50話 魔法学生
「魔法使いのランクについて教えてほしいです!」
「あぁ、せやんな。この地域以外から来たんやったら、魔法使いのランクってわからんもんなぁ。」
「じゃあ!ここは俺等が教えてやるよ!」
「私達魔法学校生に任せて!」
ソレイユとリュンヌが交互に話す。
「まず、魔法使いのランクは一から十の星の数によって決まるの!星の数は星型のバッジの数で可視化できるの。」
「バッジは星十の魔法使いから貰えるんだぜ!
ちなみに星十の魔法使いは、ダイヤ、サイモン先生、マーガレット先生だ!」
「マーガレット先生?」
「南の国の魔法学校の校長先生よ。他の二人も学校の先生なんだけどね。」
「やっぱり、ダイヤも先生だったんだ。」
「話は戻って、バッジが欲しかったら、星十の魔法使いが集まっている魔法学校に行くのが一番いいんだよ。
学校以外でバッジをもらうってなると、科学賞とか魔法賞とかすごいのを受賞しないと貰えないんだって。」
「そんな賞があるんだ。」
「まぁ、あの学校入学するのも最終学年まで進級して卒業するのもすっごく難しいんだけどね。」
「ソルもリンもヴァイオレットも入学試験前めっちゃ頑張ってたもんなぁ!」
テオはニッコリ笑って尻尾を振る。
「学校に入学したら進級試験という名のバッジテストがあるんだ。筆記と実技の二つで評価される。
この試験に合格すると、進級できるしバッジも貰えるってわけ!」
「星一から五までは飛び級することができるんだけど、六以上は一ランクずつ上がっていくしかないのよ。」
「そういえば、ソルさん、リンさん、ヴァイオレットさんは星五まで飛び級入学でしたよね。」
「そうなの!?すごいじゃないですか!!」
「それほどでも…あるな!」
ソレイユはギザギザとした歯を光らせる。
「星五の最終テスト合格者は、進級か卒業か選べるの。大体は卒業を選ぶんだけどね。」
「せやんな。星五ランクやったら仕事にも困らんやろうしなぁ。」
「けれども、ヴァイオレットさん含む三人は進級を選んだのは、なぜですか?」
「そりゃ「ダイヤの授業を受けるため!」だろ!」
「星六クラスから魔法薬学、魔法科学、魔法空間学。星七クラスから魔法心理学。」
「星八クラスからは発展魔法空間学、発展超魔法学。星九クラスは光魔法学、闇魔法学。」
「そして、星十クラスは魔法飛行学!星六からたくさんダイヤの授業が受けられて、しかも学年が上がるごとにダイヤの授業の数が増える!」
「それもあるけど、やっぱり空を飛びたいでしょ!」
「俺の中では魔法使いは空を飛ぶものっていうイメージがあったんですけど、箒で飛ぶってそんなに難しいんですか?」
「そりゃもちろん!星十ランクじゃないと自分の箒も貰えないしな!」
「箒って貰う物なんですか。」
「星十クラスの教師が進級時に生徒にプレゼントするのが一般ね。昔は乗ることができなくても、箒を持っている王族や貴族はたくさんいたみたい。」
なるほど、魔法使いのランクと魔法学校にはこんなつながりがあったのか。
ソレイユ、リュンヌ、ヴァイオレットは学校でダイヤから授業を受けているらしいから、魔法のことでわからないことを彼らに聞いてみるのもいいかもしれない。




