で悲しそうに微笑む艾を抱き寄せた。
「……もう失いたくない。絶対に守る……全部守るって言っただろ?」
息が肌にあたる程の距離──
艾は爻の腕をぎゅっと握った。
「……爻」
「……わかってる。俺も同じ気持ちだから。まずはあいつに、俺達の勝ちを宣言しよう。いいね?」