↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】厄災王女、千年後に自分の力を知る~戸惑っているので、そんなに甘やかさないでください~  作者: 入魚ひえん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/67

16・思わぬ贅沢(レオル視点)

 ***




 見上げると、夜空に月明りが冴えていた。


 雨風をしのぐため、塔の一階に錬金釜一式を運んだ後、俺はリシアとディノと共にたき火を囲んでいる。


「はい、レオル」


 湯気の立つカップをリシアに差し出されて、俺はそれを受け取る。


 澄んだ琥珀色の液体を一口飲むと、豊かな茶葉の香りと蜂蜜の甘さが溶けるように広がった。


「美味いな」


 友人から王族御用達だと特上品のマジックハーブティーを淹れてもらったこと思い出したが、リシアの錬金釜で作った茶葉となら比較するまでもない。


 間違いなく、こっちだ。


 石の上に腰掛けているディノも、蜂の巣から錬金された黄金色の蜜を落としたマジックハーブティーを飲みながら、うっとりとため息をついていた。


「フォレストオーク、鮮度がいいから臭みもなくて、ただただ美味しすぎたなぁ」


 あの後、錬金釜付属の収納箱に吸い込まれたフォレストオークは「おすすめ解体」で毛皮と肉に切り分けられた後、リシアの錬金術で上品な口当たりのソテーに生まれ変わった。


 聞くとリシアは以前、従姉妹にオークのソテーをごちそうしてもらったらしく、それを思い出しながら錬金釜のおすすめ調合で仕上げたらしい。


 そうして俺たちの元へやって来た、出来立ての厚切り肉のソテーとなったフォレストオークは、食べる前から熱に絡む肉汁の香ばしさを周囲に漂わせていた。


 やはり絶品だった。


 からりと焼けた焦げ目は空腹を刺激する見た目だけではなく、食感が最高に心地良い。


 そのこんがりした感じとは対照的に、噛みしめると旨味がじわっと口の中に溢れて、しっかりとした肉質なのに不思議と柔らかく、岩塩の加減も絶妙だ。


 俺たちは夢中になって平らげてしまうと、今はこうしてハーブティーを楽しんでいる。


 しばらくは携帯用の固焼きパン三昧を覚悟していたのに、リシアとの出会いで思わぬ贅沢が舞い込むこととなった。


 錬金釜に投入して、杖でぐるぐる混ぜているだけにしか見えないのに、見たこともないような最高級品が出てくるんだよな……。


 便利な反面、膨大な魔力消費をしているのは間違いないけれど。


 だから今日リシアが大量に生産していた、彼女の芸術的センス満載な猫?の石像を含め、相当な魔力量を消費していることが気にかかる。


 他にも、付属の収納箱の機能を使ったり維持するために、錬金釜に触れて魔力を補充しているし。


 いくら魔力量の多かった古代人だとしても、あんな使い方をしていたら、魔力が空になってそのうち気絶するんじゃないか?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。