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馬車の中で

長らく間を開けてしまい、済みません。

これから忙しくなり、投稿ペースが遅くなりますが、どうか気長にお待ちくだるようお願いします。



一条と別れた後、僕は暇をもて余していた。とくにすることのない馬車の中は退屈きわまりない。なんとなく腰の鴉に手が触れたので、手入れをしようと鞘から抜いた。黒い刀身が現れる。


「し、師匠、その刀!」

「ん?これ?」


紅蓮亭ってところで作ってもらったんだ。そう言おうとして、はっと気付き、口を閉じた。


「それってスイゲツが使ってた奴だよな!何で師匠が持ってんだ?」


そうだった。トーマはこの場で唯一僕がスイゲツだということを知らない。


「こ、これはスイゲツにモラッタンダヨ。」


僕は苦し紛れにそう言った。エヴァンも察してくれて、助け船を出してくれる。


「そうだね、なんかミヅキが活躍したからあげるって言ってたよ」

「へぇーすっげえー!」


何とか誤魔化せそうでほっとしていると、馬車の隅で一悟と森山と白沢が手招きをしていた。エヴァンにトーマの相手を頼み、そちらに行った。


「弟子にまで隠さなくてもいいんじゃねえか?」


真面目半分、笑い半分と言った表情で一悟が言った。


「そうはいってもねえ」

「話しちゃえば?」

「そうよ、隠し事は良くないわよ」

「全く、他人事だと思って…」


でもまあ、話してもいいのかもしれない。

僕がスイゲツだと言うことは話すことにした。伝説の勇者ってことは言わなくてもいいだろう。

そこでふと気づく。何だかんだで結構話してるよな、僕。



「師匠すっげえー!」


僕がスイゲツだと言うことを話してから、トーマはそれしか言っていない。無邪気な尊敬の眼差しが突き刺さっているのがわかる。


「すっげえついでに何かすっげえこと教えてくれよ!」


急に図々しくなったな。


「トーマ、凄えことってなんだ?」

「え?ほら、なんか必殺技とか?」

「ふわっとし過ぎだろ」

「じゃあよ、気配関連で色々教えてくれよ」


突然となりに座っていた一悟が身を乗り出してきた。

そう言えば一悟とそんな約束をしていたな。と思い出す。


「分かった。じゃあ簡単な気配感知から教えよう。」


猿でも分かる気配講座、開講です。


「まあ、最終目標としては寝ているときに暗殺者が来ても無意識のうちに殺せるようになる、かな?」

「え?師匠、それ気配感知とかの話じゃねーんだけど!」

「そうだよ!しかも嫌に具体的なんだよ!」


実際僕は、朝起きたら部屋に死体が…なんてことが何回かあった。


「……大丈夫、その内出来る」

「「………。」」

「…よし!じゃあまずは殺気を感知出来るようになろう!」

「急に簡単になったな。」

「そうでもないよ?ちょっと試してみようか」


僕は二人に目隠しをさせた。


「じゃあこれが、殺気を意図的に発した場合。」


そう言って短剣を振る。本気で殺気を出したらふたりは動けなくなるだろうから、もちろん手加減している。


「うおッ!」

「わッ!」


二人は後ろに仰け反って避けた。


「これは簡単だろ?」

「ああ」

「当然だ。気付かせているんだから。では次、意図的に発していないが、隠してもいない場合。」


僕は再び短剣を振った。


「なッ!」

「え?」


一悟は少し反応できたが、トーマは全く動けなかったので短剣を直前で止めた。


「どう?難しいでしょう?更に殺気を消された場合、なにもできないこと請け合いだ。」

「まじか…」

「全然わかんねよ師匠」

「まあまあ、なれれば出来るさ。」


そのあとも二人は練習を繰り返した。


恐らく後で加筆するかと

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