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元の世界に帰るために本探してみた!  作者: 紅葉
第四章  音の調べ
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71話 西の国と魔導書

「それ、多分君等勘違いしてるんじゃないかな。」



クイードが少し首を傾げて言う。



「勘違いってどういうことだ。」

「僕達西の国軍はみんな魔導書を探しているけど、みんな自分のために探しているんだよ。」

「つまり、お前が魔導書見つけてもハニスんとこには行かんのか。」

「そう、ここの魔導書を見つけたら俺の物になるんだから。」

「ザックも自分で使うために探してるってことか。」



ソレイユとテオの魔導書を探す手が一瞬止まる。



「クイードは何叶えるんだ?」

「んー…、具体的に”これ”って言うのが無いんだよね。俺が叶えたいものを、ちゃんと見つけるまで魔導書は使わない。」

「この人本当に魔導書欲しいんですかね?」



ウィルがボソッと言葉をこぼす。

クイードは静かにウィルの方を見つめ、尋ねる。



「ウィルは何か明確に叶えたいものがあるの?」

「俺は…、、教えない。」

「え〜、どうして?」

「俺が叶えたいことは、魔導書がなくても叶えられるからだよ。」

「そうなんだ。」


「ソルやテオは叶えたいもの無いの?」

「俺は特に無いかな、今が一番楽しいし。」

「俺は…。」



テオが考えていると、上の階から大きな音が聞こえ、屋敷が少し揺れる。



「なんだ!?」

「上の階からやな。リン達大丈夫やろか。」

「君たち以外にも誰かいるんだね。」

「俺、見てくる。」

「みんなで行こ、一階はもうほぼ探し尽くしたしな。」

「行きましょう。」



クイードを連れて、ソレイユたちは二階へ上がる。













その頃三階では、ザックとライト、ニーニャが出会っていた。

ライトは歯をギッと食いしばる。



「あなたがザックですか?」

「そうだよ。お前は?」

「僕はニーニャです。あなたも、ここに魔導書を探しに来たんですよね。まっすぐ三階に上がってきましたが、下の階は良かったのですか?」

「一階は前に調べたんだよ。二階は嫌な予感がしたから、まだ見ていないよ。

…君、透視でも使えるの?この部屋から、階段や下の階は見えないけど。」

「あなたのその重い革靴の音でわかりました。もう一人不思議な靴を履いている人がいますね。和製の靴でしょうか。」

「君耳が良いんだね。もっと君のこと聞かせて。」



ザックがトントンとニーニャの方に近づく。

手元に何かが見えた。

俺はフォンシーレの出来事を思い出した。

重い体を動かして、ザックとニーニャの間に俺は入り、ザックを睨む。

ザックは俺の顔を見るとニヤリと笑った。



「どいてもらえるかな、少年。俺はこの猫ちゃんとお話したいんだ。」

「お前がフォンシーレの地下倉庫でソルさんにしたこと、忘れてないから。」

「ふーん。」



ザックは右手で持っていた物を俺の方に突き刺してきた。

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