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魔法想花の小さな庭園  作者: 流水一
3章ー発芽21日目~40日目ー動きだす都市
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少年の願い

仕事が忙しくなるので更新はまばらになります。

え?常にまばらだったって?

さ、さらにまばらに......

シュレイさんは五月さんに向かって歩いていく。

五月さんはじりじりと後ろに下がっていった。

五月さんから見れば突然現れ、刹那さんを平然と分解した人物という認識だろう。

そして本能的にさっきの落雷も人為的な物でシュレイさんがやったと当たりをつけたのではないかと思う。


シュレイさんが少し近づくと、五月さんは少し離れる。

そんなイタチごっこが始まりそうなとき、シュレイさんは珍しくイラッとした顔をしていた。

その表情は六花を見ている表情に似ていた。

というか、シュレイさん六花のこと嫌いなのかな。


「......なんで離れんのよ!私は動くだけで命削ってんのよ!?」


「あ、あなたは義姉さんを殺したのに!近づくなんて!!」


そういう五月さんに、呆れた顔をするシュレイさん。


「何いってんの?あんたが止めを刺したんじゃない。」


「ち、ちがう、私は......仇を討とうと。」


「旦那の敵かしら?良かったわね仇がとれて、これで分家だった星光家が宗家になり、家を脅かす驚異は排除された。めでたしめで「やめて!やめておねがいだから!」......」


シュレイさんがその場でしゃがみこみ嫌々をする五月さんの目の前まで行き、溜め息と共に言う。


「じゃぁ、ちゃんとして振る舞いなさいよ。あの子は貴女に何を望んだの?」


ビクリとして身体を揺らす五月さん。


「ーーー。義姉さんの子供......任せたって。」


「分かっているのならやることがあるでしょうに。」


五月さんはそういうシュレイさんに懐疑的な視線を送る。


「なんで、義姉さんを、ぶんか、いしたの?」


五月さんはその光景を思い出したのか涙を流しながら言った。

対するシュレイさんは鼻で笑った。


「ふっ、私の親友の尊厳を守るために決まっているでしょう?アンタ達がやって来たことを見ていれば、本当は屋敷の全員も守ってあげたかったけど、気付くのが少し遅くてね......だから、他の誰かに見られる前に還したまでよ。」


「そ、それは!」


「私のせいじゃないって?アンタも星光の一員でしょう?ああ、ごめんなさい、『当主』になったんだっけ?」


唇を噛み締めて握りこぶしを握る五月さん。

でも、私はシュレイさんと気持ちは一緒だ。

こんな現場誰にも見られない方がいい。

家族が無惨にも......

あんな、死んだ後でさえ.....なかに......

止めよう。はきそうになる。


私が記憶をフラッシュバックしている間にシュレイさんはコレでもか!と言うくらい五月さんを罵倒していた。


「責任を持って育てるって?あの子を?こんなことがあって信じると思うの?しかも、母親を殺した人が育てるとかどうなの?」


「っ、で、でも!頼まれたもん!義姉さんの約束を私は!!」


どうみても八つ当たりですシュレイさん。シュレイさんも悲しいんだ......自分がもっと早く気づけばとか、忠告していればとか、考えていそうだ。五月さんも喋りが素になってきた気がする。五月さん見た目通りに喋るからね。


そんなこんなをしていると、シュレイさんの後ろの空間が歪み、そこから黄緑の髪をポニーテールにした両目に光彩がない見た目18歳くらいで170cmくらいの長身をもつ女性が現れた。

女性は周りにニッコリと微笑みシュレイさんに言った。


「半径20km圏内には敵性反応発見できません。よって彼らをこの町から排除の完了を進言致します。」


「助かったわ......エルシュ。」


「いえ、何も問題はありません。ただ......」


「ただ?」


そう首を傾げるシュレイさんに事務的に答えるエルシュ。


「少女がーーー。にわたしたーーー。毒ーscvfvfvds」


驚愕の顔をするシュレイさんに後ろで呆気にとられる五月さん。

シュレイさんは五月さんに手を翳し、【想天花(赤/青/緑)】の『原色のトリニティ』を使い昏倒させてからこの場を消えた。

その後続くようにエルシュさんもいなくなった。

わたしは視界を少年に移そうとしたけど何故か写せず、景色がセピア色になりその後、真っ黒な空間に吐き出されてしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。


私は始め気づかずに少年に何が起こったのか考えていたが.........

ん?いま毒って......

あれ?なんかまた、周りが.......

そう思い周りを見回すと真っ黒な空間に私はいた。

私の手に視線を送るけどこの距離でも見えないほどに暗かった。

不安が募り声を漏らす。


「え、あの......ヤッホーなんてね。」


この空間は声は響かないようだ。

私の声に応じる存在は見当たらない。

いや、視界には光源すら写らない。

数秒したときーーー。


『やぁ、始めまして。』


「ッ、誰です!ここは私とシュレイさんだけの空間ですよ!?」


『違うし!ちいねえちゃんおれのことも含めてよ!』


叫ぶ私に8歳くらいの少年の声が応じる。

私が『ちい』ねえちゃんだと!?

あの少年の声だった。


「え?じゃあ、あの少年ですか?」


『『アノショウネン』って分かんないけど、おれはねえちゃんに封印された記憶の欠片だよ。』


記憶の欠片?私の中の、少年の心の欠片......


「っ!あ、あのごめんなさい。私は、」


『いいって、ねえちゃんにはおれのこと内緒な!ねえちゃん残留思念として残ってるって知ったらまた悲しみそうだからな。だってねえちゃん達泣き虫だし。』


そういう声は懐かしむような、思い出して楽しんでいるような。


「私は泣き虫じゃありません!」


『ちいねえちゃん......意外に強情だな!涙流れてるのにな!はははっ。』


見えてるの!?


「ところでここはどこですか?」


『ん?ああ、ちいねえちゃんにお願いがあって俺の力で止めた世界。ザ・ワール「わかりました。言わなくていいです危ない気がします。」......なんでだ?』


首を傾げる少年の姿を頭に思い浮かべてしまった。

しかし、この空間は相手の姿も見えないとは......

【想天花】の代償でしょうか......

少年は思い出したように言います。


『あ!ごめん、ちいねえちゃんに俺の姿が見えないのは、ちいねいちゃんの元となる成長した俺が持って行ってしまったからだと思う。』


「持っていったってどういうことです?」


そう聞く私に唸りながら答えた。


『えっとね、ねえちゃんが過去に引きずられないように忌み嫌われてきた当時の俺の記憶と忌まわしい出来事のすべてと憎悪という感情を持って成仏したっぽいよ。』


「でも、こうして貴方の記憶を見てますけど?」


ちっちっちっ、そういって指を左右に振っていそうな気配。


『ちいねえちゃん......最後の日以外、誰視点で見てた?』


え?シュレイさん視点で......あれそうすると少年の視点で最後の日の出来事を少し見てた気が......


「え?」


『たぶんだけど、成仏前の俺でもこの一日の封印された「俺」は消せなかったみたいなんだ、ねえちゃんって本当に魔法使いみたいだよな!』


「つまり、私の中に残る星の心?」


そういう私に少しの沈黙の後、少年は言う。


『......うん、名前はあったんだけど、ねえちゃんの力コストでかすぎ!思い出せなかった。だからとりあえず星でいい。』


そうですか......私に残る星の心。


「じゃあ!これからは一緒ですか?」


声が自然と弾む私に、即座に返される否定の言葉。


『うにゃ?無理だし。』


「なんでですか!?」


少年は記憶の中で聞いたことのない真剣な声色で言った。


『ねえちゃんとおれが何が理由で最後どうなったのかは、えっとぉ「アンです。」アンには関係ないぞ。』


名前を呼ばれくすぐったさを感じながら、理由を訪ねる。


「でも、私の起源ですし関係ないことは......」


『えぇ~、でもヤダ、見せたくないな!これみたらアンがアンじゃなくなるかもしれないし、結果だけで良いじゃんか。』


「余計気になりますよ!なんですか?何があったんですか!!」


毒とか言ってたけど切り傷から毒が?


しかし、この少年が頑固なのを忘れていた。


『決定な!この記憶終わりー終了。死にかけた俺と存在値が限りなくゼロに近づいたねえちゃんがフュージョンしておわりー。』


「ちょ、ちょと適当すぎます!!それの原因を!」


『女々しいぞ!アン俺はそんな子に育てた覚えはありませんよ!』


「いや育てられてないし!」


8歳の少年に突っ込む18年生きた記憶をもつアン。

なんとシュールでしょうか。

少年は爆笑したあと、願いを言っていきました。


『アン、ねえちゃんはやさしいよな......』


「はい!そうですね。」


『そんなねえちゃんに消えて欲しくないよな。』


「ええ......」


『じゃあ、お願いなんだけど聞いて欲しい。俺この事を言うために残留したんだからな。』


「......」


そう言われたら断れないじゃないですか......


『......ねえちゃんを助けて欲しいんだ。ねえちゃん間違えなくこの記憶の再生が終わったら消えちゃうと思う。』


「やっぱりそうですか......」


何となく感じていましたけどそれが現実になるとは。


『助ける方法は......俺には分かんないけど、なんかあると思う。だから、この記憶を終わらせるわけにはいかないし、アンに遺恨を背負わせるのもヤダ!こ、これでも親みたいな者だからな。』


「言ってなさい、まったく......任されました。わがままですね、もう。」


そう口に出すが嫌じゃない。

だって話すだけでシュレイさんと話すような暖かさを感じるから。


『ごめんごめん、最後に力になれるかわからないけど、これを使ってみて......』


真っ暗の中、見えない相手に手を握られ渡されたのは金色に輝く結晶だった。


『これは俺の残りの欠片のすべて。もう、ボクには思い残すことないし、頑張って!アン。応援してる。』


「え?もう行くんですか?早すぎます!もっといてくださいよ、そうだ話したいこともた、くさん。」


『ねえちゃんをーーー助ける、のはボクの、番だか、らお願い、だよ。アン。』


遠ざかる声に溢れる涙。本当にお別れらしい。

私は星と一緒にいられると思ったのに......やっぱり星は自分勝手だ。

結局私がやるじゃないか.....

でも、私もシュレイさんには消えてほしくない。

こんな感情はもうやだ。

絶対に助ける。

何を代償にしてでも。


黒い空間が星の消失ととも消滅する。

目の前に広がるのは一番初めの景色大きな木自然豊かな草原。

その場に生える小さな6色の花。

その側にーーー。

ほとんど透明になっているシュレイさん。


私は金色の結晶を握りシュレイさんの元に歩き出した。


シュレイさんは寂しそうに笑っていた。

でもね、シュレイさん.....何とかして見せる。


「アンどうでした?だいじょうぶですか?」


優しく聞いてくるシュレイさん。

そして今さらながら家族の死が頭に浮かぶが......


「ええ、平気ですよ。大切な思いでです。最後がどうであれ。」


驚いた顔をするシュレイさんだったが、納得したような顔を作った。


「では、これで私とも「ヤですよ?」かれ......え?」


何を言っているのかわからないような顔をするシュレイさん。


「私たちはこれから一緒に『生きる』んですから。別れられませんよ?」


そういった私にポカンとするシュレイさん。

私が握りしめた結晶から仄かな暖かさが伝わった。

ええ、かならず。

そう決意を決めた。

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