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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第17章 塔と代弁者と愚か者たち

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(2) 南東の塔のレベルアップ

 北と南の塔が聖獣と魔獣の塔であるのに対して、北東・南東・北西・南西の塔は四属性の塔と区別することにした。
 塔の規模から見ても、区別することに反対するメンバーはいなかった。
 またゴーレム一号が出来たことで、召喚陣の設置の時間を考えなくてよくなったことにより、更にいろんなことが出来るようになった。
 とはいっても今は一号しかいないので、あまり作業の手間を増やしても作業を捌ききれなくなる恐れはあるのだが。
 今はまだ時間的な余裕があるので、四属性の塔で眷属たちの数を増やすことになった。

 まず、手つかずだった北西の塔は、ハクの手が入ることにより管理が開始されている。
 四属性の塔のうちの残りの三つの塔と同じように、一つの階層はミニドラだけの縄張り状態になっている。
 ただし、他の塔と同じように完全に自然発生するモンスターを抑えることは出来ない状態だ。
 これに関しては、どうしても抑えることが出来ないようで、他の三つの塔でも同様の結果になっている。
 北東・南東・北西・南西それぞれの眷属は、霊体レイス・スライム・ミニドラ・小鬼人ゴブリンがメインになっていた。
 一層だけで、考助の都合で実験を行ったので、後は自由に管理させている。
 少し前になるが、北東の塔では塔LV4になったとピーチから報告を受けた。
 塔LV4になったことで、召喚陣で中級モンスターが召喚できるようになった。
 流石にすべての召喚陣を中級に変えてしまうと、今いる眷属たちが討伐されかねないので、少しずつ変えて行っているとのことだった。

「コウスケさん、南東の塔がLV4になりましたわ」
「おっ。ほんとに? 中級モンスターは?」
「召喚できるようになりました。ピーチと同じように少しずつ入れ替えていくつもりですわ」
 一層分全部をスライムだけにしている状態なので、管理もそれなりに手間がかかる。
 餌用の召喚陣の設置だけでなかなかの手間なのだ。
 そのためのゴーレム作成だったのだが、召喚陣の入れ替え作業のような細かい注文はまだ難しいレベルなのだ。
 余談だが、コウヒとミツキはそう言った要求にもこたえられるレベルのゴーレム作成を目指している。
「そうか。結構大変だと思うけど、召喚陣を全部入れ替えられるようになれば、儲けも出せるようになると思うから」
「そうですね」
 アマミヤの塔でも同じだったのだが、中級モンスターの召喚陣を設置できるようになってから完全に黒字が出せるようになっていた。
 もっともアマミヤの塔では、それがなくても世界樹とヴァミリニア宝玉があったために黒字になっていたのだが。

「そう言えば、ここ以外の塔でもユニークアイテム出てくると思ったんだけど、出てないよね?」
「ユニークアイテム?」
「こっちで言えば、世界樹とヴァミリニア宝玉みたいなやつ」
 シルヴィアは少し首を傾げて考える。
「ありませんね。そう言えば、ユニークアイテムでしたか」
「そうなんだよね。でも階層交換できたのがよくわからないんだよね。神力の発生はきちんとしているし。神石とかみたいに機能停止はしていないから余計わからない」
 アマミヤの塔の設置物の一覧の説明文には、世界樹とヴァミリニア城はしっかりと「この塔専用」と書いてある。
 だが、北と南の塔に階層交換した後も、きっちりと神力を発生していて、アマミヤの塔にあった時と同じように働いているのだ。
「確かにそうですわね」
「まあ、ヴァミリニア城はともかくとして、世界樹が働かなくなるというのは想像しずらいけど」
 世界樹が機能を果たさなくなるという事は、エセナが働いていないという事と同じ意味になる。
 階層交換した後もエセナは元気にしているので、特に問題はないと判断していた。

 シルヴィアと二人で話をしていると、フローリアが交ざってきた。
「コースケ、南西の塔がLV4になったぞ?」
「・・・追い付かれましたか」
 フローリアの報告に、シルヴィアが若干気落ちしたような表情になった。
 南西の塔は、攻略が一番最後だったために、管理開始が遅くなっている。
 それにもかかわらず塔LVで追いつかれているのには、眷属たちの育てやすさに差があった。
 フローリアが南西の塔でメインで召喚しているのは、小鬼人ゴブリン達だ。
 一方でシルヴィアが召喚しているのは、最弱モンスターと名高いスライムである。
 育てやすさが全く違っているのだ。
「そこはあんまり気にすることないよ。それに、スライムが成長してくのを見るのは楽しみだからね」
 考助がしっかりとフォローする。
「他の階層では、別の眷属も召喚しているんだろう? あまり気にする必要はないと思うがな」
 フローリアの言葉通り南東の塔では、スライム以外の眷属を別の層に召喚していた。
 だが、其方は「水」の塔らしく水様性のモンスターの為、水がないところでは活動できずに、さほど数を増やすことも出来ない状態だった。
「多分予想だけど、中級モンスターを倒し始めて進化しだしたらスライムもかなりの使えるようになると思うよ?」
 これはただ単に考助の希望も含まれている。
 最弱スライムが進化を果たして最強スライムになっていく話は、考助としても好物の部類だったのだ。
 とはいえ、そんなことを知らないシルヴィアは、少し疑わしげな表情になっていた。
「く、苦労した分、成長してくれたら嬉しいよね? ・・・よね?」
 少し慌てて考助が、フォローになっていない言葉を付け足した。
 それを見たシルヴィアは、一度ため息を吐いた。
「まあ、良いですわ。確かに進化に関してはしやすいようですから。・・・その分倒されやすいんですが」
 シルヴィアの言う通り、南東の塔で召喚しているスライムは、既に数種類の進化を果たしていた。
 だが、例え進化していても討伐されてしまうのが、スライムらしいと言えばらしい。
 中級モンスターが召喚できるようになったことで、戦闘力を含めた大幅な進化に期待したいところである。
「そ、そう。それで? ゴブリンの方はどうなの?」
「流石に鬼人以外の進化は見られないな。ただ、鬼人ではなくゴブリンたちの中で、道具を作る者達が出て来たな」
「え・・・!? まじで?」
「うむ。まじだな。というか、そこまで驚くことか? 普通のゴブリンもそういったことはやっているぞ?」
 フローリアに言われて、考助はファンタジー定番のゴブリンを思い浮かべた。
 確かに話の中では、器用なゴブリンが出て来て武器を作ったりしていたが、まさか召喚モンスターも当てはまるとは思っていなかった。
「道具の作成ねえ・・・まあ、うちにはイグリッド族がいたりするけど。やっぱりドワーフっていたりするの?」
 今まで確認してこなかったことを確認する考助。
 別に避けてきたわけではないのだが、特に強い武器を必要としてこなかったため、わざわざ聞く必要が無かったのだ。
 シルヴィアとフローリアは顔を見合わせた。
 その様子を見て、何となく考助はピンときた。
「もしかして、何か問題があったりする?」
「いや・・・問題と言うか、ドワーフ達が塔に来るとは思えなくてな」
「ん? どういうこと?」
 考助に促されて、フローリアがドワーフの現状を話し始めた。

 この世界に存在するドワーフは、考助が想像していた通りのドワーフそのものだった。
 当然手先が器用で、特に武器防具作りに関しては、他に秀でる者がないというのも同じだ。
 ただ、そのドワーフたちは、その特性を生かして完全に人間社会に溶け込んでいて、ヒューマンについで人口の多い種族になっているとのことだ。
 長い歴史で上手く棲み分けが出来ているので、わざわざ塔に移住してくるような者達の方が珍しいということなのだ。
「なるほどね。まあ別に強い武器を必要としているわけでもないし、欲しかったらそれこそ買えばいいから今のところは必要ないけどね」
 武器の量産を始めるならともかくとして、そんな事は全く考えていないので、わざわざドワーフを塔に招く必然性を感じていない考助であった。
というわけで、この世界におけるドワーフの立ち位置でした。
フラグっぽいですが、今のところドワーフたちを塔に招き入れる予定はありません。
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