強力な協力者
やっと更新出来ました。これも全部決算がいけないんや!!
「いらっしゃいませー。シュレイ様!見てましたよ冒険者ギルドでの大乱闘......あのままいけば圧勝でしたねー。」
「そ、そうよね!ありがとう。とりあえず『静かな』席にいいかしら。」
「は!まさか、わたしと猥だーーーいっっったぁぁぁぁぁ。」
「お客様ウチの者が失礼を、こちらにご案内させていただきます。」
入り口から現れたシュレイを見つけた小柄な少女が他のお客さんの迷惑を考えず、こちらに走ってきた。
いきなりの事にシュレイも慌てたが、誉められると悪い気がしなかった。
そして、後ろから現れたフロアリーダーの人族の女性がはしゃいでいた小人族の少女に拳骨をお見舞いして、構わず私についてこいという。悶える小人族の少女が無視されたことで、羊の獣人女性の胸元にダイブしていじけていた。
羊の獣人女性は脅威的なモノ顔を埋める小人族の少女を「あらあら」と言い、困ったようにしていた。
なんという......カオスなレストラン。
そう、シュレイは思った。
冒険者ギルドの正面に店を構えるこの町自慢のレストランにシュレイ達は入っていた。
「こちらになります。注文の際にはこの呼び鈴を鳴らしてください。あと、この場は結界魔法が張られていますので声が外に漏れることは御座いませんので......それではごゆるりと。」
シュレイが指定した『静か』という意味を人族の少女は理解していたみたいだ。
ありがとうと言い、退出して貰った。
「さて、早速だけど、本題に入ろうかしらね。」
そう言ってシュレイは椅子に腰掛け、対面と両脇に相手が座るのを待った。
「......なぁ、あんたは、俺のこと変に思わねーんだな......」
苦笑いをしつつ、椅子を引く40歳くらいの男性に言った。
「ああ、あんたがこの町きっての鬼畜外道ロリコン野郎ってヤツのこと?」
椅子に座ろうとしてずるっと滑る男性は目に涙を浮かべ叫びだした。
「ち、ちげーからな!俺が奴隷にしたわけじゃねーからな!!そしてロリコンじゃなくて俺はエレスのような長身の......」
最後の方は聞き取れなかったが、現実問題、40の細マッチョのおっさんのそばに小柄な機械人の奴隷がいれば......さらに、なつかれちゃってるし。
「弁解のしようがないでしょうに......それじゃあ。」
「うっ」
ジト目で指し示す先にいるのは、二人の少女に両サイドから服の端を捕まれているおっさん。
おっさんは少し思う所があるのか、息を詰まらせた。
「まあ、いいから、早く座ってくれない?私だって用事があるのよ。」
いまだに立っているおっさんは慌てて座って、少女達も両サイドに座らせていた。
「いや、わるい!本当に大事な用なんだよ。その、なるべく早く終わらせたいが、そっちの用事は時間が迫ってるのか?」
申し訳なさそうにいうおっさんの声に、シュレイは自信満々で答えた。
「ええ、迫っているわ!一秒でも置いてきたあの子が心配で仕方がないのよ!」
「そ、そうか......契約者か?」
「ちっちっち、娘よ!」
「......いや、うそだろ。」
「なんでよ!?」
自信満々に、いや、自慢したいがため盛大に言ったのに、この反応!
テーブルをバンバン叩くシュレイにジト眼を向けるおっさん。
こんなことをしてるより、早く用件を終わらせて、アンに会いにいこう。
そう決意したシュレイは、ふと、あることに気づいた。
「ねぇ.....名前なんだっけ?」
首を傾げ、目の前のおっさんを見つめると、おっさんの頭に怒りマークが幻視できた。
「おい、あった瞬間いーーー。」
おっさんの声に重なるようにしてシュレイの耳にノイズが走った。
「ん?」
「いや、きいてんのかよ!おっさん自分で言うのもなんだけど、結構ハートブレイク気味だからね!?」
「ちょっと、黙って。」
シュン、とするおっさんを他所に、シュレイは真剣にノイズの正体を探る。
段々と明確に聞こえてくる声?のようなもの。
シュレイは、昔習得した技術を応用して、魔力振動・空気波動・心意生動など、色々と聞き方を変えた結果。
悪魔・天使が使う感情波動にて声を聞き取ることができた。
その声は、幼い少女のような声で、物凄く怒っていた。
そして、その声は二つ。
『ワーズ様を無視しないで!チンチクリンノ癖に!』
『お前もロリじゃんか!!ばーかばーか!』
......いま、聞こえたのは幻聴よね?
そう思うことにしてワーズ?と呼ばれるおっさんの隣の無表情のマキナ二人を見比べる。
いや、あり得ないでしょ?マキナは結構形式に乗っ取った会話......というかしゃべり方が固かった気がするけど、いまのは明らか、人間ぽい......じゃあ、誰なのかしら。
と再び耳を澄ましつつ話しかけた。
「あんた達は私の前にいるマキナ?」
そう聞くと驚いたような声が聞こえた。
ただ、シュレイが発した声はワーズにも聞こえているが、マキナの声を聞けるのか?と驚愕の表情のまま固まったまま、息を飲んでいた。
もしかしたら用件はこれのことかもしれないとシュレイは思ってきた。
『な、なんで?聞こえるの!?ほんとに聞こえるの!!』
『ご、ごめんなさい!悪く言ったのは謝ります!だから、私たちの声をワーズ様に......』
うん、なんかあれよね?私が通訳になれと?
ふっ、いやよ?バカなの?私はアン以外正直どうでもいいし、てかそれぐらい自分で何とかしなさいよ、ハッキングとか、コード解析とかさ。
言わないけどね。
シュレイの内心は面倒事は御免だってことだろう。
故に、シュレイが出した結論は......
「アンタ達自分で会話しなさいよ!通訳なんか御免だわ......エルシュ!これハッキングしてぶち壊して。」
シュレイが少女達の首元を指差し告げると、その部屋に声が響いた。
『承認。タイプT-REEWのオーパーツと認識、コードは1万桁.......解析開始します。』
「エルシュ?どのくらい掛かりそう?」
結構古いタイプでシュレイはT-REEWのオーパーツシリーズを知っている。
これはシュレイが魔皇になって300年が過ぎた頃、南大陸で最大規模の魔王軍を統べる魔王が作り出した負の遺産だ。
この魔王も異世界から召喚されたらしく、持ち込んでいたアイテムがこの世界にないものだった、つまりこれが負の遺産と呼ばれるものだ。
しばらくして魔王が勇者に討伐されて、所持アイテムの全てが放出されたというわけだ。
その、摩訶不思議アイテムは良いことずくめではなく、死者さえ甦らせる液体のビンがあったら、逆に掛けただけで即死させる特殊な液体のビンがあり、さらに時を巻き戻す懐中時計もあれば、相手を隷属させる首輪なんてものもある。
つまり、今回この首輪の複製品だろう。
因みにシュレイの手元にはひとつだけ、『あるアイテム』がある。
T-REEWについて考えていたら、どうやら終わったみたいだ。
『報告。解析終了しました強制解除しますか?』
「な!?」
「いいわ、してちょうだい。」
驚くワーズを無視しして、どんどんと進めるエルシュとシュレイ。
しばらくして、首のチョーカーのあった場所に恐る恐る手を当てる二人の少女がいた。
目に涙を浮かべていた。
ワーズは号泣していた.......理由がわからずに引いてしまったのは内緒だ。
「ワーズ様、あのときはありがとうございます。」
「ありがとう、ワーズ。」
「お、おまえら......ごめんな?俺の力がもっとあれば、他の連中も......」
「そんな!あ......」
「あ、う......」
二人を抱き締めるワーズとワーズに抱き締められつつ、抱き締め返す二人。
そんな光景を微笑ましい目で......いや、ジト目で見つめるのは首輪を外した張本人のシュレイだ。
何かを閃いた顔、悪巧みの顔をしてワーズに話しかけた。
「いや、さっき感謝されたのはいいんだけど、あの子ら猫被りすぎじゃないの?ちょっとワーズ!その子らさっきね?」
ニコニコとしてワーズに話し掛けるシュレイの姿に抱き付きをやめて焦る二人のマキナ。
「ん?ああ、ありがとな、お前も......でこいつらがなんだ?」
「その子らさっき私にね?チン「「シュレイ様ありがとうございました!!このご恩は作戦の時必ず返します。」」でね?あれちょっ話はまだ終わってないでしょ?【テレポート】するんじゃない!!」
こちらを涙目で睨み付ける少女に、あっかんべーをする少女。
その子らに抱きつかれつつ、訳がわからないまま転送されていったワーズ。
一人レストランに残されたシュレイはため息をつきつつ、呼び鈴をならした。
「なによ、ちゃんと良い表情作れるじゃない。」
シュレイは口許を緩めつつ、店員が来るまで、この空間でのんびりくつろぐことにした。
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最後に料理を注文しようとしたらーーー。
「お待たせしました!!シュレイ様、私ですか?私ですよね?私......いっきまーす。」
「チェンジで!!チェンジよ!そりゃぁチェンジしかないでしょ!!」
抱きつこうとする小柄な店員を迎撃しつつフロアリーダーに助けを求めた。
アン、今何してるのかしらね。
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場所:???
『やっちゃいましたね......どうします?』
「提案。アンがヤれと言ったからという言い訳でどうでしょうか?」
『私のせいじゃないよ!?そんな高枝切りバサミしらないから!!』
『同情。怒られるのはアンに決定しました。』
「なんでよ!!」




