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魔法想花の小さな庭園  作者: 流水一
2章ー発芽1日目ー
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魔皇が現れた!《改編版》

『この温かさ......布団の中みたいです!!』


そんなことを叫んでいる私は、現在、サーセルブ大陸の大都市の一つ『コンクレント湖上都市』をまるっと飲み込むほど大きなレーゼン湖の周辺の......どこかの地中12mに埋まっていた。

前世では、確実に窒息死間違えない現状ですが、今の私は、魔法生物マンドラゴラなんですよ。

へっちゃらですね、むしろ、土の味が魔性の森と違い、わたあめに感じているくらいですね。

そんな私ですが、生まれて2日で臨死体験を2回もしてしまいました。てへっ。

一回目は、朝起きる前に、神様に貰った領域魔法【小さな庭園(リトル・ガーデン)】内で、イメーージは無限大だぁぁ !って乗りで、体が悲鳴を上げているのをガン無視して日本庭園を丸ごと呼び出したことで、魔力が空になりました。

たぶん体の痛さから、魔核も空に近かったんじゃないかと思いますが......

それで気を失って庭園内を吐き出されました。

2回目は、昼頃にMPが無い状態で少し走ったら、フッと意識が混濁してきて、お酒に酔った浮遊感を感じてしまい、つい先程までまともに動けなかったのです。

しかし、ここにきて、よく考えたらおかしな事に気づいてしまいました。


まず、地面に埋まっていれば、MPが減らなく回復していくのはフリードさんに聞いたことと、今現在の状況から理解できます。

次に、地面を出て歩き続けると、1秒で2ポイントMPが減っていきました。そこで、植物魔法の【制限(リミット)】を使い1秒で1MPに消費量を押さえることができたのです。

これにより今現在のMP総量が400として、どのくらい持つかというと......

約7分くらいしか持たない計算ですよね?

そんなんじゃ動けない所ですが、魔法植物の自己回復能力で、大気中や地面など、その時の環境を利用して魔素を取り込むことで、1秒で1MP回復します。しかし、空中では何故か回復しません。

あと、太陽光と月光で魔核エネルギーの回復率が上昇するってフリードさんが言っていました。実感わかないんですけど......

話を戻します。


ということは、魔法を掛けて地面を歩いているだけでは、MPは減らないし回復もしないということです。

で、何がおかしいかと言うと.....

MPの説明で『MPがなくなっても動けますが......』ってあるのに、私動けたことないんだけど、すごく理不尽ですよ!?

そうなると魔核は全然回復していないってことです。

MPと同じ速度で回復すると思っちゃいけないってことですか......

うーん、具体的な魔核の総量が分かれば、もっと考えて使ったのにーーー。


「はっ、気づいたんだけど、魔核の総量がわかっても余り嬉しくないわ......」


私はハッとしました。


「魔核って寿命のことって認識で良いってフリードさんも言ってたし、自らの寿命なんて数値化して知りたくないわ......しかも今殆ど無さそうだし。」


うんうん、と頷いていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

フリードさんとミャオさんが出掛けてから2時間くらいたった気がしてきました。


時間が経ったことで体の調子がちょっといいですね。

朝の時くらいには持ち直したと思います。


さて、やっと来ましたよ!

私復活!!

これから私のターンです!


そもそも、ある程度動けるようになったし、フリードさんとミャオさんをなんで待つ必要が出てくるのかな?

今日あっただけで、かたや人の頭をビシバシ叩き、空中に投げるうるさい雑草と、ネコミミと尻尾が可愛いけど、敵対すると確実に殺そうとしてくる猫のおねーさん......

フリードさんとミャオさんには悪いけど、私だってガキじゃないんですよ?まぁ、今は幼女化してますけどね。


それに、前世で18年も生きた記憶やファンタジー世界の知識だってそこそこありますし、準大人!!と言ってもいいですよね。

体は幼女、頭脳は18歳!!さぁ、やっと冒険の始まりです!

始めの定番は、スライムとかで、レベルを上げてから、お金も貯めて装備買って......


わたし、分類、魔物じゃん......


せめて精霊が良かったよ。ユーレさん......花の精霊とか可愛い響きだし、なんかシックリくるし......


でもいっか、頭に花が映えているだけで見た目は、人や花の精に見えるし、型としては絶滅しているから気づく人も少数だし、マンドラゴラってばらさずに花の精って名乗れば乗り切れるんじゃないの?

あれ?私天才じゃね?そうじゃね?


そう思い、にやにやして地上を目指す。


「花の精って名乗るならどういう名乗りならいのかな?」


考えていたとき、頭にフッと説明文がない固有スキルのことを思い出した。


「想天花......どんな花か分からないけど、固有ってことは知る人ぞ知る......みたいなスキルじゃないの?」


これを名乗って、知っている人がいたらどんな花で、どんなスキルなのか聞いてみようかな?そうしよう!決めました。


「想天花のアン」


そう名乗ろう。

決意を新たに、地面から顔を出します。今度はゆっくりではなく、勢いよく飛び出すように!!


ドン!


「とぉう!」


という音と共に地上に飛び出て、変身後のゴレンジャー張りのポーズもとってみました!!

意外に恥ずかしくない!素敵!!今の私輝いてる......かもしれない。

自分に言い聞かせていたら、気配を感じました。


「......」


先程までポーズを決めていた私の5m手前にどうやら誰か居たらしい。自分に夢中で気づかないとか!私はナルシストか!?


「ダレデスカ?」


自分に突っ込みを入れつつ、目の前で動かない人に声を掛ける。本来なら、警戒するところだが、相手に敵意がないことを感じ取っていた。もしかしたら、近くを通りかかって、いきなり出てきたことでビックリしただけかもしれない。


「......わたし?」


そう言って、こてんと首を傾げて自らを細い指で指す独特の髪色をした少女はニッコリ微笑み自己紹介をしてくれた。


すごく......美少女です。


彼女の仕草一つ一つに気品が感じ取れる優雅さがあった。また、動きに合わせて、青色の明暗を頭の天辺から毛先までで表す髪が動くその時、光る粒子が舞っていた。

その粒子エフェクトはどうすれば手に入りますか?

見たこともない現象に息を呑む。


少女は名前を言おうとしていた。


「......わたしはレー......さん、と呼ぶ。」


「今の間が気になるんですけど!偽名でしょ?絶対。」


「......ふい。」


ふいって言ったぁぁ!!

レーさん(100%偽名)はそっぽを向いてしまった。

レーさんは此方をじーと見つめてきた。なんかこの子の気持ちが分かる!きっと脅かしたのを謝れって言ってるに違いない。


「ごめんなさい......いきなり脅かして、あやま......え違うの?」


何故かは分からないけど、ムスッとした顔をされた。


考え込んでいると、ため息が聞こえ声を掛けられました。なにがこの子の気持ちが分かる!よ、笑わせないでよね......

自虐しつつ話を聞く。


「......名前、名乗って。」


「ああ、そうか、私の事か!」


こくんと頷く彼女、そんな彼女との身長差は、現在60cmくらいありそうだ。

つまり、魔法を使った今の私が100丁度でしょ、元の私が140後半だから、この子......お姉さんになるのかな?お姉さんは150後半で、私より10cm高いってか、私がチビ......

くっ、いいの、身長なんて、か、飾りよ!


かましてやるわ!背の大きさが戦力の決定的さでないことを教えてあげるわ!


「ふっ、君に名乗る名はないいいい!?」


「......」


クイーーー。


「にゃにしゅんにょよ!!」


「......ふざけない?」


「わなしわいいだってはじべを!」


「......ちゃんとしゃべって?」


とりあえず手を離そうか!?私の口から!!

そもそも、ほっぺを両サイドで引っ張られて、まともにしゃべれるわけ無いじゃない!!



そういう思いを込めて、目の前の表情が乏しい少女を睨む。

髪が揺れるたびにポワポワした光が舞っていた。

口から手を離され、頬を撫でつつ文句言う。


「痛いでしょ!?」


少女はキョトンとしていた。

むっとした私は、少女にやり返そうと両手を伸ばしたらーーー。


「......はなし聞いてなかったの?な・ま・え・は」


「ちょっまってください。顔近い!そんな近くでにらまなで!あと......下ろしてください。」


少女の頬を掴もうとした両手を片手で纏められて、少女の細い見た目とは考えられない力で、少女の顔の前まで釣り上げられた。

地面から足が離れると急激に不安に襲われるため、抵抗らしい抵抗は何一つ出来ない。これは種族特有の弱点なのか、それともフリードさんのせいなのか分からないけど、とりあえずフリードさんが悪いってことにしておいた。


顔と顔が触れる距離まで近づいたとき、彼女が「......緑の目」と呟いていたが、まぁ、私の目の色は透明感がある黄緑ですけどなにか?


地面に下ろされる寸前で、腕が下がるのをやめ、つま先立ちしてやっと触れるって距離で止められてしまった。

下ろされると安堵していた私は、急激に込み上げてくる感情を押し込み、レーさんと偽名を名乗る少女の顔を上目使いで伺う。


「......あ、あのね「じゅるり。」ヒッ!」


私もしかして捕食されちゃうの?いいいいいやややややだだあああああ!!!

自分では思いきり暴れているつもりだが、実際空中に浮いている体は、手を振りほどく力も入らず、足を振り回したつもりが、ただブラブラしただけ。そんな自分の惨状に絶望し、最後の時を目を閉じて待った。


が、


「......ごめん、可愛かったからつい。」


「ふぇ?」

おろおろしていそうな気弱な声が前から聞こえた。

そう言って謝られたが、下ろしてはくれないらしい。


「......ん、わたしの事おぼえてる?」


「......え?」


「......そう。」


そう悲しげな顔をした少女は、青い明暗を示す髪が下に力無く垂れ下がり、落ち込んでいるように見えた。


なんか悪いことをした気がしますけど、覚えているかと言われても......六花の友達にいましたっけ?いや、いませんでしたね。こんなに可愛いければ、六花と揃って人気が出そうなんですけど、

まぁ、今はーーー。


「と、とりあえず、名乗るんで、名乗ったら下ろしてくださいよ!?絶対よ!!」


「......絶対守る。」


言質も取りましたし、では、さっき考えた名乗りを今ここに!!

万歳状態でカッコつきませんが......ええい、ままよ!


「私は、想天花の花の精、想天花のアンと言います。」


「......」


「じゃあ、約束通り下ろしてください。レーさん?」


名乗ったとき、今まで表情が乏しかったのがあり得ないくらい、変化した。その顔は驚愕の表情だった。

一応名乗ったんで下ろされると思い話しかけたが、心ここに在らず。

名前を呼んだことで、呼ばれたことに気づき、反応が帰ってきた。


「......ちがう。」


「え!い、いえ、わた」


花の精と名乗ったことがばれたと思い、冷汗をかく。

彼女は私を宙釣りしている手とは反対の手をこちらに向けて言った。

その手に魔素が収束し魔力を形成していくことに気づいていたが、どうしても力が入らなかった。


「っ、お、落ち着きましょう。ね?レーさん。」


「ちがう!わたしのなまえは、レーゼン......蒼水晶(ブルー・クリスタ)の物質精霊。」


どうやら、私についてではなく、自らの名前の呼び方の話でしたか......ですが、その手で何をするつもりですか?


「あ、そ、うなんですか?ごめんなさい。で?いったいなにーーー。」


「水属性の自然魔法【バブル・キューブ】。」


「わわわぁぁ!?」


なんと、これが魔法ですか!水属性とは私も、初級なら使えるかもしれませんね!ってそんなことより、この魔法はどうやら、拘束系の魔法みたいですね。大きな泡に閉じ込められてしまいました。そして、地面から浮いていることで、まともに動けません。動けても壊せそうにありませんが......それに、私に敵意じゃなくて、別の感情を向けていた気がします。

そんなことを考えていると、魔法に拘束された私を今までとは違い意思あるような目で見て、湖の中に潜っていきました。

私を放置してくれたら良かったんですけど、そういうわけには行かず、私を閉じ込めた泡は水の中に続けて入っていきました。


もう、どうにでもなれ!


そんな思いを抱いていたら、水の中で彼女がこちらを振り返り、何かを言っていましたが、水の中では聞こえませんでした。

しかし、どうやら、会話をするために話しかけてきたわけではなさそうでした。

なぜか水底にある城に、向かっているようです。

なにあれ、湿気多そう。


そんなことを考えていました。






「......おかえり......マイマスター。」















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