八島
どうも、お久しぶりです。
半分くらい死んでますが、残りの半分で何とか書いてみました…
本が開き、ページが独りでに次々とめくれていく。ページがめくれるごとに光は強くなり、禍々しさも増していった。
「水月、こいつはあたしでも制御出来ない奴だから、いざとなっても助けられないよ」
「何が出てくるんだよ…」
「今に分かるさ。その刀は預かっとくよ。紅雪しか使わないだろうし。」
レイナは僕の答えも聞かずに鴉を抜き取った。
「じゃ、死ぬんじゃないよ。」
そう言い残すと、賢者は転移魔法でさっさと退散していった。
「最後に不安になるようなことを言うなよな…」
そうこうしている内にページはすべてめくられ、強い光が辺りに広がった。あまりの強さに僕も目をつぶってしまう。何か強大な気配を感じたその瞬間、僕は何者かに突き飛ばされた。
「っぐぅッ…」
予想外の威力に、抵抗も出来ずに壁に叩きつけられる。僕は壁を背にして座り込んだ。そこでようやく相手を確認できた。人形の黒い奴だ。丁度、某探偵漫画の犯人役を凶暴にしたような感じで、目が無く、爪が長い。理性なんてものは持ち合わせていないようで、僕めがけて一直線に走ってくる。
「初っぱなから物騒にも程があるだろ。」
黒いそいつは直ぐに距離を詰めると、その鋭い爪を降り下ろしてきた。僕が突き飛ばされてから二秒もたっていない。
ガキィィィンッ!
「紅雪」
僕は座ったまま腕を振り、金陣を展開した。黒い奴が何度も金陣をひっかいているうちに立ち上がり、紅雪を呼び出した。相変わらずの冷気と妖気に、浮き足だった心が少し落ち着く。
パリンッ
儚い音をたてて金陣が砕け散った。僕は初太刀を食らわすべく、居合いの構えを取る。
黒い奴が突撃してきた。抜き打ちに紅雪を振るうも、間一髪で避けられてしまう。
一瞬で横に回られ、蹴りを受ける。
「くっ」
今度は間一髪で紅雪で防いだ。お返しに一閃見舞う。黒い奴は爪を交差させて防いだ。僕は更に力を込め、紅雪を押し込む。黒い奴の爪はだんだんに凍ってゆく。しかし、体に氷が及ぶ前に黒い奴は後ろに跳んで逃げた。そして着地と同時に踏み込んでくる。僕もそれに応じ、紅雪を振るう。何度も紅雪と爪がぶつかり、氷片が飛び散った。床も凍っている。
何十合目かで、黒い奴の体に刃が当たったような手応えがあった。更に踏み込み、追い討ちをかけようとすると、黒い奴は爪を振り、こちらを牽制しながら距離をとった。
黒い奴を見ると、腹の辺りから赤い血を流していた。まずは順調か、僕は苦笑する。もう大分蹴りを食らってしまったな。
ザシュッ
妙に胸が温かいのに気付いて見下ろすと、血が吹き出していた。いつの間に…。食らったのは蹴りだけじゃなかったか。いよいよ不味い。黒い奴より僕の傷の方が深そうだ。
そろそろ「修羅化」を発動しようかと考えたとき、一つの考えが浮かんだ。記憶の端に手が触れたような気がした。
「降雪」
紅雪の「氷雪」の能力を使い、雪を降らせる。雪は僕の姿を隠すように降り、白の中に黒い奴の姿を浮かび上がらせた。僕は気配を薄める。紅雪を鞘に納めると、静かに加速した。黒い奴が間合いに入った瞬間、僕は紅雪に身を任せ、刃を走らせた。
ザシュッ
手応えがあり、黒い奴の腹から血が吹き出た。赤い雪が顔にかかる。僕は危険を感じ、後ろに下がった。
目の前を爪が通りすぎる。だんだん雪の勢いは弱まり、ハッキリと黒い奴の姿が見えてきた。黒い奴は腹から血を流しているが、傷は塞がりかけている。僕は顔にかかった赤い雪を袖で払った。
「やっと思い出したよ。」
そう呟いて僕は黒い奴との距離を詰めた。
見える!相手がどう避けるか、どう反撃するか。僕はあっさり腕を切り落とすと反撃を軽くいなし、後ろに跳んだ。黒い奴は走り回り始める。何かと思ってみると、腕が新しく生えてきていた。完全に生えると、僕に向かって走ってきた。
紅雪は相変わらず僕の体を乗っ取ろうとしている。僕は体の力を抜き、7割を紅雪に預けた。
「懐かしいね。ー八島」
ふらりと体が動き、黒い奴の攻撃を楽に避ける。ぐっと踏み込み、黒い奴の背後に回ると片手で持った紅雪で斬りあげた。返り血を浴びる間もなく移動し、攻撃を避ける。最後にがら空きの首筋に紅雪を一閃した。切り口から血が吹き出し、凍った。
後先考えず書き始めましたが、なんとかこの先の展開にも目処がたってきました。それに関連して一悟(悟なのか吾なのかあやふや)の名前を変えようかと思います。また告知しますが、通吾にしようかなぁと思ってます。




