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魔法想花の小さな庭園  作者: 流水一
4章ー半精霊化ーフルエンク攻略
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悪魔さんは容赦がない

場所は小人族の町の冒険者ギルド地下特設訓練所。

向かい合う二人を見つめる観客は天使のコーラルさんのみでした。

地下というのに膨大な広さ。

奥行きは300mくらいありそうですけど、見えないんでなんとも......もしかしたらそれ以上あるかもしれませんね。

驚くべきことに、ここって天井も物凄い高くって手を翳し見上げるほどありました。

しかし、おかしいですよね、私がここに入ってきたときはそんなに階段を降りた気がしませんでした。降りても階層が2回分くらいだった気がしますが、空間の拡張でもしたのでしょう。魔法は本当にすごいですね....


まぁ、それはそれとして、今現在私の正面に向かい合う試験管が悪魔さんなんですけど......

説明では、冒険者ギルドに属する会員の上位ランカーが相手をしてくれるって話だった気がーーー。


「それでは始めましょうか......お嬢ちゃん?なにか気になることでもあるのかしら。」


少し離れた所に立つ悪魔さんは受付嬢をしていたときと同じ......その、あれな?服......身体の線がクッキリ見える扇情的な服を着ていました。

私が話しかけられたときテンパってしまったのも一重に悪魔さんのせいもあると思うのです。

だって、その目のやり場に困ると言うか......この世界に来てから初めてそういう服を着てる人を見たと言いますか......

私は、不思議な顔をする悪魔さんから視線を外し、遠くの観戦席に座るコーラルさんをみました。

コーラルさんは翼を縮小化させてゆったりとした身体を包み込む聖職者が着るような法衣を着ています。

うん、なんか悪魔さんと天使さんで対極みたいな服を着ているところを見てしまうとほっこりするのはなんででしょうか......

余裕ができてきたので、少し状況を整理したいと思います。


「悪魔さんは言いました、試験管は上級ランク持ちだと.......」


「なにかしら、言葉の端々にトゲを感じるわね。」


「で、ですね.....まさか悪魔さんは物凄く強い人ですか?」


悪魔さんは頬を指で掻きつつ、直球ね......と言いました。


「そうね、一応上位陣に入るけど、本当に聞きたいことは、なんで相手なのか?というところかしら?」


コクコクと縦に首を振ります。


「本来の私の職場はコンクレント第三層域にある魔族特区でのギルド特設テントの受け付け兼サポートなんだけど、今フルエンクが攻めてきて小人族の町に避難したのよ。そして避難先に溢れる膨大な人達、さらに追い討ちをかけるようにフルエンクからここに留まれば殺すという最終通告よ?それで遠くに身を隠そうと大移動を各町でしたわけだけど、移動の際に魔獣や刺客に襲われたらヤバイでしょ。」


「はぁ、そうですね。でもこの町にも移動せずに残ってる種族がいますけど......小人達は自分達の住んでいるところだから何となくはわかりますが、それは?」


話がずれていく気がしないでもないが、とりあえずは聞きたいことも出来たので聞いておきます。

私の問いに悪魔さんは何でもないことのようにサラッと流しました。


「ああ、それはあれよ、殺れるもんならヤってみろやっていう連中だと思うわ、まぁ、それで冒険者ギルドに属するパーティーに護衛の任が出るわけ、で、この町に勤めるギルドの職員だけでは手が足りないから、私がこうやって働いているの。」


へーそうなんですね.....で?


「護衛にはリストリア?みたいなパーティーが行くんですか?」


私が何気なく言ったことに悪魔さんの片眉がピクリと動いた気がしました。


「そのくらいの実力があれば町の護衛かフルエンクの攻略に回されるわ。それより、Aランクパーティーのリストリアを何で知っているのかしら?」


Aランクパーティー......

先程悪魔さんに説明されたことによれば、ギルドのランクはA~Gまでの7段階のようです。

ええ、そうですね、私は見習いのHですよ。

そして強さを簡単に表すとこうなっているみたいですね。


AランクーB級魔精・B級魔獣を単独で撃破可能(最低条件)。

BランクーC級魔精・B級魔獣を単独で撃破可能。

CランクーD級魔精・C級魔獣を単独で撃破可能。

DランクーD級魔獣を単独で撃破可能。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

EランクーD級魔獣を撃退できる。

FランクーD級魔獣に遭遇しても逃げ切ることができる。

GランクーD級魔獣に遭遇したら運が良ければ生き残れる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Hランクー多種族の一桁台の子供にすら負ける。


そう説明されたとき私は切れそうになりましたけど、コーラルさんと悪魔さんが進めない訳を知りました。

いや、でもですよ、はじめは誰でも下からですよね?

そうですよ!例え300m全力で走ったらMPがなくなる私でもきっとそう。

てか、私より強いわけ?子供の癖に、信じられないわ!!


まぁ、これは個人の強さな訳で、パーティーになると、違うみたいですね。

ランクの評価は変わりませんが、最大メンバーは8人までのようです。

パーティーを組めるランク制限はないらしく、Aの人とCの人が同じパーティーを組むことも可能だとか。

強い人同士で組んでもCランクにしかなれないこともあるようで、相性が大事なようです。

また、Aランクパーティーになると大陸でも有名なことらしく。

さらにAランクのパーティーは南大陸サーセルブで3組しかいないみたいです。


さて、私も初めて知りました、Aランクパーティー......リストリア。

獣人の猫型(フェル・キャット)のミャオ・チャトレさんとマンドラゴラのフリードさん......

そんな有名人だったとは......でも、私には襲い来る黒い炎から逃げる姿しか浮かびませんでしたけど......そんなに強いの?


「えっと、詳しく話すと長くなりますが......生まれた瞬間に隣にいたのがフリードさんで、私の首をさばこうとしたのがみゃおさんです。」


「ピンポイント過ぎて、わ、わからないわ......でも、そうなの。」


悪魔さんは困惑の表情をしていましたが、悪魔さんの視線が私の後ろの観客席で手元に開いていた本を落とし立ち上がったコーラルさんに向いていたことに気づきませんでした。


そして悪魔さんがしたり顔で言います。


「時間稼ぎは出来たのかしらね?何を待っていたのか知らないけど......お嬢ちゃん。」


「.......」


ニヤリと口を歪める悪魔さん。

私はゴクリと喉をならします。

確かに私はもう避けられない戦いに向けて出来るだけMPを回復させようとじっと動かずに話をしていました。

だって、リーダに表示された悪魔さんのステータスの記入が......


Name:リリエス・ヴァン・メイロード

種族:魔族の悪魔(デビル)

特性:【魔素吸収(マナ・ドレイン)】......周りに存在する微量の魔素を自分のMPに変えることが出来て、なお、余剰魔力の循環吸収し消費を抑える効果。

備考:魔皇に仕えていた悪魔公爵の一人娘。血統能力の継承済

STR(力強さ):C

V I T (頑丈さ):D

I N T (魔法適正):B

W I L (魔法・状態異常の抵抗力):B

E X(特殊能力):A


てなっていました。

魔皇ってシュレイさんか!?

ゲーム的にいうと特殊だよりの持久戦タイプかな?

私超不利なんですけど!?

まぁ、私に勝てる見込みないんですけどね。

だってこれですし、


STR:F

V I T:D

I N T:C

W I L:C

E X :ー


これ無理ですし!


いや、どっかの先生も言っています。

試合はホイッスルがなるまでだって......


さっきの情報で特性がわかったことは大きいですね。


ではーーーーーーーー、


私の雰囲気を感じ取ったのか悪魔さんは怪しく目を光らせました。


「そう、やりましょうか、お嬢ちゃん。あなたの実力を見せて貰いましょうか......」

(リストリアの猫又の攻撃をかわしきった実力を.....)


ぼそっと呟いた声は聞こえませんでしたけど、やるなら全力で!今の私は【重ね掛け】も【精神安定】もないからこれが初の戦闘になりますし、実戦じゃなくてある意味よかったでしょうね。


「では、お願いします!!」


悪魔さんに礼をしてから距離をとりました。


すると悪魔さんは、何かを思い付いた顔をして声を掛けてきました。

その声は少しばかり弾んでいる気がしました。


「ああ、最初の質問に答えていなかったわね、私がお嬢ちゃんと戦う理由だけど......」


「......なんです?」


そういえばと思い先を促しました。

するとすぐ後ろにいつの間にか回り込まれていて、


「っ!」


「お嬢ちゃん......貴女私のときおり混ぜた殺気を感じていない雰囲気だったけど、どうしてかしら気になってね。実力を見ようってネ!!」


後ろに回り込んまれたあと、私はその場を飛び退きましたが攻撃が来ることはなく、代わりに悪魔さんの赤黒い角捻れた2本の角の間にこれまた、電撃のような現象をみせる真っ赤な魔力の塊が形成されていました。

これは、本能的にヤバイと感じ地面に潜り緊急回避を行います。


私がいると思われる場所に向かって細く絞られた収束粒子砲が地面を撫でるように打ち込まれ大爆発を起こしました。

あれですよ、巨神兵がうつ口からの光線に似ていました。


私は、相手の認識を最初から格上に設定して避けていたので、被害はありませんでしたけど、振動が凄いこと凄いこと。

地面から顔を出し、視線を向けると光線の後をなぞるようなクレーターが出来ていました。


「いや、これ、命のやり取りじゃないですよね?違いますよね?あ~れ?」


ガタガタ震えながら私は愚痴を言っていました。











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